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中部地方のミッシングリンクはいつ解消?

中部地方整備局(愛知・三重・静岡・岐阜・長野の5県を管轄)から発表された「防災・減災、国土強靱化に向けた道路の5か年対策プログラム」の内容は以下の通りです。

https://www.cbr.mlit.go.jp/kisya/2021/04/0415.pdf

また、北陸地方整備局(新潟・富山・石川の3県を管轄)から発表された「防災・減災、国土強靱化に向けた道路の5か年対策プログラム」の内容は以下の通りです。

http://www.hrr.mlit.go.jp/road/5kanentaisaku.pdf

これらから、中部地方における「ミッシングリンク」(幹線道路のネットワークの欠落部)の解消に向けての動きをピックアップして紹介します。

1.浜松~飯田(三遠南信自動車道)

地域交流を創造するものとして1990年代~2000年代前半にかけては地元経済界で盛り上がっていましたが、昨今の財政事情に加え、地質の悪い山間ということもあり、事業は遅々として進んでいません。

静岡県・愛知県側では、これまでに新東名と接続する浜松いなさJCTと愛知県新城市の鳳来峡IC間、そして愛知県東栄町の東栄ICと浜松市天竜区北部の佐久間川合ICの間が開通済みです。未開通の鳳来峡IC~東栄IC間については、今回「2025年度開通予定」と公表されましたが、地質の悪さを反映してか"トンネル工事が順調に進んだ場合"の但し書き付きです。

一方、長野県側では、これまでに中央道と接続する飯田山本ICと飯田上久堅・喬木富田IC間、そして矢筈トンネル前後のみが開通しています。未開通の中間部については、今回の資料でも「R3年度 氏乗地区で初めてとなるトンネル工事着手」とあり、開通はまだまだ先です(見込みも未公表)。そして、矢筈トンネル以南の静岡県に向けての区間は、県境の青崩峠道路が唯一工事中なだけで、他は未着工で、一部には当面着工しない区間との烙印を押されている部分もあります。青崩峠道路にしても、あまりの地質の悪さに当初計画ルートを放棄しており、せっかく掘ったトンネルを一般道扱いで供用している区間もあります。

2.三重県東紀州

紀伊半島の西側・和歌山県内の高規格幹線道路については先日当ブログで紹介した通りかなり進捗していますが、東側区間も着実に進んでいます。

2021年夏には尾鷲市街地をバイパスする熊野尾鷲道路の2期区間が開通予定で、名古屋方面から熊野市中心部まで高速道路・高規格幹線道路だけで行けるようになります。そして、和歌山県境区間の新宮紀宝道路が2024年秋頃に開通予定で、残るは七里御浜沿いの区間だけとなりますが、こちらは「今後、早期に工事着手を目指す」とあり、開通はまだまだ先です(もっとも現道は平坦で直線主体ですが)。

3.下呂市周辺

東海北陸道のナンバリングは国道41号並行を示す「E41」ですが、実際のルートは国道41号とは全く並行していません。高山市は接続する中部縦貫道の恩恵を受けますが、下呂市は高規格幹線道路の恩恵を全く受けず、観光面で大いに問題ありです。

濃飛横断自動車道(郡上市~下呂市~中津川市)の計画はありますが、開通しているのは郡上市和良町~下呂市金山町~下呂市中心部のみで、中津川市内ではリニア中央新幹線計画のからみで事業化されているものの、他は調査中レベルです。

4.能登半島北部

能登半島を縦貫する能越自動車道(東海北陸道と同じE41のナンバリングです)は富山県側から七尾ICまで開通しており、以北でも田鶴浜IC~のと里山空港IC間が開通済みですが、中間部は未開通のままです。未開通区間は、既存の一般道である国道159号七尾田鶴浜バイパスを自動車専用道路に改築して対応することとなり、現在工事中です。

ちなみに、金沢と能登半島を結ぶのと里山海道(大半の区間は石川県道、能登有料道路が無料化された際に改称)は能越自動車道の北部区間と接続しており、実質的にはミッシングリンクでもないのですが、北陸地方整備局の発表資料ではのと里山海道の志賀町内が未整備であるかのように記載されています。国土交通省レベルでは現状の道路状況では高規格幹線道路とは見なせないと判断しており、敢えてこの表現にしたのでしょうか?

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