ぐるぐる・ぶらぶら

歌舞伎と映画と美術と読書の感想

【読書】地中生命の驚異

2016-11-27 22:57:29 | 読書記録
人が目にする範囲よりも足元はるか深いところ、地球内部の熱や
物質があふれる辺りまで、極小の数多の生命が存在する。
 
「たべる」はエネルギーを採り入れること。
 
人や動物が「たべる」姿・方法は、「選択された後」のものであって
そうなる以前にあらゆる方法があったはずだ、という。
それを例えて
 『橋が完成して必要がなくなってから、足場は取り除かれたのだ』
橋だけ見ていても、足場を想像することはできない。
 
エネルギーを採り入れることは、物質を体内に取り込んで化学変化を
起こすということ。人が思いもよらぬ物質をエネルギーにするものが、
地中深くから色々と見つかっているという。
 
人間が壊してしまった生活圏のバランスを、地中から取り出された
生物が回復させる可能性もある。
それは他方から見れば人為的なバランスの変更であるから、それ自体
本当に将来に亘って人にとって好ましいバランスを保つ方法たりえる
のかはわからない。希望と恐れと両方がそこにある。
 
本書は、細菌・古細菌、カール・ウーズの手による生物の系統樹などに
多くのページを割き、地中生命のひとつとして、ミミズやプレーリー
ドックにも言及する。
 
地中生命について語られているのだけれど、時々、人間社会との接点が
ひょこっと提示されたりする。
新たな真実を発見した科学者に対する冷遇や、未だに旧来の知識ベース
で編まれている教科書への批判、窒素と農業の関わり、などなど。
 
細菌と細菌、細菌と植物・動物の間の共生関係をみると、人と人の
コミュニティの姿がオーバーラップして思われてくる。
 
-----
地中生命の驚異 秘められた自然誌 新装版
デヴィッド・W・ウォルフ 著
青土社 2016/03
http://www.seidosha.co.jp/index.php?9784791769186
 
新装版。原著の出版は2001年、邦訳は2003年。
2003年には興味をもっていなかった分野だから仕方ないのだけれど
2003年に読んでいたらそのあと今までの13年は、もっと豊かに
ものごとを捉えることができていたかも知れない。
 
(2016.11.26)

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【映画】五日物語 ―3つの王国と3人の女―

2016-11-27 17:36:16 | 映画
ダークな童話。
 
映像美。
歴史を帯びた重厚な城、奇観・壮観、壮麗な衣装、
慰みの道化、街の光景、時折差しはさまれるグロテスクなもの。
 
街の光景は中世らしくもあり、架空の街でもあり。
 
童話らしく奇獣も出てくる。
…ハイヒルズの王の可愛がったあれは。不思議満載。
 
魔法使い・魔女、人知の及ばない出来事と、運命の気まぐれと皮肉。
 
予定調和や教訓めいたメッセージはない。
 
受け取って、咀嚼なぞせずに、ただ、観て、感じればいい。
 
鮮やかな緑の苔と奇岩が印象的な森の光景に、若い娘の白い肢体と
長々とした赤い巻き毛がとてもとても美しかった。
ロングスクリフの、享楽のあとの怠惰な光景(美女と果物)の色彩も。 
 
インマとドーラの姉妹がすごい。年齢と外見を除けば、少女そのもの。
 
-----
公式サイト:http://itsuka-monogatari.jp/
 
追記:原題は「Tale of Tales」。"5日"って何だろう。作中1回だけ
   5日っていう表現があったことはあった。
追記:台詞は英語。スラング・比喩表現がなくてかなり理解しやすい。
 
(2016.11.26)

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【展覧会】拝啓 ルノワール先生

2016-11-26 00:10:43 | アート・文化
"梅原龍三郎"ができるまで。
 
観た後、そんな言葉が頭に浮かんだ。
 
梅原龍三郎作品と、梅原龍三郎のコレクション、
ルノワールを中心に、渡欧時に交流した、あるいは興味を持って
見つめていた画家たち。
ルノワールの語った言葉、梅原の語った言葉。
 
