北海道美術ネット別館

美術、書道、写真などの展覧会情報や紹介。毎日更新しています。2013年7月末、北見から札幌に帰還。コメントはお気軽に。

■上ノ大作展 -private pieceー (2018年10月3~14日、札幌)

2018年10月16日 21時00分11秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 北広島の上ノさんは陶芸家だが、やきもの以外の発表をしているほうが多いような気がする。
 木を使ったり、竹を組み合わせたり、素材にこだわらない人なのだ。

 今回のインスタレーションは、昨年の道銀本店らいらっく・ぎゃらりいでの個展と同様、竹ひごで制作した。
 竹ひごは約1500本。すだれとして売られているものを、ほぐしたのだそうだ。



 これを会期前半の6日間をかけて、会場いっぱいに組み上げた。
 茶廊法邑の端から端までという巨大さ。
 スケール感で、見る人を圧倒する。

 数学にくわしい人なら「非ユークリッド幾何学」とかナントカ曲面などという言葉が出てくるのだろうし、ワームホールとかメビウスの輪なども思い出す。
 ところどころで会場を引き締めている8個の四角形は、フェンスなどに使われる金網かと思いきや、これは、木枠を自作して白く塗り、竹ひごを組み合わせたもの。

 この枠内で金網のように直線で規則的に交差していた竹ひごは、奥に進むにつれて曲線となり、のたうつ龍の胴体のような形で、会場内をうねる。


 龍の胴体は、太くなったり細くなったり、二筋に分かれたりふたたび合流したり。

 天井からつり下がった電球が5個。
 それが影を作り出し、周囲の壁に映って、空間がますます複雑になる。

「昭和のSFみたいでしょ」
と上ノさんは笑う。
「内側の空間には気を遣いました」

 上ノさんは、今年に入ってから、帯広の美術作家たちとともに米シカゴに滞在し、似た方法論でインスタレーションを制作した。
 これは現地の人々を驚かせ、当初は展示期間が終われば撤去するはずだったが、いま保存に向けて検討しているという。

 今回の作品は、いくつかの部分を「あかり」として再利用する予定だが、やはり取り壊すという。
 もったいない話だが、いつまでも茶廊法邑の空間を占拠するわけにもいくまい。

 技倆やコンセプトも人の心をとらえるが、スケールも人を感動させるに足る要素であることを、あらためて認識させられた個展だった(もちろん、それだけではないのだが)。



2018年10月3日(水)~14日(日)午前10時~午後6時、うち10日までは公開制作
茶廊法邑 (札幌市東区本町1の1)


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空知管内新十津川町「かぜのび」に行ってみた

2018年10月16日 12時09分28秒 | 街角と道端のアート
 10月8日に、空知管内新十津川町吉野にある、五十嵐威暢さんのアトリエ兼ギャラリー「かぜのび」に行ってきました。

 旧吉野小学校の建物を利用したものです。
 2012年に路線バスが廃止されてしまい、車以外では訪問は困難です。国道451号は幅がやや狭いので、運転には注意が必要です。
 また、入り口の表示は小さくてちょっとわかりづらいですが、「元学校」ということを頭に入れておけばよいでしょう。

 校庭だったところに、玄関からまっすぐ伸びるようなかたちで、大きな閉校記念碑が設置されてしました。
 玄関側には、学校の沿革と校歌の歌詞が黒い石に刻まれています。

 玄関は、ふつうの小学校式ではなく、黒い板で長い通路が取り付けられ、農村地帯から異界に行くトンネルのようです。もっとも、施設内は明るく、すっきりとしています。


 1階には、大きな教室(旧職員室?)の壁ひとつをふさぐほどの巨大な陶板「思い出せない白の伝説」など、さまざまな作品が置かれています。
 札幌芸術の森美術館の「五十嵐威暢の世界」やJRタワーでもおなじみの、横長の壁掛け型彫刻などもあります。
 2階には上がれませんでした。

 五十嵐さんのデザイナーとしての美意識ゆえだと思うのですが、作品タイトルはおろか、順路を示す標識も、「さわらないで」「撮影禁止」といった表示など、いっさいありません。

 体育館に入ってびっくり。
 先頃、札幌芸術の森美術館の前に取り付けられた「こもれび」の、さらに巨大なバージョンがつり下げられていたのです。
 入り口で手渡された蛇腹じゃばら式の小冊子に寄せられた酒井忠康さん(美術評論家、元神奈川県立近代美術館・世田谷美術館館長、後志管内余市町出身)のテキストによると、これは「ゆ・ふ・る・じ」という題で、横12×縦9×高さ4.6メートルという巨大さです。合板を切り抜いた模様が透けて見えるタイプで、内側に入ることができます。
(なお、この小冊子のすてきな写真は酒井広司さん。室蘭育ちの酒井さんの生まれは余市ですが、酒井忠康さんと親類ではないそうです)

 ただ、ちょっと思ったのは、古い校舎が見事なまでにスタイリッシュに変身して、卒業生や地元の人はどういうふうに感じるんでしょう。たとえば上川管内幌加内町の旧政和小など、たいていの旧校舎には、昔の子どもたちが合作して描いた絵が体育館に残されていたり時間割が貼ってあったり、古い時代の面影が残されているものですが、「かぜのび」にはその手のものがほとんどないわけで、一抹のさびしさを感じたりしないのでしょうか。もちろん、取り壊されることに比べたらはるかに良いわけですし、外野のよけいなお世話ですが。


 入場料は200円、小学生以下無料。
 開設期間は5~10月。月曜休み(祝日は開館し翌火曜休み)。


□かぜのび http://www.takenobuigarashi.jp/kazenobi/




・JR新十津川駅から約15.6キロ、滝川駅から約16.2キロ
・北海道中央バス「橋本町」から約13.8キロ
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