学生時代、といえば当然学校に通っていたわけですが、
学校と言えば売店である。
売店には小高大と、それぞれの思い出がある。(中学は在ったかどうか忘れた)
大学の頃の話。
誰しも、多かれ少なかれ売店を利用したことがあると思う。
当たり前と言えば当たり前だが、
大学の売店は、窓に向かって「○○ください。」方式ではなくて、
並んである商品をレジに持っていく、言うならば『お店スタイル』だった。
それもまた、入学当時は新鮮な気分だった気がする。
売店といっても、通常の授業に使うような教室とは少し離れた場所に位置していて、
売店というか、いわゆる『文房具コーナー』のそれである。
あれは1年~2年生くらいの頃だったろうか。
その文房具コーナーのおばちゃんはアットホームな人で、
いつも明るいというか、
俺らみたいなひっそりとしたような奴にも気軽に話しかけてれる人だった。
近くの食品コーナーにもおばちゃんというか、別のおばさんが居て、
その人も他の生徒にすごく明るく話していた。
食品コーナーの人の方は、なんというか
文房具コーナーの人とはちょっと違った感じで、
『常に威勢のいい生徒』のような人たちによく絡んでいた。
俺の場合は、どちらかというと、そういう所ではわりとひっそりとしていたので
普通に何か買おうとしても、その人たちで騒がしくなっている時は、
食品コーナーにはちょっと近づき辛かった。
いや、誤解の無いようにもう一つ付け足せば
「楽しそうでいいな~」くらいに、ちょっと遠目な感じで見てた。という事である。
やっぱ雰囲気ってあるっしょ? まあ、ちょっと羨ましくもあったのかも。
だが、文房具コーナーのおばちゃんは、
俺がぼーっと一人で入ってきた時も、何かサラっと会話を交わしてくれるような人だった。
なので、居心地がよかったのは文房具コーナーの方だった。
でも、閉店時間が早かったのはちょっと不便だった(笑)。
まあ、いざ何か必要なときはすぐ買えるのはいいよね、売店。
そんなことで、頻繁ではなかったけどたまに利用はしていたんだ。
ある日のことである。
友人のNさんと言えばいいのか、ジャ○ンさんと言えばいいのか、
一緒に文房具コーナーに立ち寄ったんだ。
(文)おばちゃん「実はもうすぐ辞めるんだよね~」
と俺らに告げた。
『いつもの文房具コーナーのおばちゃん』
が定着しかけていただけに、
少し驚きの声を出したと共に、残念な気持ちになった。
そうして、売店に和やかな雰囲気を作ってくれたおばちゃんは、
まもなくして辞めていった。
俺らが2年生、あるいは3年生の頃だったかな。おそらくね。
まあ、そのおばちゃん常に居たってわけでもないし、
文房具コーナーも頻繁に立ち寄ってたわけじゃないんだけどね(笑)。
ただ、連続の授業で疲れてる時の、
あまり人のいない時のそこら一帯の静かなあの空間は良かったよね。
ちょっと新しめの椅子があったりしてさ。
昼休み時は騒がしくてあれだったけど。
今思うと、そういう小さな事でも、ちょっと一息付けるというのは大切だよね。
おばちゃん元気にしてるかな~。