北海道美術ネット別館

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第51回 森田哲隆絵画展(6月18日で終了)

2006年06月19日 23時09分49秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 「モナコ公国アルベール2世国王即位記念 モナコ・コートダジュール国際芸術店プリ・ドヌール(「名誉賞」)受賞記念」という長い副題がついています。森田さんは室蘭在住で、札幌での個展は2回目。フォーブ調の勢力が比較的強く、日展調の「きれいな」絵が三越以外ではなかなか見られない北海道にあっては、森田さんは貴重な存在ではないかと思いました。
 小品を含めた150点余りは、すべて風景画です。しかも、「カムイワッカの滝」の2点をのぞいては、筆触の跡を感知させない、表面が平滑な絵ばかりです。
 この画家らしいのは、アトリエの近くの風景を描いた「宵の絵鞆」や、礼文島を題材にした「最北の湖」など、宵闇のなかにぽつぽつとあかりがともるのを、白の極小の筆で描いた一連の作品。100号の「漁火(函館)」は、漁火や函館の夜景に加え、藍色の空に浮かぶ満月が、ロマンティックな風情をかもし出します。
 あるいは「明日への希望」「東輝」といった作品は、夕焼け空の茜色がまばゆいです。
 中国・桂林やベトナム、佐多岬など、題材は各所にわたっていますが、一番多いのは、いまも住む室蘭です。一般には工業都市と思われている室蘭が美しい風景を持っていることを、よくつたえる個展でした。
 森田さんは一期会委員(北海道支部長)。

6月13日(火)-18日(日)10:00-18:30(最終日-18:00)
ギャラリー大通美術館(中央区大通西5、大五ビル 地図A


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