まなびの途中

色々な仕事をしてまいりました。
色々な出会いがありました。
勘違いもありますが、
学んだことを書いてまいります。

この考えって、どのくらい「有効」なの?ミサイルを目の前にして

2006年07月19日 | 隣国問題
今日の朝日新聞の「世界の窓」フロムアジアネットワーク。
小倉和夫さんという国際交流基金理事長という肩書きを持つ方が寄稿。
タイトルは「普遍的価値 日米から深化を」というもの。

6月29日に発表された日米共同文書から導かれた言葉である。
  ここで言う普遍的価値観とは何か。共同文書曰く、自由、人間の尊厳及び人権
  民主主義、市場経済、法の支配。
彼はここで言う。
  一見至極もっともに聞こえる。
ところが、ここからがよく、自分ではわからないんだが、彼は
  これらの価値を(両国は)「推進する」と胸を張っていえるのであろうか。
  特に問題な点は、アジアの国々との関係だ。

そして、韓国は北朝鮮より米国のほうが圧倒的に脅威としていることや、
中国が利害共有国ではあり得ても、価値観を共有できる国からほど遠いこと。
加えて日本の植民地支配に対する反省や戦争責任の問題もアジアとの価値観の
共有には避けて通れぬ道だ、と言い切る。

要するに、アメリカも日本も、「共通の価値観」なるもの、それは軍事同盟に
かぶせた美しい着物であって、「偽善」になりかねない、と仰ります。
つまり、自分たちの行いを省みることなく、きれい事を並べては、
アジアにおいて「価値観」を共有していくことは、「難しい」というのである。

へーー、確かに、立派な考え方です。
誠に、ごもっともな考え方です。

普遍的な価値観。この文言の定義は、きっちりと述べられております。
どの国も、この価値観を、どうやら守ろうと、それこそ様々な試行錯誤を
繰り返しております。
確かに、こういうものが明確に行われていない、そういう観点から
欧米などが、アジアは遅れているなど、蔑視にも似た態度をとることが
よくありますが。

それを含めて、日米がこの価値観を深化させることは、当然と思いますが、
とりようによっては、こういう価値観が根ざしていない、中国、韓国、北朝鮮。
この国々が「理解」していない以上、もっと、我々が
しっかりしなければならない。
そういう、生意気な口調に取られてもおかしくないんですが。
多分、絶対、そんなことを言いたいはずではないでしょう。

だから、何が言いたいのかわからないのです。

つまり、植民地支配への反省が足りない。戦争責任の問題が片付いていないのに、
日本が、アメリカとこんな「大それた」ことを「言うこと」が、
どうやら「腹立たしい」んでしょうか。

最近では先の三国は「特定三国」と呼ばれて久しいですが、
確かに、この戦争責任問題を含め、この60数年間、政策上、外交上、
さらに、問題を悪化させている、この事態。
結果だけを見れば、当事者の大人たちは、確かに「無能」と呼ばれても
反論の余地はありません。
さすがに自分も、そうした批判を受けても良い年齢なんですけど。

確かに彼も言っております。大人ですから、相手のことに関しても、
それが国際人ですから。

  中国における民主化と人権尊重、韓国における権威主義と狭い民族主義の
  打破。

えっ、これだけ?日米に関する、長々とした多くの文章の割りには、これだけ?
なんか、言いたくないんだけど、とりあえず、言っておこうか、みたいな。
そんな感じに見えるんですけど。

このイランが核を開発するぞ、北朝鮮が事前通告も無く、ミサイルを発射するぞ、
という荒れた現実社会が現前としている中で、
つまり、日本もアメリカも、「言える立場」にないんじゃないの?
と言う事を、彼は、言いたいのであろうか?

じゃぁ、どうすれば、いいんだよ。
戦争責任問題を深化させることが、この国際問題において、どのような
積極的な「効果」を目指すことができるんだろうか?
あの、民主化もままならない国や、北のミサイルを非難することをせず、
日本の軍事国家、復活の「恐れ」を声高に非難する国に対して。
彼はこの考え方で、何を説得しようとしているのであろうか。
彼は、何の「役に立ちたい」と思っているのであろうか?

こういう考え方って、前から繰り返し発表されておりますが、
この切り口が「有効」だった「実績」、今まで、あったんでしょうか?


最新の画像もっと見る

コメントを投稿