ぐるぐる・ぶらぶら

歌舞伎と映画と美術と読書の感想

【気になる本】20180528-03

2018-05-31 22:22:41 | 気になる本
2018/05/31
モラルの話/J・
M・クッツェー/2,484円/人文書院
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b357452.html
 
ソフト経済小説で読む超高齢化社会 21世紀ネバーランド政策
  /水之 夢端 椋田 撩/2,376円/晃洋書房
http://www.koyoshobo.co.jp/book/b370759.html
 
AIを信じるか、神を信じるか/島田裕巳/886円/祥伝社新書
http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=9784396115388
 
日本人に知ってほしいイスラムのこと/フィフィ/886円/祥伝社新書
http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=9784396115401
 
ヘルマン医療人類学 文化・健康・病い/セシル・G.ヘルマン/12,960円/金剛出版
http://kongoshuppan.co.jp/dm/1624.html
 
2018/05/30
 
樹木学事典/堀大才 井出雄二 直木哲 堀江博道 三戸久美子/4,536円/講談社
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000148953
 
内向型のままでも成功できる仕事術/モラ・アーロンズ=ミリ/1,728円/辰巳出版
http://www.tg-net.co.jp/item/4777820688.html
 
戦前の大金持ち/出口治明/842円/小学館新書
https://www.shogakukan.co.jp/books/09825329
 
世界を変えた14の密約/ジャック・ペレッティ/2,376円/文藝春秋
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163908502
 
科学論理の社会学 「ワラスの輪」というモデル/ウォルター・ワラス/3,780円/ミネルヴァ書房
http://www.minervashobo.co.jp/book/b353598.html
 
エネルギー業界の破壊的イノベーション/野村総合研究所/1,512円/エネルギーフォーラム
http://www.energy-forum.co.jp/eccube/html/products/detail.php?product_id=385
 
世界史を動かした脳の病気/小長谷 正明/907円/幻冬舎新書
http://www.gentosha.co.jp/book/b11696.html
 
日本の没落/中野剛志/950円/幻冬舎新書
http://www.gentosha.co.jp/book/b11691.html
 
2018/05/29
 
怪異古生物考/土屋健/2,138円/技術評論社
http://gihyo.jp/book/2018/978-4-7741-9806-4
 
目に見えない微生物の世界 あらゆるところにたくさんいる!
  /エレーヌ・ラッジカク ダミアン・ラヴェルダン/日本微生物生態学会/2,700円/河出書房新社
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309279329/
 
身体的物語論/蜷川幸雄 木俣冬 企画・構成/1,944円/徳間書店
http://www.tokuma.jp/bookinfo/9784198640132
 
馬・車輪・言語(上) 文明はどこで誕生したのか/デイヴィッド・W・アンソニー/3,132円/筑摩書房
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480861351/
 
馬・車輪・言語(下) 文明はどこで誕生したのか/デイヴィッド・W・アンソニー/3,240円/筑摩書房
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480861368/
 
2018/05/28
 
進化心理学を学びたいあなたへ  パイオニアからのメッセージ
/王 暁田 蘇 彦捷 編  平石 界 長谷川 寿一 的場 知之 監訳/4,752円/東京大学出版会
http://www.utp.or.jp/book/b324626.html
 
スピノザ エチカ抄 新装版/スピノザ/3,672円/みすず書房
https://www.msz.co.jp/book/detail/08710.html
 
薬草のちから 野山に眠る、自然の癒し/新田 理恵/1,620円/晶文社
https://www.shobunsha.co.jp/?p=4735

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【映画】犬ヶ島

2018-05-30 22:32:27 | 映画
なんだこれ~(喜)。
 
見てたらだんだん、パペットだって思えなくなる。犬。
生き生きと動き回るキャラクターたち。
 
デジタルツールも出てくるけれど、描かれる景色はアナログのテイスト。
昭和と江戸がにじむ。
 
ゴミ島の成り立ちの物語を聞いて、皮肉か警句を含んでいるのかな、
と思いかけたけれど、観終わってみるとそういうことじゃない、という
ところに落ち着いた。(あるかもしれないけどたぶんそこは主題じゃない)。
 
