高校履修不足:県内でも5私立高・1416人 暁星国際、80人が補習 /千葉
◇暁星国際、80人が補習204時間
全国の高校で相次ぐ履修単位不足問題が県内でも発覚した。
受験や就職を間近に控えた5私立高校の3年生計1416人の履修漏れ。
暁星国際では80人が204時間の補習という異常事態となり、
専大松戸では県の検査をすり抜けるために時間割を偽造したケースも明らかになった。
長期間の履修漏れを見抜けなかった県のチェック体制の甘さにも批判が出そうだ。【山本太一、神足俊輔】
◇偽時間割で検査通過も
県学事課によると、各校は学習指導要領に基づく独自の教育課程表を提出。
これに基づいて時間割を決めるが、5校はいずれも実態として課程表を守っていなかった。
暁星国際の履修漏れは99年度から。
「日本史又は地理」を履修しないなどで80人が7単位▽14人が「理科総合A又はB」を履修しないなどで計5単位――がそれぞれ不足した。
7単位は50分授業245回分で204時間に相当する。
寺井義行副校長は「大学受験で必要な授業を優先した」と釈明している。
一方、専大松戸では計614人の1~4単位の履修漏れが判明。同校では02年度から続いており、
04年7月に同課の検査で課程表と実際の時間割の違いを指摘された。
05年度から改善指導を受けたが、偽の時間割を作って同課に届け出て改善したように装ったという。
森一夫教頭は「生徒や保護者に迷惑をかけて申し訳ない。
大学進学を強化し、他の学校もやっているので問題ないと思っていた」と話した。
ほかにも千葉明徳、拓大紅陵、志学館の3校で計708人が1~2単位の未履修となっていた。
未履修が見過ごされた背景に県のチェック体制の甘さもある。同課によると、私立高は教育委員会が設置する公立高と違い、
各学校法人が設置、運営しており、「法人の自主性や独立性を尊重している」としている。
同課は、各私立高に対し、私学助成法に基づく補助金の不正流用防止に主眼を置いた調査を4年に1回ほど実施。
この際、課程表が実際の時間割で守られているか確認するが、暁星国際は04年の検査で履修漏れを見抜くことができず、
専大松戸には指導をしながら、チェックに抜かりがあった。
同課は「可能な限り課程表が守られているか確認しているが、体制が整わず検査には限界がある」と話している。
10月31日朝刊
(毎日新聞)