ルノワールも梅原も、裸婦(とナルキッソス)が魅力的。
油彩の表現を学んでいった過程を見ながらも、全体を通して
描きたいものは一貫しているよう。
エネルギーというか、体温。
 
ルノワールの「パリスの審判」、50年を経て90代の梅原が描いている。
同じ構図、異なるエナジー、でも近しい。
 
梅原の描くもの、皮膚に包まれてそこに在る熱の時代から、晩年の
平面的なのに観る側に向かってくる力強さへ。
その間に、大津絵と浅井忠の陶器の下絵のもつおおらかさの要素。
 
今回一番お気に入りは#73「南仏風景」だったりする。
 
-----
拝啓 ルノワール先生 ―梅原龍三郎に息づく師の教え
三菱一号館美術館
公式サイト: http://mimt.jp/renoirumehara/
 
梅原の言葉の1つに、ルノワールがリウマチを患いながらも描いていた
様子が示されている。それでもあんなに満ち満ちとやわらかいのだ。
 
(2016.11.25)

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気になる本 2016/11/21-27

2016-11-25 23:43:13 | 気になる本
2016/11/27
 
ダーク・ドゥルーズ/アンドリュー・カルプ/2,592円/河出書房新社 2016/11/28
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309247823/
 
神話と意味 新装版/クロード・レヴィ=ストロース/2,592円/みすず書房 2016/11/22
http://www.msz.co.jp/book/detail/08591.html
 
辻村寿三郎作品集 真田十勇士/4,968円/復刊ドットコム 2016/11/26
http://www.fukkan.com/fk/CartSearchDetail?i_no=68325237&tr=t
 
生産性 マッキンゼーが組織と人材に求め続けるもの
  /伊賀泰代/1,728円/ダイヤモンド社
http://www.diamond.co.jp/book/9784478101575.html
 
トヨタ公式ダンドリの教科書
  /トヨタ自動車株式会社業務品質改善部/1,620円/ダイヤモンド社 2016/11/26
http://www.diamond.co.jp/book/9784478100745.html
 
2016/11/26
 
現代思想 霊長類学の最前線/1,404円/青土社
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=2996
殺人の人類史 上/コリン・ウィルソン/3,456円/青土社 2016/11/25
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=2991
殺人の人類史 下/コリン・ウィルソン/3,240円/青土社
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=2992
 
四季文様図典 文様を知る・絵引き辞典/1,296円/紫紅社 紫紅社文庫 2016/11/25
http://www.artbooks-shikosha.com/shop/1115/9784879406217.html
 
しゃばけ漫画 仁吉の巻/464円/新潮文庫
畠中恵 原作 柴田ゆう キャラクターイメージ原案
漫画 高橋留美子/みもり/えすとえむ/紗久楽さわ/鈴木志保/吉川景都/岩岡ヒサエ
http://www.shinchosha.co.jp/book/146168/
 
しゃばけ漫画 佐助の巻/464円/新潮文庫
畠中恵 原作 柴田ゆう キャラクターイメージ原案
漫画 萩尾望都/雲田はるこ/つばな/村上たかし/上野顕太郎/安田弘之/柴田ゆう
http://www.shinchosha.co.jp/book/146169/
 
身体巡礼 ドイツ・オーストリア・チェコ編/養老孟司/637円/新潮文庫
http://www.shinchosha.co.jp/book/130842/
 
2016/11/25
 
人類は絶滅を逃れられるのか 知の最前線が解き明かす「明日の世界」
  /スティーブン・ピンカー/1,512円/ダイヤモンド社
http://www.diamond.co.jp/book/9784478069882.html
 
生命誌 年刊号 2016vol.84-87 つむぐ
  /中村 桂子 編/1,728円/JT生命誌研究館表現を通して生きものを考えるセクター
http://www.brh.co.jp/seimeishi/annual/2015/
 
ユリイカ2016年12月臨時増刊号 総特集Ω『シン・ゴジラ』とはなにか/1,620円/青土社
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=2987
 
