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藤女子大写真部展と小樽商大写真部三月展

2006年03月24日 00時26分46秒 | 展覧会の紹介-写真
 藤女子大の写真部展は、全体的に作風が、何年か前にもどったような印象を受けました。焼きのうまさは伝統ですが、かちっとまじめにモノクロを撮っている人が総じて多く、「藤女子大風」というのがあるように思いました。カラー作品はごく少数です。
 考えてみれば、北大風とか札大風とか北星風とか札幌学院大風とよべるような傾向はないわけで、おもしろい現象であります。
 あと、今回は、動物園でレンズを向けた人がとても多かったです。撮影会をやったんでしょうか。もっとも、岩本睦美さんのように、ライオンのあくびの連続写真などたのしい写真もあるのですが、総じてどことなくさびしげで静かなのが藤女子大風。杉本尚美さん、三浦亜希子さん、林奈緒子さんなどが、フラミンゴを撮っても、華やかさより静けさを感じます。
 さびしい写真ということでいえば、岡島貴衣さんが筆頭でしょうか。「Photo/graph」は、雪の上の車のわだち、葉を落とした冬の木々、雪の積もったモエレ山など、どこか旅愁にみちたモノクロ連作です。ただ、わだちの写真で、左端に車が見えるところなど惜しいです。一方、「汽車でぶらっとな。」は、倶知安に普通列車で行ったときのリラックスしたカラー写真5枚組みです。
 松田香さんは、古いミニ(自動車)のアップがユニーク。背後にテレビ塔が写っています。
 湯山美里さん「残されたもの」は、廃墟を思わせるコンクリートのアーチ状の物体にせまり、なかなかの迫力と質感です。
 平松萌さんは、東京(たぶん大田区)で撮ったモノクロ8、カラー7枚ですが、古くさいアイスクリームのケースや人気のない路地など、まるで東京らしくないところがいいです。とくに、横断歩道の前でたたずむ人を写した1枚は情感にみちています。
 今野真理子さんの被写体は旭川四条駅でしょうか。誰も歩いていない夜の道路、飲食店の裏口など、筆者の好みの写真です。地方都市のうらぶれた感じが良く出ていると思います。
 あと7人います。全員紹介できなくてごめんなさい。

 樽商大は、初めて見ました。
 藤女子大とくらべるのは酷かもしれませんが、とくに下級生は焼きの不安定さが目立ちます。
 なかでは、倍賞恵さんの家族を撮った作品、神田さやかさんの犬や子ども、魚を撮った写真が、ロードムービーのような物語を感じさせました。
 また、本多由明さん「始まるよ、という高らかな声」は、地下道や電車をとらえ、統一感のある9枚組みだと思いました。

藤女子大学写真部写真展
3月22日(水)-26日(日)10:00-19:00(最終日-17:00)、
札幌市写真ライブラリー(中央区北2東4、サッポロファクトリー・レンガ館3階 地図G)。

小樽商科大学写真部三月展
3月20日(月)-26日(日) 11:00-19:00
ADPギャラリー(中央区南2西10 アラゼンビル3階)
 西10丁目通と、南1条と2条の間の仲通が交叉する角のビルです。


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2 コメント

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Unknown (T.nakamura)
2006-03-24 23:26:11
作品を出しているのは、3年生が6人、2年生が4人、1年生が5人である。



3年生は、大瀧恵さん(3点)・岡島貴衣さん(15点)・林奈緒子さん(17点)・平松萌さん(15点)・三浦亜希子さん(14点)・湯山美里さん(9点)。



2年生は、岩本睦美さん(25点)・笹川みずほさん(16点)・杉本尚美さん(22点)・平澤万里恵さん(21点)。



1年生は、今野真理子さん(7点)・高橋恵子さん(6点)・本間絵里佳さん(7点)・松田香さん(8点)・丸嶋果林さん(18点)。



私が注目したのは2年生の平澤真理恵さんです。今年1年間の成長が楽しみ。
わたしのメモでは (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2006-03-25 00:28:23
杉本さんが5点、大瀧さんが12点になっていますが…。



個人的には、平松さんの横断歩道だなあ。

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