布団に入った。
ゆきを呼ぶ。。。やはりお尻を向ける。
こっちだよ、こっち、と頭側を自分の方へ
向けるべく、上半身を抱き抱える容で
ゆっくりと撫で乍ら一回転。。。
此処最近する様、背中を、首を撫で、そっと
マッサージをする。
体重とは反比例し、下半身が痩せ細り
脊椎付近がゴツゴツする。今年初め位からか?
腰付近が張って居る、かなり硬く
解す事は出来ない程。。。頭の肉も落ちた。
内腿のテロテロの、しかし暖かい温もりを
触り撫でる。Tシャツの下に手を入れ顔を
擦り付けた。
何故か、涙が止まらなかった。お陰さまで
今朝は目が腫れぼったい。随分泣いたらしい。
これまではゆきという存在が無になってしまう
といった得体の知れない恐怖心で
満たされたが、昨夜ははっきりと確認出来る
老いに触れ、改めて別れを実感する。
そう遠くは無いのだ、と。存在そのものが
消えてしまい、無となる事に恐れ戦いて居たが
愛するイヌ;その子;を亡くされた飼主さん方の
多くが言った。
もう二度と触れられないんですよね、あのフワフワな
体に。。。と。最近では白コロママがその様な事を
話して居た。
その言葉が甦り、急にいつもとは相違する恐怖心に苛まれた。
存在が無になる、二度と、何が起ころうと
不可逆的な死に因り
このテロテロな体、温かい腹部、柔らかな厚みの増した首
硬くなった背骨には触れられないのだと。。。
バカだな、等と思える余裕すら無く
唯、泣いた。
怖い怖い怖い。。。
ゆきが、このゆきが消えてしまう等、有り得ない。。。
自分は最早存在価値すら無くなる。
ゆき在っての自分。。。
ゆき亡き後の身の振り方を具体的に
考えて置かなければいけない時期に来て居る。
麻布へ行く事も恐怖だ。今日は一体
何が発見されるのか。
ゆきは朝食を食べられない。。。
ごめんな。。。