まなびの途中

色々な仕事をしてまいりました。
色々な出会いがありました。
勘違いもありますが、
学んだことを書いてまいります。

イグ・ノーベル賞を紹介する本

2005年10月18日 | 本・映画
本の紹介ですが、前編、紹介です。

「もっと! イグ・ノーベル賞」ランダムハウス講談社

イグ・ノーベル賞とは、イグ(品が無い、あさましいの意)とノーベルを
掛け合わせた造語です。賞の対象者は、「人をまず笑わせ、そして考えさせる
研究。絶対に真似できない、まねすべきでない業績を対象に、
本物のノーベル賞受賞者や各分野の専門家、たまたまそばを通りかかった人が
選考する。授賞式は毎年、ハーバード大学の講堂で行われる」

説明自体が、もう、無理なので、ぜひ、興味のある方は、お読み下さい。
ただ、立ち読み程度の、紹介はさせて下さい。

この賞で有名なのは、2004年にイグ・ノーベル賞で平和賞を受賞した
「カラオケを発明し、人々に互いに寛容になることを教えた功績を称え、
井上大祐」であろう。この際には、色々なテレビで取り上げられたので、
記憶にあるとは思いますが、
この、受賞タイトルが、結構いかしております。

簡単に、いくつかご紹介いたします。

皮肉めいた受賞者
考古学賞(1991年) 
受賞者 フランスのボーイスカウト
理由  清掃活動中、歴史的遺産であるメリエール洞窟の古代壁画を
    落書きだと思って消してしまったため

医学賞 (1992年) 
受賞者 資生堂研究所の神田、ヤギ、フクダ、ナカジマ、オオタ、ナカタの各氏
理由  「足の臭いの原因となる混合物の解明」の草分け的研究。とりわけ
    「自分の足がくさいと思っている人の足はくさく、思っていない人の
     足は臭わない」という秀逸な結論を称えて

経済学賞(1994年)
受賞者 ファン・パブロ・ダビラ(チリ国営企業コデルコ社の先物トレーダー)
理由  「売り」のつもりでコンピューターに「買い」の指示を入力し、そこで
    発生した損失をカバーしようとリスクの高い取引を繰り返し、最終的に
    チリの国民総生産の0.5%に相当する損失を計上し、さらに、チリで
    「Davilar」(メチャクチャにするという意味)という動詞を造語
    した功績を称えて

平和賞 (1996年)
受賞者 ジャック・シラク大統領
理由  世界中を敵にまわしても怯まずに、広島原爆50周年の記念として、
    太平洋で原爆の実験を強行した根性を称えて

などなど、各年度において、10の分野から受賞者が選ばれる。
日本からは、他に、なまずと地震の研究で日本気象庁が。タマゴッチでバンダイが
バウリンガルでタカラが。また、韓国の文鮮明氏が、結婚産業に効率性と
スピードを導入し、急速な成長を実現した功績を称えて、と、なかなか、
いいセンスもしています。

また、日本では、1999年化学賞で、セーフティー探偵社の牧野氏。
夫の下着に吹き付けて精液の跡を発見できる、浮気検出スプレー(Sチェック)
を開発したため、なんてのもございました。

授賞式には、本物のノーベル賞受賞者がサインした賞状を、プレゼンターとして
出場。しっかりとした、セレモニーに仕立てているそうで、映画のラズベリー賞
もそうですが、こういうセンスは、見習いたいものです。 
 

最高裁の判断、判決を回避した消費者金融

2005年10月18日 | 社会的全般
いわゆる消費者金融。サラ金と呼ばれているものだが、
日本では、非常に合法的に、営まれている。
もちろん、過去、様々ないきさつがあって、その都度の法的な対策、
そして、イメージの改善など、各社、企業努力もうかがえる。

