バロックな話

バロック音楽/バッハとチェンバロ演奏、あるいは音楽のいびつな雑感

バッハのトリオソナタ

2009年08月19日 | バッハ

 バロック音楽の重要な様式であるトリオソナタ。2つの旋律楽器と通奏低音(通常はチェンバロとチェロもしくはガンバ等)で演奏される。バッハのトリオソナタはそれほど多く無い。純粋なトリオソナタで有名なものでは「音楽の捧げもの(BWV1079)」に見られる、「フルートとヴァイオリン、通奏低音のためのソナタ」がある程度。もちろん名曲である。

 しかしバッハはこの様式の演奏形態を発展させることの方に関心があったようである。ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ、フルートとチェンバロのためのソナタ等がそれにあたる。旋律楽器を1つにし、チェンバロの右手でもう一つの旋律楽器の役目を果たし、古典的なヴァイオリンソナタなどの前身的な楽曲である。

 さらに驚いたことに、バッハはオルガン1台(一人)でトリオソナタを演奏してしまうという、オルガンによるトリオソナタ(BWV525‐530)が残されている。この曲は右手、左手で2つの旋律楽器を、足鍵盤で通奏低音を分担する、オルガン奏者にとっては恐るべき難曲と聞く。1730年頃の作曲(バッハ辞典・音楽之友社より)とあり、バッハが45歳頃の熟練の技で仕上げられている。バッハのオルガン曲は渋めの宗教曲も多い中、軽やかなバロック様式の純音楽として聞ける美しい名曲だと思う。

 因みに私のお勧めの演奏(CD)は、サイモン・プレストン。オルガンの適切なレジストレーションに加え、アーティキュレーションが明快で音の分離が良く、あたかも3人で演奏している感じが良い。

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