生きるよすがとしての神話/ジョーゼフ・キャンベル/1,339円/角川ソフィア文庫
http://shoten.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=321607000085
 
稲と米の民族誌 アジアの稲作景観を歩く/佐藤洋一郎/1,728円/NHK出版
https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000912422016.html
 
江戸のなかの日本、日本のなかの江戸 価値観・アイデンティティ・平等の視点から
 /ピーター・ノスコ/5,184円/柏書房
http://www.kashiwashobo.co.jp/book/b252993.html
 
言葉から社会を考える この時代に〈他者〉とどう向き合うか
 /東京外国語大学言語文化学部/1,080円/白水社 2016/11/22
http://www.hakusuisha.co.jp/book/b251320.html
 
日本語とジャーナリズム/武田 徹/2,052円/晶文社
http://www.shobunsha.co.jp/?p=4100
 
地上と地下のつながりの生態学 生物間相互作用から環境変動まで
 /リチャード・バージェット/5,184円/東海大学出版部 2016/09/20
https://www.press.tokai.ac.jp/bookdetail.jsp?isbn_code=ISBN978-4-486-02107-0
 
2016/11/24
 
神のかたち図鑑 カラー版/松村一男/6,264円/白水社
http://www.hakusuisha.co.jp/book/b243684.html
 
はじめての糸かけ曼荼羅 心を撃ち抜かれる神秘的な美しさ
  /山中 啓江/1,620円/トランスワールドジャパン
http://www.transworldjapan.co.jp/books/hobby/post-112.html
 
2016/11/22
 
繰り返される宇宙 ループ量子重力理論が明かす新しい宇宙像
  /マーチン・ボジョワルド/3,240円/白揚社 2016/11/23
http://www.hakuyo-sha.co.jp/physics/%E7%B9%B0%E3%82%8A%E8%BF%94%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B%E5%AE%87%E5%AE%99/
 
ゴッド・ガン/バリントン・J・ベイリー/1,080円/早川書房 ハヤカワ文庫SF
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013390/date_2016_11/page1/order/
 
世界はなぜ「ある」のか? 「究極のなぜ?」を追う哲学の旅
  /ジム・ホルト/1,123円/早川書房  ハヤカワ文庫NF
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013374/date_2016_11/page1/order/
 
2016/11/21
 
腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方/ジャスティン・ソネンバーグ/2,052円/早川書房
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013372/date_2016_11_tankobon/page1/order/
 
ホワット・イズ・ディス? むずかしいことをシンプルに言ってみた/ランドール・マンロー/3,456円/早川書房
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013376/date_2016_11_tankobon/page1/order/
 
LIFE 人間が知らない生き方/麻生 羽呂/1,544円/文響社

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【映画】ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

2016-11-23 19:55:22 | 映画
お目当てはエディ・レッドメイン。asスキャマンダー。
 
よかったところ:
・スキャマンダーの天然。
・魔法動物が愛らしい。イマジネーション全開のビジュアル。
 サイみたいなやつ(名前失念)ですら顔が純真。
 (動物園での求愛ダンスのシーン大好き)。
 性質の説明がなくても展開で理解できるようになってる。
 
それだけで十分満足。
予想外の動き、キャラクター特徴、展開に、わくわくするし楽しかった。
 
-----
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/fantasticbeasts/
 
まあこういうのも時々あったけど。そういう世界観だからなぁ。
 ↓
・魔法が便利すぎを通り越して時々矛盾してツッコミ入れたくなる。。
・某人物の後味がよくない。
・ノーマジに対する官僚的な・管理統制的なスタンス。
 「そうするしかないんだから仕方ない(自己肯定)」「そうですね」的な。
 死んだ人はさすがに戻らないだろうに。
 
DLに行ってミッキーが直立していることにツッコミ入れないし。
そういうことかしらね。
そうそう。
思い返せば誰一人として「後悔する」っていう表現はなかったなぁ。
その点が興味深い。
 
(2016.11.23)