"日本"についてのAmagingのコラージュ。
 
いいも悪いも、幸も災いも、ひっくるめて、Amaging、が集まっている。
 
集めた人(ウェス・アンダーソン監督)の、対象への愛着を感じるから
ややこしい行間なんかないような気がする。
ほわほわと楽しむのが吉。
 
-----
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/inugashima/
 
(2018.5.30)

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【読書】驚きの介護民俗学

2018-05-30 00:06:36 | 読書記録
購入から2年近く経ってしまった。
積読になっていた(ごめんなさい)。
読んでみたら、思いのほか軽やかで、少し幸せな気持ちになったり
介護”ケア”の技術とのはざまでの難しさを垣間見たり。
早く読んでおけばよかった。
 
認知症の人の語りを聞き出すこと。
民俗学のフィールドワークであり、ご本人の生への光明となる。
 
語られる物語、歴史についてのある種の発見、それが聞き手に
もたらす"驚き"。
 
高齢・認知症でなくても、聞き書きは、聞かれる方にも聞き手にも
発見があるとは経験的に知っていた。
でも認知症だとちょっと難しいのかな、と思ったし、
実際、著者ならではの部分があるにしても。
 
傾聴を超えて、寄り添うだけでなく、結果的にその人の生を、
存在を肯定する、そういう効果が確かにあるのではないかと思う。
 
失われた後に、もっとその人の歴史を聞いておけばよかった、と
思うことがある。
存命で発話が可能な段階なら、まだ機会は残されている。
少し辛抱強く、その人の歴史がたりを聞いてみよう。
 
-----
驚きの介護民俗学
六車 由実 著
医学書院 2012/05
http://www.igaku-shoin.co.jp/bookDetail.do?book=84380
 
(2018.5.27)

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【読書】TIME TALENT ENERGY

2018-05-29 23:58:49 | 読書記録
組織の希少資源である時間・人材・意欲を、
マネジメントできている企業はとても限られている、という。
 
この本では、生産力を上げて勝ち抜くため、Aクラス人材で編成した
チームの重要性やそのマネジメントについて述べている。
 
書かれていることは、その通りだろうな、と思うし、
巻末の日本企業に関する分析には(自嘲しつつ)暗然としたり。
 
ロジカルで事例を入れスッキリ書いてあって分かった気になれる。
 
ただ、行間に潜む難題に気を付けなければならないのではないかな。
それは「信頼」に関する課題。
 
ティールとかU理論とか、見る人によってはスピっぽいニオイのする
本に比べたら、いかにも経営論ぽいから、大手の経営層とか人事部には
こちらの方がウケるんじゃないかと思う。
 
-----
TIME TALENT ENERGY
マイケル・マンキンス、エリック・ガートン 著
プレジデント社 2017/10
http://presidentstore.jp/books/products/detail.php?product_id=3023
 
(2018.5.24)

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【読書】隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働

2018-05-28 23:02:16 | 読書記録
ユートピアを描けなくなった不幸をまず著者は指摘する。
 
ベーシックインカム実験は最近始まったものではない。
かつて失敗とされたカナダでの事例は、分析に誤りがあったと
後年に指摘されているという。
 
ニクソンの取り組みの、効果を評価したのではない理由での中断。
 
貧困対策として、物資を支援するよりも、現金を渡す方が効果的
との研究結果の引用。
マイクロファイナンスについても著者はばっさり斬る。
 
「貧困は一休みできない」。
 
------
現代の働き方にも言及。
「強制された余暇」という視点。半世紀も前に予想された退屈。
 
現代の「よく稼げる仕事」に対するアンチテーゼ。
 
働くことに時間を費やしたところで、いずれAIを搭載したデバイスが
多くの仕事を担っていくのだから。
 
「生きていくには働かなければならないというドグマを捨てることだ」
 
「自分のための人生を生きればよかった」
「あんなに働かなければよかった」
といまわの際に思わない方がいいでしょ?…そうですね確かに。
 
-----
隷属なき道 AIとの競争に勝つ ベーシックインカムと一日三時間労働
ルトガー・ブレグマン 著
文藝春秋 2017/05
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163906577
 
