ぐるぐる・ぶらぶら

歌舞伎と映画と美術と読書の感想

【歌舞伎】新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』ディレイビューイング

2020-03-06 20:54:18 | 読書記録
少なくともアニメ映画になった部分については、よくよく知られた原作に対し
装置と演出による再現と、割り切った端折り、
伝承風の物語仕立てから歌舞伎仕様への大胆な置き換え。

時に古典から演出を引用。
前編での本水、立回り、宙乗り。後編の舞踊(道成寺?)、獅子頭と毛振り。

歌舞伎から離れすぎないけどいつもと違う音楽。
唄の字幕で理解促進。

歌舞伎に行き過ぎても元のイメージに寄り過ぎても興ざめになるリスクに
真っ向から取り組んで、そこに陥らない境界線を拾って完成させている。

工夫に工夫を重ねて構成された枠組みの内側を、役者さんたちが満たして、
"歌舞伎のナウシカ"が成立していた。

終盤で何度か胸つかまれて涙した。歌舞伎役者ってやっぱりすごいね。
いつもの客席で観るより役者さんの表情や衣装の細かいところが
くっきり見えるのも利点。

世界地図が頭に描き切切れなかったところはあった。
箱庭と焼け野原の距離感とか。

-----
公式サイト:https://www.nausicaa-kabuki.com/

(2020年2月・3月)

主演の菊之助さん・ナウシカ、
(歌舞伎に置き換えてる所為もあり)お姫様度が高いように思ったけど、
考えてみればそもそもお姫様なのである。
見ていたらだんだん引き込まれて途中から違和感は全くなくなった。
後編に至っては全く違和感なくなった。

七之助さんのクシャナ姐さんがかっけー。
松也さんのユパ様は若々しくて、これもアリだなと思う。
巳之助さんのミラルパとナムリスが貫禄。声すごい。
後編、歌昇さん大活躍。種之助さんと要所を押さえる。

腐海の舞台装置はナマで観たかったなぁ。
後編の大海嘯後の胞子の雨。
舞台チケットとれなかったんです。映像で観れてよかった。

一日で前後編続けていっぺんに観れたら更によかったのに、と、
昼の部と夜の部を同日に観ることが多い私は思う。


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【気になる本】20200302-08 | トップ | 【読書】影裏 »