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■第64回新道展=他の部屋 (2019年8月28日~9月8日、札幌)

2019年09月14日 16時20分14秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
(承前)

 新道展の続き。

 冒頭画像は大塚富雄(函館)「虐待ギャクタイ」。
 なぜ題にわざわざルビをふったのだろう。
 大塚さんは昔、焼却炉を、重厚なマチエールで描いていたが、この数年は幽霊のような群像を描いている。この絵も、どんな場面なのか不明だが、なぜか印象に刻まれる絵だと思う。


 左は福島靖代(札幌)「連鎖 III」。
 まばゆいばかりの赤が、福島さんらしい。

 右は河合キヨ子(同)「サヨリよ何処いずこへ」。
 細長い魚と板を平面に構成している河合さんが、珍しく奥行き感のある構図を描いている。


 左は武井千秀(同)「それはうろこか花びらか」。
 佳作賞。
 新道展を20回ほど見ているが、日本画が入選・入賞するのは初めてではないかと思うぐらい珍しい。

 右は小谷良(同)の水彩「午後のカフェテリア」。
 一般入選。
 札幌市豊平区西岡の画廊喫茶「十字館」がモデルだろう。
 落ち着いた光の入り具合が心地よく描かれている。


 4枚目。

 会員に戻って、柳川育子(同)「追憶」。
 ベテランによる100号×2の大作。
 風にながれ,巻き付く布のような形に、画家自らの思いを託す。

 右側は細木博子(同)「時の流れの中で」。


 5枚目。

 右は藤田恵(同)「流転」。
 中央の人物の、陰になるように背中合わせの人物が描かれ、全体に陰影を与えている。

 そのとなりは松久充生(十勝管内芽室町)「それさえも意味をなさない」。
 すぐれて「現代」を感じさせるのが松久さんの絵。「IT時代以降」の感性が充溢している。

 左は居島美恵子(苫小牧)「領域」。
 居島さんが抽象に転じてから、けっこう長い年月がたったなあ。
 まさに「領域」という題にふさわしい作。


 このほか会員では、幼女の不安を画面に定着させた高橋良子(帯広)「けはい」、薄赤と緑の組み合わせが絶妙な松本道博(札幌)「レクイエム(亡き母の故郷)」、山本家弘(伊達)「トルヒーリョ」を挙げておきたい。
 松本さんは画面を横にいくつかの部分に区切って、広がりのある風景画を得意とするが、今回は中央から奥へと一本の田舎道が貫いて、広がり感に奥行き感もプラスされている。


 あとは、個々の作品について述べることはしないが、こうして一部を切り取ってみると、昨今の油彩の主たる題材というのは「ノスタルジー」なのかもなあという気はしてくる。
(松久さんはこの傾向と正反対なところが良いのだ)
 絵に取り組む人、団体公募展に出す人が高齢化しているというのも理由としてあるかもしれない。


 あと、一般からの入賞が、人物(もっというと女性)を描いた絵ばかりなのが気になった。
 これは選考の偏りといっていいのではないでしょうか。



2019年8月28日(水)~9月8日(日)午前10時~午後5時半(最終日~4時半)、月曜休み、
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)


□新道展 shindoten.jp/

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