価値ある仕事についての記載、胸にちりちり来たところがあったけど、
気持ちと行動が整合できないからここには書かないでおく。
 
(2018.5.20)

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【読書】ユービック

2018-05-28 22:35:15 | 読書記録
ものすごく昔に読んだことのあるディック。
これは読んだことなかった(と思う)。
 
今読んでも十分面白い。
 
ミステリーであり、時間トリックSFであり、心理劇であり。
脳内劇場と現実との入り混じりの妙味。
境界線は…。
 
あの、しぼしぼの物体に至る、失われゆく感覚の表現が絶妙。
その現象の正体?が判明した瞬間、腑に落ち感が気持ちよくて
クセになりそう。
 
-----
ユービック
フィリップ・K・ディック 著
早川書房 1978/10
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000000333/
 
(2018.5.12)

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【読書】OKR(オーケーアール)

2018-05-28 22:27:54 | 読書記録
OKRは、目標の「O」(Objectives)と主な結果の「KR」(Key Results)。
 
事業目標を設定しても、達成への道のりは直線的ではない。
今経ているプロセスが適切なのか、従来の事業計画マネジメントでは
行き届かないところをOKRで補えないか?
 
予測が難しいビジネスを漸進的に進める時に適している方法である。
チームのメンバーにストレッチを要求する仕組みである。
ストレッチで得た成長(失敗からも学ぶから、成功とは限らない)を
喜びとしてチームは進む。
 
いいな。しごとはそうありたい。
 
正解なんて誰も知らない。CxOだって知らない。
行動しないと何も学べない。
 
細胞・微生物の営みが重なって見える。
 
そもそもそのチームが、企業が、何のために存在するのかを、
飾り立てた麗句でなく実感として肚落ちしていないと、単なる
「背伸びせよ」命令になってしまうので、上手くいかないだろう。
 
存在理由の肚落ちが必要。
 
-----
OKR シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法
クリスティーナ・ウォドキー
日経BP社 2018/03
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/P55640.html
 
(2018.5.4)

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【気になる本】20180521-27

2018-05-27 22:40:27 | 気になる本
2018/05/26
 
プロセスワーク入門 歩くことで創られる道/ジュリー・ダイアモンド/1,944円/コスモス・ライブラリー
http://www.kosmos-lby.com/books/shosai181.html
 
奥のほそ道/リチャード・フラナガン/4,104円/白水社
https://www.hakusuisha.co.jp/book/b357614.html
 
2018/05/25
 
ゲノム編集と細胞政治の誕生/粥川 準二/2,376円/青土社
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3170
 
クローゼットの認識論 セクシュアリティの20世紀 新装版
  /イヴ・コゾフスキー・セジウィック/3,024円/青土社
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3154
 
千夜千冊エディション デザイン知/松岡正剛/1,382円/角川ソフィア文庫
https://www.kadokawa.co.jp/product/321710000144/
 
代体/山田宗樹/821円/角川文庫
https://www.kadokawa.co.jp/product/321801000134/
 
接触/クレア・ノース/1,339円/角川文庫
https://www.kadokawa.co.jp/product/321702000637/
 
表象の奈落 フィクションと思考の動体視力 新装版/蓮實重彦/2,592円/青土社
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3158
 
JTの変人採用 「成長を続ける人」の共通点はどこにあるのか
 /米田 靖之/1,512円/KADOKAWA
https://www.kadokawa.co.jp/product/321712000869/
 
性の進化史 いまヒトの染色体で何が起きているのか/松田 洋一/1,404円/新潮選書
http://www.shinchosha.co.jp/book/603827/
 
