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青葉市子と野口里佳。リボーンアート・フェスティバル 鮎川エリア 2019年秋の旅(16)

2019年10月09日 09時20分16秒 | 道外の国際芸術祭
(承前)

 「詩人の家」のまわりに、古い民家や店を利用した会場がいくつか。

 青葉市子の「風の部屋」は、詩人の家の成源商店別棟。
 公式サイトには

昨年より何度も鮎川を訪れ、聞こえてくる鳥や鹿の声、風の音に耳を傾けました。海で貝殻や鯨の骨を見つけました。インスタレーションはそんな鮎川で見つけた様々な音やもの、青葉自身の声やドローイングによって構成されています。

とある。

 会場に入ると、古い冷蔵庫が置いてあり、扉をあけると、アイスキャンディーが何本も入っている。
 筆者もひとつ、いただきました。

 ははあ、これは、フェリックス・ゴンザレス=トレスの飴みたいだな~、と思ったが、ちょっと違うらしい。
 ゴンザレストレスは、来場者があめを1個ずつ持ち帰ることによって、そこに生じるささやかなコミュニケーションが作品を完成させるという意味合いがあると思うが、青葉市子の場合、来場者が会場のくずかごに置いていったキャンディーの木の棒を使って作品をつくる狙いがあるようなのだ。


 インスタレーション自体は、こんな感じ。

 変な言い方になるかもしれないが、アート畑ではないミュージシャンが、インスタレーションの作法をするりと会得したという感じがあって、このまとまりの良さと、現代アートっぽいとらえどころのなさは、いったいなんだろうと感心してしまう。
 古い家になにかしらモノを配置すればそれらしい感じになるーといったとしたら、それはあまりに乱暴な評言であって、やはりこれは才能なんじゃないだろうか。

 クジラを描いた絵が展示されていた
 やはり鮎川を理解する際にカギとなる生き物なんだろう。

 筆者が訪れたときは、やたらと混雑していたこともあって、会場では音には気づかなかった。


 詩人の家の向かって左側では、野口里佳の映像作品「鮎川の穴」が上映されていた。

 また、となりの室内では「鮎川の道 | 虫 | 猿と桜」と題した小さな写真展も開かれていた。
 逆光を生かした風景の写真は、以前、札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)に展示されていた札幌の写真を思い出させた。

 よく見ると、外壁にも大きなプリントが飾られていたが、これも彼女の作品なのかどうかは分からない。

 「鮎川の穴」は、震災によって鮎川地区の下水道が寸断されたため、四つの穴からくみ取り作業がいまも毎日行われているようすを、かなり引いた地点からとらえたシンプルな動画。
 つまり、バキュームカーがとおくに写っているのだが、1970年代生まれの野口さんはほとんどなじみがなかったんじゃないだろうか。



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