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【読書】出現する未来

2016-11-20 13:20:45 | 読書記録
言っていることは分かる。
そういうことは起こりうると思える。
 
そのことを、予備知識のない人に説明するのはとてもむつかしい。
なぜならば「出現する未来」を、現時点において具体的に語った瞬間に、
それが予想された単一のイメージに閉じ込められてしまい、創造から
離れてしまうから。
 
なるべくしてなった、そのことは、
なった後でないと、確実なこととしては伝えようがない。
 
多分にあいまいさを含み、予言的になってしまうがゆえに、従来の西洋型の
科学の枠組みには嵌めにくいものだ。
予言、と世の中で呼ばれるものの中には、一個人の思い込みのような
タイプのものから、本書で描かれているような、本質的な課題を共有した
集合知から創出されるものが向かう先のイメージまで幅広い。
前者は、神秘主義の領域。
後者は、科学だと私は思うが、従来型の思考や言語で"論理的"とみなされる
表現では伝えきれない。
 
前者と後者の違いは、直観的には、質だと思う。
質を説明することは、とてもデリケートで、それ自体も容易でない。
 
基本的には「やればよい」のだ。
本書に書かれているような認知状態で、本当にやったら、たぶんそうなるから。
本来的には、やる、ということを、他者に評価してもらう必要はない。
 
ただ、
企業や社会の公的枠組みの中で進めようと思うとき、
始めの「実施伺い」的なところ、人モノ金のいわゆるリソース割り当ての
正当性を伝える必要があり、あるいは、経過・結果の説明において、何が
どうしてそうなったかの説明が必要で苦しい。
結果が出ていても、行動との因果関係を説明できないと、その間の
試行錯誤はなかったことになってしまうという組織の中の不思議現象。
 
プロトタイピングやアジャイルなど漸進的活動は、その部分のみであれば
システマティックに説明できるから、以前よりは伝えやすくなった。
でも、課題から行動の選択に至る過程は、「真剣に考えた人たちが
心から合意したから」ではOKがでないのである。(溜息)。
 
前の行で「やったらそうなる」は少し書きすぎたかもしれない。
マクロ的にはそうなのだが。
もう少しミクロで見ると、「やったらうまくいかなかった」が「やる」の
プロセスの途上に死屍累々と積み重なって、その屍を超えたところに
納得できるレベルの「そうなった」が現れるのではないか。
本書では死屍累々には言及されていないのだが。
 
-----
出現する未来
センゲ、シャーマー、ジャウォースキー、フラワーズ
講談社 2006/05
 
2013年以来の再読。
2013年当時は分かったような分からないようなだった。
感想を記録していなかったことが悔やまれる。
2013年~2014年の読書記録を振り返ると、ゆらぎ、脳科学、集合知辺りへの
興味が濃くなっていったのがこのころだった。
翌年に「飽きる力」からオートポイエーシスに興味を持ったのをきっかけに、
生物(菌類・土壌の方面)や循環に興味が向かい、最近また組織論に戻ってきた。
この本には生命・循環の要素が多く見えていて、当時分からなかった感覚が、
今ならよく感じられる。
 
(2016.11.19)

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【読書】日本会議の研究

2016-11-19 00:19:28 | 読書記録
ううむ。
いま、唸る以外に何ができよう。
 
途中からオカルトものを読んでいるような気分になってきた。
(著者がオカルト思想という意味ではないです)。
 
今日首相が次期大統領を訪ね、防衛大臣は「良い一歩となった」と。
-ひょっとしてあれか?USの軍事が日本について手薄になるのを
 自前増強のチャンスに捉えてるのか?ああいう理念に則って?
…深読みしてみたくもなる。
 
不思議なのは、"正常化"のくだりでの行動には場の幸福を志向している
気配が見えるのに、50年経つうちに霧消していること。
 
多様性の受容が鍵と言われている昨今に、頑なな理念が何かを開くような
イメージは湧かない。
 
証跡を探究し徐々に実態を解明していく様が、緊迫感たっぷり?に
綴られていて、読み手を惹きつける。
60年代・学生闘争ものが苦手な私ですら一気読みをしてしまった。
-----
日本会議の研究
菅野完 著
扶桑社新書 2016/05
http://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594074760
 
