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月寒忠霊塔と平和公園

2019年04月04日 23時18分17秒 | 新聞などのニュースから
 2019年3月28日の北海道新聞に、札幌の「月寒忠霊塔」を、国が補修に着手する方針であることを報じる記事が載っていた。
 月寒はかつて陸軍の連隊があったまち。1934年(昭和9年)に、戦没者の遺骨箱などを収める塔が建立されたが、戦後は国と自治体(旧豊平町→札幌市)の間で、管理責任の所在がはっきりせず、月寒忠霊塔も傷みが目立つようになり、近年は立ち入り禁止が続いていた。

 この塔が「野外彫刻」のカテゴリーに入るかと言われると、正直なところ、あまりそうは思えないのだが、昨年2018年春に様子を見てきたときの写真があるので、この機会に紹介しておこう。 




 地下鉄東豊線の月寒中央駅から約470メートル、徒歩6分。

 中央バスの「月82」系統で、始発・終着である月寒中央駅のひとつ手前に「忠霊塔」という停留所がある。



 1992年、月寒忠霊塔奉賛会が数百万円をかけて補修したものの、再び老朽化が進んでいる。
 奉賛会は会員の高齢化が進み、対応に苦慮していたという。





 忠霊納骨塔由来

おもフニ我ガ聯隊れんたいハ創設以来既
ニ三十有余年ノ星霜せいそうヲ経タリ
其ノ間精忠雄節ノ将兵ニシテ
身ヲ以テ国難ニ赴キ戦傷病歿
セシモノ其ノ芳骨今ヤ実ニ一
千余体ノ多キニ上ル 是レ皆生
キテハ国家ノ干城死シテハ護
国ノ神霊トシテ軍旗ノ光彩ト
共ニ永ク後人ノ敬仰スルトコ
ロナリ 是ヲ以テ其ノ偉績ヲ偲
ビ其ノ神霊ヲ慰メンガ為ニ忠
魂納骨塔ノ建設ヲ企テ広ク官
庶民ニ計ルニ賛ヲ得ルコト十数
万ニ達シ国民銃後ノ赤誠溢レ
ここニ其ノ実現ヲ見ルニ至レ

嗚呼忠勇ナル我ガ先輩将兵ノ
義烈ハ是レ即チ軍人精神ノ亀
鑑タリ 其ノ勲績ヲ敬慕スルノ
任ハ須ラク塔前ノぬかずキテ先人
ノ偉功ヲ壮トシ礼ヲ以テ忠励
ノ誠ヲ誓フベシ

 昭和九年二月三日
 歩兵第三十五聯隊長 永見俊徳


 あまりに読みづらいので、漢字は適宜戦後の新字体に改め、難読字にルビをふり、さらに句読点に当たる部分を少しあけ、カナで清音で表記されているものを濁音にしたが、それでも読みづらいかもしれない。
 字釈に誤りある場合は、容赦されたい。





 東側に、参道入り口がある。

 ちなみに先に門柱は、北部司令部の前にあったもので、戦後こちらに移設された。




 忠霊塔から国道36号を超え、連隊のあった土地へと続く道路。

 現在の「水源地通り」よりも1本、札幌都心側を通る、住宅地の中の静かな道だ。




 こういう名前にしてしまうあたりが、いかにも日本的。

 北海道新聞の記事の前半と註釈(とはもの)を次に引いておこう。


 日露戦争以降の戦没者約4千人の遺骨箱などが納められた札幌市豊平区の忠魂納骨塔(通称月寒忠霊塔)について、国有財産を所管する財務省が新年度にも初の本格補修に着手することが27日、同省への取材で分かった。塔は1934年(昭和9年)に建立されたが、戦後は国と札幌市の管理責任が曖昧のまま、老朽化が進んでいた。今回の決定により、国側が老朽化に対応する姿勢が明確になった。

 今回の補修は、財務省が新年度から5年をかけて実施する全国計44カ所の旧軍用墓地の大規模補修の一環。同省は大阪市内の旧軍用墓地で昨秋、多数の墓が台風で損壊したことを受け、月寒忠霊塔が建つ旧札幌陸軍墓地(現平和公園)を含む44カ所の一斉点検を実施し、各地で補修が必要と判断した。

 補修時期は「各墓地の危険度などに基づいて決めていく」(財務省)といい、月寒忠霊塔の具体的な補修時期は今後、決定する。国有財産の管理・処分費の一部で賄う予定で、旧軍用墓地に詳しい仏教大の原田敬一教授は「今回の予算措置は国が対処することを明示した画期的判断だ」と話す。

 戦前に陸海軍が戦没者を埋葬するために設置した旧軍用墓地は戦後、旧大蔵省(現財務省)が引き継いだ。(以下略)

◇月寒忠霊塔と旧軍用墓地◇
 主に札幌と近郊の出身者らで編成され、樺太を守る戦いなどで知られる第25連隊の戦死者の遺骨箱などが塔内に納められている。コンクリート製で、高さは約6メートル。地元の旧豊平町(現札幌市)は塔の所有権が定かでないとして補修せず、終戦から13年後の58年の本紙記事で既に「荒れるにまかせるばかり」と報じられた。全国には、積極的に旧軍用墓地を平和教育に活用する自治体もある。道内の旧軍用墓地は、他に「函館台町陸軍墓地」があるが「大きな損壊はない」(函館市)といい、今回の補修の対象外となる見通しだ。
 

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