高畠素之の亡霊 ある国家社会主義者の危険な思想/佐藤優/2,052円/新潮選書
http://www.shinchosha.co.jp/book/603826/
 
シーア派とスンニ派 中東大混迷を解く/池内恵/1,080円/新潮選書
http://www.shinchosha.co.jp/book/603825/
 
破壊 新旧激突時代を生き抜く生存戦略/葉村 真樹/1,944円/ダイヤモンド社
https://www.diamond.co.jp/book/9784478105580.html
 
スタートアップ・ウェイ 予測不可能な世界で成長し続けるマネジメント
 /エリック・リース/2,160円/日経BP社
https://shop.nikkeibp.co.jp/front/commodity/0000/P55690/

2018/05/24
 
ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと
 /奥野克巳/1,944円/亜紀書房
http://www.akishobo.com/book/detail.html?id=856&st=1
 
美術館ができるまで なぜ今、豊島なのか?/佐々木 良/2,484円/啓文社書房
http://kei-bunsha.co.jp/archives/844
 
デザインリーダーシップ デザインリーダーはいかにして組織を構築し、成功に導くのか?
  /リチャード・ベンフィールド/2,376円/ビー・エヌ・エヌ新社
http://www.bnn.co.jp/books/9253/
 
2018/05/23
 
「参加の力」が創る共生社会 市民の共感・主体性をどう醸成するか/早瀬 昇/2,160円/ミネルヴァ書房
http://www.minervashobo.co.jp/book/b357167.html
 
新装版 水域 上巻/漆原友紀/1,296円/講談社 KCデラックス アフタヌーン
http://kc.kodansha.co.jp/product?item=0000310218
新装版 水域 下巻/漆原友紀/1,296円/講談社 KCデラックス アフタヌーン
http://kc.kodansha.co.jp/product?item=0000310219
 
作庭師の一族(1)/由紀 円香/616円/講談社 モーニング KC
http://kc.kodansha.co.jp/product?item=0000116272

2018/05/22
 
ハマトンの知的生活のすすめ/P.G.ハマトン/1,944円/ディスカヴァー・トゥエンティワン
http://www.d21.co.jp/shop/isbn9784799322680
 
進化するマインドフルネス ウェルビーイングへと続く道
  /飯塚 まり 編著/2,160円/創元社
https://www.sogensha.co.jp/productlist/detail?id=3872
 
2018/05/21
 
歴史を変えた病 新装版/フレデリック・F.カートライト/3,780円/法政大学出版局
http://www.h-up.com/books/isbn978-4-588-02304-0.html
 
ソーシャルシンキング 社会性とコミュニケーションに問題を抱える人への対人認知と視点どりの支援
  /ミシェル・ガルシア・ウィナー/6,480円/金子書房
http://www.kanekoshobo.co.jp/book/b356992.html

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【映画】ほとりの朔子 & 淵に立つ

2018-05-20 20:51:07 | 映画
見損ねていた2本、濃厚な4時間半。
 
「ほとりの朔子」
 
池で朔子(二階堂ふみ)が緑の水面に大きな波紋を起こすシーンに
心臓握られた。まばゆい絵。
 
中心人物たちはみな率直で透っている。それが絡まり合う。
周囲の人びとは世の中の澱のよう。
どこかで見た、快ではないコミュニケーション。
あのファミリーは、逃げ込む場所という感じではないのだけれど、
所在なさを抱えたままゆるとそこにある。
 
不確定な関係性の積み重なり。
何かに収まるかたちでなく、流れが合流してもそこに留まらず
まだ先にゆくように、物語が流れていく。
 
2013年、まだスマホじゃなかったんだな。
 
「淵に立つ」
 
ストレンジャーは波紋を起こして姿を消す。
 
八坂の服の純白が怖い。
時折、赤が刺す。
凶兆の白。凶事の赤。
 
なんでもないものが神経を圧迫する。
そういえば大型の金属プレス機は赤かった。
終盤のバンは白かった。
 
浅野忠信怪演。

因果。かな。
 
過去の事件が引き金のサスペンス、にもなりうるプロットは、
信仰の光景や、日常のようで非日常のような光景と混じりあって
寓話性を放つ。
 
-----
2本とも古舘寛治と太賀が要所に居て、続けて見ていると、
転生なんて言葉が脳裏に浮かぶ。試練を受けるための生?
 