(2016.11.18)

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気になる本 2016/11/14-20

2016-11-18 22:03:03 | 気になる本
2016/11/19-20
 
落葉樹林の進化史 恐竜時代から続く生態系の物語/R.A.アスキンズ/2,916円/築地書館
http://www.tsukiji-shokan.co.jp/mokuroku/ISBN978-4-8067-1528-3.html
 
ダイアローグ(対話)型人事制度のすすめ 改訂増補版/島森俊央/2,160円
  /日本生産性本部 生産性労働情報センター 2016/11/14
http://bookstore.jpc-net.jp/detail/lrw/goods003880.html
 
2016/11/18
 
心の影 意識をめぐる未知の科学を探る 新装版 1/ロジャー・ペンローズ/5,400円/みすず書房
http://www.msz.co.jp/book/detail/08587.html 2016/11/19
心の影 意識をめぐる未知の科学を探る 新装版 2/ロジャー・ペンローズ/5,616円/みすず書房 
http://www.msz.co.jp/book/detail/08588.html 2016/11/19
 
MARS 火星移住計画/レオナード・デイヴィッド/3,456円/日経ナショナルジオグラフィック社
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/G13070.html 2016/11/15
 
在宅医療×感染症/遠藤 光洋/3,240円/南山堂
http://www.nanzando.com/books/23371.php
 
見世物 見世物学会・学会誌 6号/見世物学会・学会誌企画編集委員会/2,160円/新宿書房
http://www.shinjuku-shobo.co.jp/new5-15/html/mybooks/462_Misemono.html
 
2016/11/17
 
人工知能が変える仕事の未来/野村 直之/2,376円/日本経済新聞出版社
http://www.nikkeibook.com/book_detail/32063/
 
2016/11/16
 
世界植物記 アジア・オセアニア編/木原浩/7,344円/平凡社
http://www.heibonsha.co.jp/book/b251300.html
 
2016/11/15
 
つながる脳科学 「心のしくみ」に迫る脳研究の最前線
  /理化学研究所 脳科学総合研究センター/1,253円/講談社 ブルーバックス
http://bluebacks.kodansha.co.jp/
 
縮充する日本 「参加」が創り出す人口減少社会の希望/山崎 亮/1,296円/PHP新書
https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-82737-7
 
ヒットの崩壊/柴那典/864円/講談社現代新書
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062883993
 
日本語と哲学の問題/和辻 哲郎/562円/景文館書店
http://keibunkan.jimdo.com/%E6%9B%B8%E7%B1%8D%E4%B8%80%E8%A6%A7/07-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E%E3%81%A8%E5%93%B2%E5%AD%A6%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C/
 
2016/11/14
 
大江戸怪談どたんばたん/平山夢明/648円/講談社 講談社文庫 2016/11/15
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062935166
 
集団の経験 ビオンの精神分析的集団論/ウィルフレッド・R.ビオン/4,536円/金剛出版
http://kongoshuppan.co.jp/dm/1527.html
 
「新宗教」興亡史/1,080円/宝島社 別冊宝島  2016/11/15
http://tkj.jp/book/?cd=20252301

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【映画】この世界の片隅に

2016-11-13 20:19:44 | 映画
おもしろいとかかなしいとか。
そんな簡単な言葉でくくれない。
 
愛おしいけれど、そんな上からな言葉じゃ何か違う。
 
戦時下で、そこに、そうやって過ごしていた人のありのままの。
ひとつの姿。
 
細部にゆきとどいた作り手のこころ。
 
観ている途中、何度かこみあげたけれど、
むしろ観終わっての帰路で、言語にならない揺り戻しがきた。
今でも揺れている。
ものすごく複雑な波が心の裡に起きている。
 
-----
公式サイト:http://www.konosekai.jp/
 
11/14追記:そういえば"二人分のごはん"のその後が全く語られていなかった気が
するのだけれど。私が何か見落としていたのか、意図的に描かれなかったのか。
 
(2016.11.13)

