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■サンディ・シュン写真展「印象派写真」 (2月23日まで)

2008年02月20日 23時41分09秒 | 展覧会の紹介-写真
 「印象派写真」ってなんだろ、と思って見に行った。
 ポラロイドフィルムSX70で撮った写真を、その直後の数分間で加工したものだという。「写真」といわれなければ、まるで油絵と見間違えてしまいそうな質感だ。
 しかも、一般的なポラロイド写真のプリントよりもかなり大きい。スキャンして再プリントしているのかもしれない。

 竹本英樹さんのブログ「dear FILMS」によると
生産中止直前のフィルムでは不可能だけど、
2005年頃までに製造されたSX70フィルムであれば、
撮影後すぐに定着しない性質を持っていたので、
表面を擦ったりすると画像が滲んだようになり、
まるで油絵のような写真に加工する事が出来た。
ということのようだ。
 なるほど、フォトショップなんかで加工したんじゃなくて、写真そのものをいじったのだ。

 作品はカラー20点で、2枚1組になって展示されている。
 似たようなイメージがセットになっている感じだ。
 被写体は、竹やハス、僧侶など。
 ネパールの空にひるがえる色とりどりの布は、チベット仏教のものだろう。
 竹は青やオレンジににじんで、非現実的な美しさだ。
 カリフォルニア出身の写真家だが、アジアに旅したり住んだりした年月は10年を超すという。アジアで感じた「なにか」に、レンズを向けているのだと思う。

 「欧米人がアジアにエキゾチシズムを感じる」
というふうになると、どうもオリエンタリズムのにおいがして、筆者はあまり好きな図式ではない。
 ただ、写真そのものを見ていると、そういう感じはあまりしない。やはり、方法論と絵肌の独特さが前面にきているせいだろう。

 写真の歴史の本をひもとくと、いまのようなリアルな写真が主流になったのはじつは20世紀からで、19世紀には「ピクチャレスク」な写真が多かったとかいてある。ソフトな仕上げにするなど、わざわざ絵画のような雰囲気の写真にしていたのだ。
 当然のことながら19世紀のピクチャレスク写真はすべてモノクロ。カラーのピクチャレスクというのもめずらしいし、わすれられた雰囲気の写真をよみがえらせるというのも意味のあることだろうと思った。


08年1月15日(火)-2月23日(土)10:00-19:00(土曜-18:00)、日曜・祝日休み
札幌アリアンス・フランセーズ・ギャラリー(中央区南2西5、南2西5ビル2階 地図B)

□Sandy Shum:Impressionistic Photography http://www.sandyshum.com/


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2 コメント

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はじめまして^^v (musashi)
2008-02-21 00:51:12
こんばんはです^^v
musashiと申します^o^
いつも楽しく拝見しています^^v
(実は半年ぐらい前から・・・^^;)
勉強になることや、キレイなで素敵な作品達、
レビューなどなど本当にありがたいことばかりです^▽^v
一度、挨拶をせねばと思って、かなり日数が経ってしまいました^^;
ごめんなさいです^^;
これからも楽しいブログ拝見させて下さいね^^v
ではでは、また来まぁ~す^o^/
返信する
musashiさま (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2008-02-21 19:31:42
はじめまして!
コメントありがとうございます。
文章の量ばかり多くて読みづらいブログかもしれませんが、今後ともよろしくおねがいします。
musashiさんも、なにかおすすめの展覧会がありましたらおしえてくださいね。
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