◆寺子屋の本分 世界一の識字率!◆
江戸の住人は、とにかく本を読んだ。
なぜなら識字率がダントツの世界一という理由がある。
実は江戸だけは、子供も大人もほとんどの人が字が読めた。
その貢献者は、
寺子屋と言われる<指南所>で江戸の至る所にあり、
江戸の子供たちはこぞって通った。
江戸時代は義務教育がないため、<指南所>は私塾。。
先生は知識のある僧や女性・浪人など。
読み書き・算盤・方角・地名・手紙の書き方・
商売用語・礼儀作法・正式な食べ方など…
丁稚奉公に上がっても困らないよう実用的な事を教えてくれる。
午前中から二時までは、子供たちタイム。
二時以降は、読み書きが出来ない大人たちの勉強タイム。
もちろん授業料はあるが、その日暮らしの江戸っ子は<出世払い>が多かった。
子供たちも大人も奉公に上がった仕事で、
先生の家を直したり、野菜や魚を持って来たりと授業料は現物支給。
指南所で教える先生たちは、情熱を持って子供に教えるし、
子供たちも一生懸命勉強した。
勉強することが、生きる術に繋がる江戸の子供たち。
十歳そこそこで、親から独立は当たり前のこと。。
親は押入れもない長屋で、最小限の家財道具で生活。
パラサイトだの引き籠りなどの余裕は、親にもなかった。
動物の世界と同じで、
子供たちは早くから一人で生きていく覚悟を持たざる得ない現実があった。
江戸の町の凄い所は、町の富裕層が町のために財産を使った。
その使い道の一つに
捨て子や迷子のように、親が分からない子供たちは町ぐるみで育てた。
その費用は富裕層が出すことで、儲けたお金を町と人に回した。
江戸は地方から出てきた者の寄せ集めで<超個人主義>
人を羨んだりはせず<人は人 自分は自分>という考えが根付いていたが、
困った時は助け合うのは当然のこととしてやっていた。
そういう粋な町と町が競い合い、栄えたのが江戸という町だった。
私利私欲に走る者はケチな野郎と云われ、町には居られなくなる。
なんとも痛快で、江戸という町に住みたくなるほどだ
今は、
物が豊富でネットを使う便利な世の中。
子供を育てる余力がない…
子供を見てくれる保育園がない…とか
江戸と同じ超個人主義でもこんなにも大きく違う。
残念ながら、生きにくい世の中になってしまった。
江戸が太平の世の象徴で、
人の役に立つことをしてれば、食いっぱぐれも、のたれ死にもしない。
『江戸にさえ行けば、何とかなる!』と、
貧しい地方からドンドン人が入り、<人返しの令>が出るほどに。
40万から130万人の世界一華やかで、お洒落で、粋な町に熟成していった。
◆本好きと貸本屋◆
江戸っ子は<ひらがな>に限ればほぼ100%読めた。
漢字にはふり仮名がふってあり、
大抵の流行り本は読むことが出来た。
江戸評論家/杉浦日向子さんが面白いことを言っていた。
ほとんどの本は草書の<にょろにょろ文字>で書かれており、
江戸っ子は楷書が全く読めない…
現代人とは真逆www
しかも黙読が出来ず、音読だと云う。。
瓦版なんぞ出ようものなら、一斉に音読し町中で輪唱になる。
本屋がなく版元しかないため、貸本屋が大繁盛。
三日に一度、貸本屋が玄関先に来て、
あらすじを興味がそそられるよう話して聞かせる。
もちろん長編・短編・絵草子・エロ本と品ぞろえも豊富。
そのほかの娯楽として
天保の頃には211軒もの寄席や講談、ちょっとお高い歌舞伎など、、
杉浦さんの本には寄席と銭湯が同じくらいあった。。と衝撃の事実が。
彼女の独り言として、
東京も江戸のようになればいいのに、、と思うと書いてある。
そして
江戸の文化や気質を知れば知るほど、その言葉の意味が沁みてくる。
人として豊かに生きることとはなんぞや。。と今の時代を思ってしまう。
次は、もっともっと深い話を書きます…デワデワ
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どうでぃ江戸は素晴らしい文化があったんだぜ
今の東京はなんなんでぃ・・・
住みやすかったのですね。
私も江戸にワープしたい・・。
勉強になりました。
>「動物の世界と同じで、 子供たちは早くから一人で
生きていく覚悟を・・・」
カワセミの撮影をしている。幼鳥もやがて縄張りを作り
1羽での活動となる・・・
生き抜く為に備わったDNAがある
そんなDNAが無い現代人。江戸時代へタイムスリップ
したら何日間生きられるだろうか・・・
他人の子供を平気で叱るし、思っている事をズケズケ言うし、短気だし(笑)
いつも「なるほど~」って思う事が多いこのブログです♪
何時も楽しく拝見して居ります。
随分前に読者登録して頂いたお礼も申し上げておりませんで 本当に失礼をお詫びいた
します。
ふと、読者登録をさせて頂いていない事に今更気付きました。 読者欄から毎日伺ってい
たので本当にうっかりしていた大バカ者です。
何度も同じような失態をしでかし 他の方からも大笑いされたドジでございます。
お許し頂くと同時に、改めて今後ともどうぞよろしくお付き合い頂ければ幸甚です。
未だ未熟者ですのでご至らぬ事が多々あります。 お気づきの点御指導、ご指摘頂けれ
ば励みになります。
大変遅まきながら お礼とお詫びに伺いました。
いつも楽しく拝読させて頂いています。
日本が列強諸外国の植民地にならなかったのも、文字のちから、即ち学問なのかと思ったしたいです。
幕末に限らす、凄い人材を輩出していますから欧米列強も一目置いたのかもしれません。
これからも、楽しみにしています。
「世の中に物申す」というBLOGを掲載している者です。
私が、おぼろげに感じていたことを、BLOGで詳しく論理的に記していただいており、とても勉強になります。
常々、私が言っている持論で、戊辰戦争に勝った明治政府が江戸時代のことを覆い隠してしまったので、現代では、江戸時代の実像が見えなくなってしまっているのですが、1853年に日本にやってきたペリー艦隊の全乗組員の平均識字率、平均の数学能力、これらの基礎学力全般よりも、江戸の町民の平均学力の方が遥かに高く、当時の日本人は、ペリー艦隊の凄まじい軍事力に圧倒されてしまって、気づかなかっただけで、逆にペリーたちは、そのことに気づいていたので、この頃より、欧米列強は、日本を植民地にするのは無理だと、うっすらと感じたのではないかと思っていました。
その意味で、このBLOGで、当時の識字率は世界一だと、示して下さっていること、個人的に、とても嬉しく、感じております。
これからも、BLOGから、色々と勉強させて下さい。