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【歌舞伎】歌舞伎座 吉例顔見世大歌舞伎 2016年11月

2016-11-13 01:29:16 | 歌舞伎
歌舞伎座
中村橋之助改め 八代目 中村芝翫 襲名披露
  中村国生改め 四代目中村橋之助     
  中村宗生改め 三代目中村福之助 襲名披露
  中村宜生改め 四代目中村歌之助     
吉例顔見世大歌舞伎
-----
襲名披露と顔見世のハイブリッド。
演目で目的が分かれてる、かな? 観る方は得した感。

◆昼の部
 
一、四季三葉草 
うつくしくやわらか。
ウィークデーで固くなっていた頭がほぐされていく。。
 
二、毛抜
最初の出はちょっとインテリな粂寺弾正、染五郎さん。
美男美女(松也さんと梅枝さん)にちょっかい出すあたりから
骨太になっていく。
探偵もののような洒脱さと力強さが併存していて魅力的。
六方堂々。
今回は畳上の昼寝がないバージョン。

三、祝勢揃壽連獅子
うーん、これはすごい。
10月と演目は違うものの、明らかに3兄弟の舞踊が成長している。
2か月の襲名演目の中で一番、親子4人の襲名がもたらした何かを
強く感じた気がする。
成駒屋一家というユニットの強さ。
3世代親子孫とも、2人兄弟とも違う、場の作られ方。

四、加賀鳶
幸四郎さん、秀太郎さん、梅玉さん。
安定した楽しさ。円熟の見せ場を堪能。

◆夜の部
 
一、元禄忠臣蔵
仁左衛門さんの綱豊卿と染五郎さんの富森助右衛門のがぷり四ツ。
大人物と思い詰めた若いエネルギーの対比。
座敷での敷居越えのところと、渡り廊下のところと。
梅枝さんのお喜世の澄んだ気迫。
 
二、口上
左團次さんの挨拶がずばずば。

三、盛綱陣屋
 芝翫さんの盛綱は、まっすぐ。明るいエネルギーがある。
 
篝火(時蔵さん)vs 早瀬(扇雀さん)の場面が素敵。
秀太郎さんの微妙と3人で死せる小四郎を囲むシーンは、
キリスト教絵画のように重厚だ。
 
今月は、染五郎さんと左近さんが大活躍だなぁ。
 
四、芝翫奴
今日は歌之助さん。
踊りぬくのをじっと見守る。
 
(2016.11.12)

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気になる本 2016/11/07-13

2016-11-12 00:02:47 | 気になる本
2016/11/11
 
土と内臓 微生物がつくる世界/デイビッド・モントゴメリー/2,916円/築地書館
http://www.tsukiji-shokan.co.jp/mokuroku/ISBN978-4-8067-1524-5.html
 
モバイル・ライブズ 「移動」が社会を変える/アンソニー・エリオット/5,400円/ミネルヴァ書房
http://www.minervashobo.co.jp/book/b239758.html
 
ニワトリ 人類を変えた大いなる鳥/アンドリュー・ロウラー/2,592円/インターシフト
http://www.intershift.jp/w_niwatori.html
 
図説金の文化史/レベッカ・ゾラック/3,024円/原書房
http://www.harashobo.co.jp/new/shinkan.cgi?mode=1&isbn=05353-7
 
マンガでわかる技術英語/坂本 真樹/2,484円/オーム社
http://shop.ohmsha.co.jp/shopdetail/000000004793/
 
データサイエンティストの秘密ノート 35の失敗事例と克服法
/高橋 威知郎/1,944円/SBクリエイティブ
http://www.sbcr.jp/products/4797389623.html
 
2016/11/10
 
知の進化論 百科全書・グーグル・人工知能/野口悠紀雄/842円/朝日新聞出版 朝日新書
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=18585
 
ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか
 宇宙開闢から138億年の「人間」史
/デヴィッド・クリスチャン/3,996円/明石書店
http://www.akashi.co.jp/book/b251054.html
 