-----
公式サイト
 ほとりの朔子:http://sakukofilm.com/
 淵に立つ  :http://fuchi-movie.com/
 
(2018.5.20)

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【展覧会】横山大観展

2018-05-20 01:12:24 | アート・文化
スゴイ人と知ってはいるけど、スゴク好き、な印象はない。
ちゃんと見ておきましょう、と、行ってきました。
 
やっぱスゴイ人だった。(混雑してたの意ではない。混雑してたけど)。
 
試行するエネルギーが。
 
年代に沿った作品展示から、東西さまざまな技法と構図の技術を
背景に、組み合わせを試しながら独自の画法を見出していく様を
拝見できます。
ご存知「朦朧体」(元は批判視点での呼び名ですが)、「片ぼかし」。
 
20代から30代、人物以外には輪郭線を使わない「秋思」。
「曳舟」「隠棲」上方を大きく占める空間で高尚さを見せる。
 
全体的にちょっと理屈っぽい。
木々や岩に比べると大きく描かれた人物はあまり魅力を感じない。
けど「荒川絵巻」など墨絵によくある極小人物には愛嬌がある。
「海」の説明を見て、うけることを意識してたのね、などと
思いながら大正期へ。
 
大正 ”個性を尊んだ時代”との解説。
 明治維新のインパクトと太平洋戦争が強烈な昭和の間で、印象が
 薄いけど、TVドラマでも大正期は不思議と日本らしさと創造性が
 伸びやかに描かれている印象。大正ってもっと見るべき時代なのかも。
 
「松並木」見ながら、色が入り乱れていない方が魅力的だなぁ
と思っていたら来た!「柳蔭」。これは好き。
描く場のエネルギーを示すのは画面を覆いつくす柳。
主題はちらと見え隠れで描かれ、それが却って意味性を高めてる感。
「作右衛門の家」も。ツートンくらいの方がいい感じ。
 
で、「生々流転」です。
学んで、頭に入っている数多のモチーフで構成されている感じ。
どれだけ色々頭に入っていても、40mの長さを構成するのは、
普通の人の認知限界を超えていると思う。大観おそるべし。
動物かわいい。四角の岩表現が妙味。主役は水。(渦!)
すべては最後の4mのために。フィニッシュに向かう空白。
"おもてなし"を感じる。観る人の反応を意識する人だったのだな。
 
「秋色」好き嫌いは置いておいて、ガリっとくる感じがすごい。
どちらかというとテキスタイルデザイン系の魅力だと思う。
 
昭和。
「飛泉」抽象度アップ。
CGの3D的な視覚感が表出、「紅葉」はカラー「柚子」はモノクロの3D。
ここらへんでやっと画面全体のバランス感が出てきた。
 
「夜桜」私の知ってる桜じゃない。
奥ゆかしさを排した、インパクト的にはバラ。プライド。
当時の日本の意気の表現。この系統は「海に因む十題のうち…」に続く。
 
「中秋無月」。引き算もできる人だったんだな。
 
-----
生誕150年 横山大観展
東京国立近代美術館
http://www.momat.go.jp/am/exhibition/yokoyama-taikan/
 
(2018.5.19)

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【映画】GODZILLA 決戦機動増殖都市

2018-05-19 23:34:26 | 映画
過去に見た別のゴジラ作品のシーンが頭の中で重なってくるのは
いい意味で本作も、長き系譜の上にあるということなのだろう。
 