このたび、利息制限法を巡って。三洋信販と争われた裁判は、
1審が消費者側、2審が三洋側と2転し、いよいよ最高裁で争う様相となった。
が、突然、三洋側が、「和解」に応じ、裁判は当事者不在という案件になり、
終了となった。

世間では、利息制限法を争点とした、貸し金業のこれからを占う、大一番であっただけに
業界のみならず、世間は激しく注目していた。
仮に、ここで、実態を超えて、違法の判断なり、判決が決定した場合、
いわゆる消費者金融は、突然の岐路に立たされる。

いわゆるグレーゾーンと呼ばれる、金利、に関しては、片や出資法といった法があり、
貸し金業は29.2%が上限と決められているが、こと、言葉の意味合いから、
「利息」の法に沿った見直しが、論議されてきた。

とはいえ、個人にお金を貸し付ける業務を、その一番の免許者である銀行が
ほったらかしにしていた「つけ」があった一方、
消費者金融が、どういった営業をしているか、ちょっと調べればすぐわかるものを
突然、善良で、無知な市民を演じて、いきなり、利息が高い、と言い募るのも
いかがなものかと思う。

昔ほど、取立てについては、制約が厳しく、例の商工ファンドといわれた営業も
影をひそめ、結果、支払が不能になれば自己破産なり、更生法の法が、
整備されてきた今日、自主的に、自己責任で、粛々と身の振り方をとれるようになった。

以前にも書いたが、自己破産の手続きにおいて、どうして借りたかを理由付けするのが
もっとも大変な作業であるとしたが、常識として、一般人に自己破産を迎えるまでの
理由は、そこまでない。
多くは、多重債務者で、不動産取得など、常識的な返済不能については、
様々な救済がすでに用意されているが、株式や先物、そして遊行費など、
そういった分類においての多重債務者には、用意がない。

理由があってないような人間に、金を貸す、という道を開いたのが、実は
消費者金融で、銀行などのように、目的を厳密に聞いたり、見積書を用意しろ、
学費ならば請求書を添付しろ、などは、一切きかない。
それなのに、貸すということは、貸し倒れ率、つまり取れない人間を予測して、
経営を進めなくてはならないわけで、ここに、長年培った、経験とノウハウが
あるということ。もちろん、「善良な」お客さんが、破産者の分を面倒みるのは
当たり前で、何十人で何人の破産者をカバーする、といったリスクがとられている。
それが、金利の根拠にもなってくるわけだ。

一方、銀行は、担保、保証人主義であり、金利が安い分、がちがちにやってくる。
納税証明やら、源泉証明書、在籍証明書から、必要書類が山ほどあって、
もちろん、長年の取引があると、小額ながら、カードローンの仕組みがあるが、
当然、取引口座から、引き落とされる公共料金、給与振込みなどの実績から、判断される。

そういった身分が成立していない、特に女性には、銀行ほど、当てにならない、
そして役に立たない金融機関はなく、その間隙を縫って出現したのが
言ってみれば、消費者金融である。そして、そこに、お金を貸し込んだのが、
なんと、銀行であり、生保の会社である。

巷の自営業者、そして、主婦、そして、女性。または、サラリーマン。
もともとは、金を借りるという前提を作ったのは、100%ではないとは言え、
自分の責任である。
取れる手段が、日本には無い以上、消費者金融に駆け込むのは、分からないでもないが、
金利について訴えるならば、なぜ、借りる前に、それを問題にしないのか。
まぁ、借りたということで、当事者にならないと、裁判を起こす動機なり主体に
ならないからかも、知れないが、言ってみれば、騙された、という言葉は
使ってほしくないものである。
銀行は、ようやく、消費者金融とくんで、そのノウハウを借り、消費者金融の市場に
打って出た。が、笑ってしまうのは、うちとは、関係ありません、なんて態度を
未だにとる銀行の姿勢。
モビットやらキャッシュワンなどで借り入れがあると、大掛かりな住宅のローンなど
組めなくなる可能性もある。
まだ、そんな感じなんであります。