絶滅の地球誌/澤野 雅樹/2,160円/講談社 講談社選書メチエ
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062586412
 
2016/11/09
 
ニューロンで解く心の苦しみと安らぎ 脳科学と仏教の接点
  /松本 隆男/3,132円/東京電機大学出版局
http://www.tdupress.jp/bd/isbn978-4-501-55460-6.html
 
住まいがつたえる世界のくらし 今日の居住文化誌/藤木 庸介/2,916円/世界思想社
http://sekaishisosha.co.jp/cgi-bin/search.cgi?mode=display&style=full&code=1689
 
世にも奇妙な人体実験の歴史/トレヴァー・ノートン/1,080円/文藝春秋 文春文庫
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167907396
 
スーパービジョンインソーシャルワーク/アルフレッド・カデューシン/10,800円/中央法規出版
https://www.chuohoki.co.jp/products/welfare/5425/
 
2016/11/08
 
若冲/澁澤 龍彦 ほか/799円/河出書房新社 河出文庫
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309414898/
 
最古の文字なのか? 氷河期の洞窟に残された32の記号の謎を解く
  /ジェネビーブ・ボン・ペッツィンガー/1,782円/文藝春秋
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163905594
 
2016/11/07
 
谷崎万華鏡 谷崎潤一郎マンガアンソロジー
  /榎本俊二/今日マチ子/久世番子/近藤聡乃/しりあがり寿/高野文子/
    中村明日美子/西村ツチカ/古屋兎丸/山口晃/山田参助 著
  /1,080円/中央公論新社
https://www.chuko.co.jp/zenshu/2016/11/004902.html
 
工芸とデザインの境目/深澤 直人/3,024円/六耀社
https://www.rikuyosha.co.jp/products/detail4464/
 
タイポグラフィ 文字を楽しむデザインジャーナル ISSUE10
特集日本語のロゴとタイトル/2,160円/グラフィック社
http://www.graphicsha.co.jp/detail.html?p=34536
 
江戸の都市力 地形と経済で読みとく/鈴木浩三/929円/筑摩書房 ちくま新書
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480069245/
 
日本文法体系/藤井 貞和/1,058円/筑摩書房 ちくま新書
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480069269/

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【映画】ジュリエッタ

2016-11-06 23:51:57 | 映画
アルモドバル監督。
今回も、傷つきながら周りに強烈に自我を発する女性が主人公。
 
ジュリエッタが直面する人生の幾つかの出来事は、重い。
自ら重くしてるかもしれないし、
星の巡りでそうなっているのかもしれない。
 
ただ、母性の強さもまた半端でない。
 
今回は特に、男性陣が魅力的。奥ゆかしく優しい男たち。
ロレンソの包容力、成熟が素敵で、
だからジュリエッタが豊かになっていく予感がある。
 
-----
公式サイト:http://julieta.jp/
 
(2016.11.6)

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【展覧会】禅-心をかたちに-

2016-11-06 22:15:25 | アート・文化
国宝・重文がいっぱい。
由来・禅寺の系譜・名僧の特徴など知識情報が圧倒的な幅・ボリューム。
 
東京に居ながらにして、数多の禅の名刹を巡り歩くツアーのよう。
歴史の勉強を、本物を指しながらするというか。贅沢。
私なんぞは予備知識わずかだし、一巡したくらいで頭に入るほど
記憶力もよろしくない。
そういう人は、予習復習を成すとより充実した体験になるのでは
ないかと思う。
 
さりとて図録持って見て回るのもきついよなぁ。(重いから)。
目録だけでなく、有償でもいいのでハンドアウトみたいなのが
売っていると有難かったかも。
 
----
公式サイト:http://zen.exhn.jp/
 
戦国武将との関係、戦略に関わったりなど、興味深い。
戦国時代はITもないし、情報伝達も遅い。
少しの予兆から状況を推し量っても、最後は肚で決めざるを得ない、
そんな時に、事実(断片的情報)を超越した思想が指針の捕捉を
支えたというのは、不確実な現代において起きつつある状況と
重なって思えたりした。
 