新味の命は、従来なかった設定と、従来作から取材しての再定義。
全体を貫く背景に、生命と生態系の網の目の関係性。
 
ナノメタル。
シンギュラリティ警戒派の本で読んだ、悲観シナリオを思い出した。
 
プロット、前回よりもワクワクしたな。
菌類のオーガニックな生存競争にも似た、ある種のシンプルさが
脳髄にびりっとくる。(わたしだけか、それ)。
 
ゴジラ・アース様はごっついモノクロ調で熊っぽいのに、
シンプルな生命体独特の無邪気な気配があって、時々
「こいつ、きらーい」とか「焼いちゃうもーん」とか言ってるように
見えちゃうのだった。(わたしだけか、それ)。
 
-----
公式サイト:http://godzilla-anime.com/
 
CG人物のモーションに未だ慣れない。
滑らかなのにクセのある動きだからか、CG描写特有の動作の緩慢さゆえか。
CGゲーム世代には違和感ないんだろうなぁ。
 
(2018.5.19)

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【気になる本】20180514-20

2018-05-17 22:16:11 | 気になる本
2018/05/18
 
 
依存的な理性的動物 ヒトにはなぜ徳が必要か
  /アラスデア・マッキンタイア/3,564円/法政大学出版局 叢書・ウニベルシタス
http://www.h-up.com/books/isbn978-4-588-01076-7.html
 
統計思考の世界 曼荼羅で読み解くデータ解析の基礎/三中信宏/2,484円/技術評論社
http://gihyo.jp/book/2018/978-4-7741-9753-1
 
西太后秘録 上 近代中国の創始者/ユン・チアン/1,080円/講談社+α文庫
http://bookclub.kodansha.co.jp/product_list?code=plusalpha-bunko
西太后秘録 下 近代中国の創始者/ユン・チアン/1,080円/講談社+α文庫
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000208066
 
2018/05/17
 
洞察の起源 動物からヒトへ、状況を理解し他者を読む心の進化
  /リチャード・W.バーン/3,888円/新曜社
https://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/978-4-7885-1578-9.htm
 
見る脳・描く脳 絵画のニューロサイエンス 増補新装版/岩田 誠/3,888円/東京大学出版会
http://www.utp.or.jp/book/b357697.html
 
〈データブック〉近未来予測2025/ティム・ジョーンズ/2,376円/早川書房
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013880/
 
ビットコインはチグリス川を漂う マネーテクノロジーの未来史
  /デイヴィッド・バーチ/3,672円/みすず書房
https://www.msz.co.jp/book/detail/08694.html
 
脇道にそれる 〈正しさ〉を手放すということ/尹雄大/1,944円/春秋社
http://www.shunjusha.co.jp/coming.html
 
太陽を創った少年 僕はガレージの物理学者/トム・クラインズ/2,700円/早川書房
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013885/
 
腸科学 健康・長生き・ダイエットのための食事法
  /ジャスティン・ソネンバーグ エリカ・ソネンバーグ/864円/ハヤカワ文庫 NF
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013892/
 
「蓋然性」の探求 古代の推論術から確率論の誕生まで/ジェームズ・フランクリン/6,804円/みすず書房
https://www.msz.co.jp/book/detail/08687.html
 
2018/05/16
 
カラー図解 分子レベルで見た体のはたらき いのちを支えるタンパク質を視る
  /平山令明/1,620円/講談社 ブルーバックス
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000310313
 
2018/05/15
 
パンと野いちご 戦火のセルビア、食物の記憶/山崎佳代子/3,456円/勁草書房
http://www.keisoshobo.co.jp/book/b357668.html
 
2018/05/14
 
ヴェネツィアの出版人/ハビエル・アスペイティア/3,024円/作品社
http://sakuhinsha.com/oversea/27006.html
 
続・人類と感染症の歴史 新たな恐怖に備える/加藤茂孝/2,376円/丸善出版
https://www.maruzen-publishing.co.jp/item/b302353.html

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【歌舞伎】コクーン歌舞伎 切られの与三 2018年5月

2018-05-13 21:33:22 | 歌舞伎
渋谷・コクーン歌舞伎 第十六弾
切られの与三
シアターコクーン
-----
歌舞伎座で何度となく観た「切られ与三」とは違うなぁ、と。

