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本郷新「無辜の民」をもう一度見に来た―2020年2月6~8日は13カ所(20)

2020年02月12日 09時18分54秒 | 展覧会の紹介-彫刻、立体
(承前)

 3連休の最終日は、2月12日で終わる「無辜の民」展を、本郷新記念札幌彫刻美術館でもう一度見ることにしました。
 いろいろ迷った末の選択でしたが、8日に学芸員によるスライドトークが午前11時からあったためです。

 ところが、地下鉄の接続が悪い上、円山公園駅でタクシーをつかまえるのに苦労し、10分以上遅れて美術館に着きました。
 ふだんはそもそもタクシーにほとんど乗らないのです。たまに乗るときも、駅を出たらわけもなくつかまえることができました。
 大雪の影響で札幌の道路が狭くなり、タクシーの回転も悪くなっていたのでしょう。
 オフィシャルの「タクシー乗り場」がバスターミナルのそばにあり、そこで乗ることができました。
 しかし、タクシーというのは、歩くのが容易でない人や歩きたくない人が利用するものだと思います。改札口からこんなに遠い場所に「乗り場」を設けているのは、いかがなものかと思います。


 話がそれましたが、どうも、筆者が間に合わなかったトークの前半部分がおもしろかったようでした。

 学芸員氏は、彫刻家の國松明日香さんに、東京藝大の学生として東京に住んでいた1970年当時のことを尋ねたそうです。
「國松先生、そのころは飛行機が飛ぶ版画とかを作っていて、彫刻にはあまり興味なかったんじゃないですか?

と筆者が冗談交じりに言うと、やはり「もの派」の展覧会には足を運んでいても本郷新の個展は見ていなかったとのことでした。

 スライドトークは、昔の貴重な写真なども見ることができて興味深かったです。


 「油田地帯」「ヨルダンの人」「メコン河」などという副題のついた作品群や、「風雪の群像」のエスキースを、もう一度見ました。
 1960年代末は、ベトナムの戦火がインドシナに拡大するとともに、中東でも大規模な戦争が起き、またアフリカでは、飢餓に苦しむ人が大勢出たビアフラの内戦などがありました。
 しかし、イラクの現状などを見ても、2020年の今とくらべて戦争が多かったとはいえないかもしれないのです。確かなのは、日本人の、海外での戦火に対する関心が低下しているということでしょう。

 彫刻は、特定の誰かを表すことができますが、特定の誰でもない像として存在することもできます。
 世の中の大多数の人は、名前も広く知られないまま生まれ、そして死んでいきます。そういう、たくさんの無名の人々を象徴的に表象しているのが「無辜の人」シリーズなのかもしれないなと、あらためて感じました。

 本郷新は、彫刻はお金持ちの庭や美術館にあるだけではいけない(大意)という思いから野外彫刻のパブリックな空間への設置を積極的に進めていったと、スライドトークで聞きました。
 たくさんの無名の人々の拠金でつくられた彫刻は、そういう無名の人々ひとりひとりの像でもあるのでしょう。


2019年11月15日(金)~2020年2月12日(水)、月曜日、年末年始(12月29日~1月3日)休み。ただし、1月13日(月祝)は開館し、14日(火)休館
本郷新記念札幌彫刻美術館 本館(札幌市中央区宮の森4の12)

□Facebook https://www.facebook.com/inmyroomsapporochobi
□twitter @sapporochobi

一般 300(250)円、65歳以上 250(200)円、高大生 200(100)円、中学生以下 無料
かっこ内は10人以上の団体料金



本郷新記念札幌彫刻美術館への行き方(アクセス)
本郷新記念札幌彫刻美術館からの帰り方


・地下鉄東西線「西28丁目」駅で、ジェイアール北海道バス「循環西20 神宮前先回り」に乗り継ぎ、「彫刻美術館入口」で降車。約620メートル、徒歩8分

・地下鉄東西線「円山公園」駅で、ジェイアール北海道バス「円14 荒井山線 宮の森シャンツェ前行き」「円15 動物園線 円山西町2丁目行き/円山西町神社前行き」に乗り継ぎ、「宮の森1条10丁目」で降車。約1キロ、徒歩13分

・地下鉄東西線「西28丁目」「円山公園」から約2キロ、徒歩26分

(この項続く) 

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