11/7追記:
そうそう、「禅」と高僧の肖像というのがどうもしっくりこないなぁと
思いながら観ていたら、一休宗純(このコーナーは人気だった)が
「印可してないのに(一休の)教えを勝手に説くな」と言い残していたり、
生前「自分の肖像を作るな」と言ってた高僧(名前失念)がいたりして、
ああ、憧れを持った(悟ってない)人が作るものなんだろうなぁと。
 
(2016.11.6)

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【読書】スキャナーに生きがいはない

2016-11-06 01:08:28 | 読書記録
これはたまらん。大好物。
 
ゴシックな香りを纏い、大胆なイマジネーションで描く長大な宇宙史の断片。
1950年代に書かれたと知っていても新鮮。
これが10年前に読んでいたら、却って荒唐無稽さを強く感じたかもしれない。
量子力学や生命工学が一般人にもうかがい知れるレベルに成熟し、
AIが、マシンによる身体拡張が、急速に現実となってきた今読むことが
現実味と幻想性のあわいを味あわせてくれる。
 
圧倒的な宇宙の虚無を乗り越える人々、虚無でありながら何があっても
不思議でないところ。(著者が戦中で得たイメージの投影なのだろうか)。
そこにあるのはしかし、高度な思考を持つようになっていても、本質に今と
変わらぬところがある人間である。
 
時に愛の物語であったり。
時に正義と思われるものがもたらす意外な結末であったり。
 
でも秀逸なのは、猫。
「鼠と竜のゲーム」に酩酊。
そのほかにも動物がキーになる作品がいくつか。
「青をこころに、一、二と数えよ」はサイエンスのイメージで構成されて
いながらおとぎ話のよう。
 
-----
スキャナーに生きがいはない 人類補完機構全短篇
コードウェイナー・スミス
ハヤカワ文庫SF 2016/03
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013171/shurui_1/page1/product/
 
(2016.11.5)

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気になる本 2016/10/31-06

2016-11-06 00:12:24 | 気になる本
2016/11/04
 
脳はいかに意識をつくるのか 脳の異常から心の謎に迫る/ゲオルク・ノルトフ/3,240円/白揚社 2016/11/05
http://www.hakuyo-sha.co.jp/science/%E8%84%B3%E3%81%AF%E3%81%84%E3%81%8B%E3%81%AB%E6%84%8F%E8%AD%98%E3%82%92%E3%81%A4%E3%81%8F%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B/
 
宇宙の真実/K.クリアキン/972円/講談社エディトリアル
https://k-editorial.jp/index.html
 
ぼくは原始人になった/マット・グレアム/1,944円/河出書房新社
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309207209/
 
教養としての「昭和史」集中講義 教科書では語られていない現代への教訓
  /井上寿一/864円/SBクリエイティブ SB新書 2016/11/05
http://www.sbcr.jp/products/4797388398.html
 
煮込みの本。/1,404円/プレジデント社
http://presidentstore.jp/books/products/detail.php?product_id=2719
 
漬けるおかず 味つけいらずで、すぐ絶品。/ワタナベマキ/1,404円/世界文化社
 
2016/11/02
 
古事記の宇宙 古神道的考察/竹内睦泰/1,296円/青林堂
http://www.garo.co.jp/comic/kojikikaitei.html
 
共生微生物 生物と密接に関わるミクロな生命体/大野 博司/6,480円/化学同人
http://www.kagakudojin.co.jp/book/b238697.html
 
インド代数学研究 『ビージャガニタ』+『ビージャパッラヴァ』全訳と注
  /林 隆夫/25,920円/恒星社厚生閣
http://www.kouseisha.com/book/b252446.html
 
世界のお墓文化紀行 不思議な墓地・美しい霊園をめぐり、さまざまな民族の死生観をひも解く
  /長江 曜子/2,160円/誠文堂新光社
http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=5178
 
信と知 たんなる理性の限界における「宗教」の二源泉
  /ジャック・デリダ/1,944円/未來社 2016/10/31
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624932688

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