大きく違うところ2つ。
 
よく見る歌舞伎公演の多くは物語の半分か、三分の一くらい。
だから大筋はこちらの方が原作に近いようですね。
 
もう1つの違いは、言うのも野暮ですが、人物。
 
アイデンティティ、という言葉は、いつもの歌舞伎公演を観ながらは
浮かんでこない。コクーン歌舞伎ならでは。
 
不安定で揺れ動く与三郎のアイデンティティを途切れなく演じ抜けた
七之助さん、演者として何かが一つ熟したのを見た。
 
もうひとつの強力なアイコン、お富を梅枝さん。
情と冷徹、継続と断裂、時に人ならぬ気配を帯びるお富は
ファムファタールに見えて、でも次の場面では人の姿だったり。
 
ベテランが固める脇は各2役、
与三郎の不安定な波長とは対のように、強くゆるぎない重力場を受け持つ。
 
人ならぬ道にどんどんと滑りゆく与三郎を見ていて、
これはひょっとして、既に死んだか死にかけている与三郎が
見ている夢なのだろうか、と思ったりした。
(直前にディックの「ユービック」を読んでいたせい?)。
(でも原作は島抜けの辺りは『嶋廻色為朝』=見た夢ということ
 なので、原作の再解釈なのかも)。
 
幕が下りてすぐは、消化しきれていなくて少し戸惑いがあった。
観劇から6時間経った今、やっと、記憶の中の芝居が発酵しはじめて、
改めてその肉厚な何かを味わい始めている。
 
-----
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/18_kabuki/
 
(2018.5.13)

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【気になる本】20180507-13

2018-05-07 23:40:30 | 気になる本
2018/05/10
 
はだかの起原 不適者は生きのびる/島泰三/1,350円/講談社学術文庫
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784065116418
 
ヨハネの黙示録/小河 陽/994円/講談社学術文庫
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062924962

飛ぶ孔雀/山尾悠子/2,160円/文藝春秋
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163908366
http://books.bunshun.jp/sp/yamaoyuko
 
ヒト、この奇妙な動物 言語、芸術、社会の起源/ジャン=フランソワ・ドルティエ/4,644円/新曜社

 
シロがいて/西炯子/463円/小学館 フラワーコミックス
https://www.shogakukan.co.jp/books/09870128
 
2018/05/08
 
神道入門 民俗伝承学から日本文化を読む/新谷尚紀/842円/ちくま新書
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480071224/
 
2018/05/07
 
生物模倣 自然界に学ぶイノベーションの現場から/アミーナ・カーン/2,808円/作品社
http://sakuhinsha.com/nonfiction/26917.html
 
最新プラットフォーム戦略─マッチメイカー─/デビッド・エヴァンス/2,700円/朝日新聞出版
https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=20037

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【読書】トラスト・ファクター

2018-05-06 22:12:01 | 読書記録
組織に影響を及ぼすのは「信頼の文化」である。という。
 
事例といい条件節といい「ティール組織」と重なるとこ多し。

でもこちらの本がティールほど人気がなさそうなのは何故だろう。
著者が神経科学者で、「オキシトシン」と「テストステロン」
を論理の背骨としているから?
著者に取っては重要事項である脳内物質の話は、組織論を読もうと
する読者においては副次的なのだ。
 
確かに脳内物質の話は折々出てくるけれど、行間にはチームの
メンバーの相互関係の理想の姿が透けて見えるし、
かなり明確で具体的なアプローチを細やかに分かり易く提示している。
 
私には、ティール組織とは補完関係にある本と映った。
 
現実が難しいだろうと思うところはティールもこちらも同様。
 
企業組織の中で、規則で枠組みを置くのでなく、文化として
「信頼」の場を醸成することは、とても重要だけどとても難しい。
 
-----
トラスト・ファクター 最強の組織をつくる新しいマネジメント
ポール・J.ザック 著
キノブックス 2017/11
http://kinobooks.jp/publication/genre/general-education
 
(2018.4.30)

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする