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親友の彼女を好きになった向井弘凪の、罪と罰。の感想レビュー(ライトノベル)

2014年12月04日 22時56分34秒 | ライトノベル・小説
ダッシュエックス文庫のラノベ、『親友の彼女を好きになった向井弘凪の、罪と罰。』(野村 美月先生原作、河下 水希先生イラスト)が発売中です。

表紙は、ヒロインの古都と彼氏である遥平が歩く様子を辛そうに眺める主人公の弘凪。
この1枚で本作の方向性がバッチリ判ってしまう見事な構図ですね。
弘凪はもちろん、古都のほうも後ろめたいような表情になっているあたりに色々と想像力をかき立てられます。

お話的には、高校に入って毎朝電車で見かける女の子に惹かれ始め、いよいよ話しかけてみようと決意した主人公の弘凪でしたが、ある日親友の遥平が自分の彼女だと紹介してきた女の子が、件の電車の女の子・古都だと知って苦悩することに…という、禁断の恋!?展開です。

タイトルの時点で完全に泥沼な予感に包まれるわけですが、遥平がイケメンで性格も明るい人気者かつ深い信頼関係にある理想的な親友関係であるだけでなく、中学時代のとある事件で弘凪が責任を感じている相手ということで略奪愛とか絶対無理だろうシチュエーションの徹底ぶりマジ半端ないっすわw
恋愛は早い者勝ちな側面もあるとはいえ、電車の中で先に知っていたのは弘凪のほうが早かったわけですし、その意味では結構同情できるのですが、誰あろう弘凪自身がそんな罪深い行為を許せない性格なわけで。
自分の想いは胸に秘め、親友の喜びを祝福しようと悲壮な決意をする弘凪の姿が切なかったですね。

しかし、あれだけ恋焦がれていた相手ですし、同じ学校だったこともあって何度も古都とニアミスしてしまう間に、罪の意識とは別に嬉しさを自覚してしまう弘凪の本心を責めることは酷というものでしょうね。
甘酸っぱいけどいずれは罰を受ける未来しか見えない秘密の逢瀬を重ねていくふたりの姿にハラハラさせられました。
いや、初対面ならともかく、古都のほうも明らかに昔から弘凪を意識していたオーラが出まくりでしたし、ノリ的にはライトノベルというより昼メロのほうが近い感じですねw

イケナイ・秘密の恋の方が燃えるというのもありますし、似たような状況に自分がなる可能性もひょっとしたらあるかも?と思えるあたりは感情移入しやすいですから、読者自身が自分ならどうするだろう?と幾通りもの展開を予想しながら読み進められるのが本作の面白いところだと思います。
狂言回し的なキャラクターであるクールビューティーな先輩・冴音子の企みで不可避的に古都とふたりっきりにさせられる流れはややご都合主義的というか、ドラマチック、ラノベチックな部分がありますが、変にひっぱらずにこの1冊内で綺麗に決着をつける上ではうってつけの構成だったとも思えました。
というか、冴音子が多少強引に引っ掻き回してくれなければ、胸にしまったまま秘める恋エンドになっていた可能性が高かったでしょうし、真の意味で問題を解決することは出来なかったでしょうね。

話せば話すほど恋心が募っていく弘凪と古都の姿はいかにも青春!という感じで瑞々しく、なんとかくっつけてあげたい!と思うこと必至かと。
また、弘凪の経緯については彼視点で最初から明かされているわけですが、後に古都と遥平の出会いから付き合うまでの詳細な経緯が明かされたり、中学の事件の裏事情があかされたりと、それぞれのドラマが組み合わさることで各自が抱える罪と罰が浮かび上がってくる流れが実に巧妙で面白く、説得力が高かったです。
話して相手を傷付けるのもしんどいですが、話せず溜め込んでしまったまま過ごすのもそれ以上にしんどいわけで。
ただ、本気で好きになった相手を手に入れようと思ったら、穏便に済ませようと迷っているだけではなくて、何か行動を起こしたり、なりふり構わず求めてしまうことが必要な場合もあるよね…と考えると、やっぱり唯一の正解がないだけに恋愛事は難しく、そして面白いですのう(*´∀`*)ポワワ

お話はラストで綺麗に落ちていますが、このまま弘凪シリーズになるにせよ、違う設定のお話になるにせよ、両先生のタッグがまた見られる事に期待しております♪



気になった方は、是非チェックなさってみてくださいませ。

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