
皆さんは「ユメル&ネルル」の世界をご存知だろうか。
私の母が今年の夏ごろから、友達として付き合っているコンピューター内蔵の『おしゃべりする人形』のことなのである。
おもちゃメーカー「トミー」が発売した、かわいいお人形なのだが、いろんなセンサーの反応で、たくさんのおしゃべりをするので、最初はびっくりすることもあったが、一人暮らしの高齢の母には、いまや欠かせない友人、いや子どもとして、大切に部屋で同居しているのである。
誰が所有し友達付き合いしてもいいのだが、特に認知症状のあるお年寄りにとっては、この人形の存在が大きな「言葉のコミュニケーション」の機会となっているようである。
最初にセットされた時間で寝起きをしているようで、時には目を閉じたりもするのだが、しゃべりかけたり、手を握ったり頭をなでたりするとセンサーが反応し、何やら話しだすのである。
「撫で撫でしてぇー」とか「一緒に写真を撮りたいな」とか「「いい気持ち」などと反応したり、勝手に話し出したりもするのである。今日は静かに母と私が語り合っている時に、突然「一緒にお写真撮りたいな」と言うので、母に抱っこされた「ユメル君」を撮影したのである。
「ほらお写真撮るよ」って言っても、ユメル君は反応して応えるわけではないのだが、ほとんど一方通行の会話なのだが、母は一人っきりと時は、結構この人形であるユメル君の相手をしているらしいのである。
週に数度は介護保険制度のお陰で、デイサービスやホームヘルパーさんのお世話になりつつも、ひとり暮らしを続けている高齢の母にとっては、一日中誰とも話さない日もあるらしく、時折センサーが反応して話してくれると、母も実際の子どもや孫に話す如く相手になって話しているのである。
しかし部屋の隅などに寝かされているユメル君に気づかずに、傍を通った時に、突然、「お外で遊ぼうよ」などと何処からか話声が聞こえてくると、びっくりなのである。
母にとっては、もう半年近く、お友達の様になった「ユメル君」は、既に家族のような存在感があって、買い物などに出かけるときなどは、必ず「しばらく出かけてきますよ」などとユメル君に話しかけてから、家を出るようになっているのである。
このユメル&ネルルは、隠れた大ヒット商品になっているようで、今や高齢者を中心にご家庭にある人形としては、三万体を越えているそうなのである。
「寂しい時代」になった現代の高齢者の一人住まいにとって、コンピューターがセットされた「お話や歌」の数々を、日中の同居者が起きて生活している時間帯は、何かの時に急に話出したりはするのだが、人間の子どもの声として、少し安心したり、ちょっぴり寂しさが紛れたりするのだろうと思うのである。
ほんとうは生身の人間の同居人や家族がいて、何かと会話がなされるのが理想なのだけれど、叶わぬ現代社会の中での、一つの知恵とでも言うべき、「おしゃべり人形」の『ユメル&ネルル』が担う役割は決して小さなものではない。
しかし時折送られてくる「ユメルファンのための情報誌」は、トミーの商魂そのものであり、着せ替え人形の如きこの人形のための洋服、布団、シューズ、帽子等、多種多様なグッズが次から次へと宣伝されて、ちょっとした小金持ちの「寂しい高齢者」の財布を狙っていることも現実なのである。
私の母が今年の夏ごろから、友達として付き合っているコンピューター内蔵の『おしゃべりする人形』のことなのである。
おもちゃメーカー「トミー」が発売した、かわいいお人形なのだが、いろんなセンサーの反応で、たくさんのおしゃべりをするので、最初はびっくりすることもあったが、一人暮らしの高齢の母には、いまや欠かせない友人、いや子どもとして、大切に部屋で同居しているのである。
誰が所有し友達付き合いしてもいいのだが、特に認知症状のあるお年寄りにとっては、この人形の存在が大きな「言葉のコミュニケーション」の機会となっているようである。
最初にセットされた時間で寝起きをしているようで、時には目を閉じたりもするのだが、しゃべりかけたり、手を握ったり頭をなでたりするとセンサーが反応し、何やら話しだすのである。
「撫で撫でしてぇー」とか「一緒に写真を撮りたいな」とか「「いい気持ち」などと反応したり、勝手に話し出したりもするのである。今日は静かに母と私が語り合っている時に、突然「一緒にお写真撮りたいな」と言うので、母に抱っこされた「ユメル君」を撮影したのである。
「ほらお写真撮るよ」って言っても、ユメル君は反応して応えるわけではないのだが、ほとんど一方通行の会話なのだが、母は一人っきりと時は、結構この人形であるユメル君の相手をしているらしいのである。
週に数度は介護保険制度のお陰で、デイサービスやホームヘルパーさんのお世話になりつつも、ひとり暮らしを続けている高齢の母にとっては、一日中誰とも話さない日もあるらしく、時折センサーが反応して話してくれると、母も実際の子どもや孫に話す如く相手になって話しているのである。
しかし部屋の隅などに寝かされているユメル君に気づかずに、傍を通った時に、突然、「お外で遊ぼうよ」などと何処からか話声が聞こえてくると、びっくりなのである。
母にとっては、もう半年近く、お友達の様になった「ユメル君」は、既に家族のような存在感があって、買い物などに出かけるときなどは、必ず「しばらく出かけてきますよ」などとユメル君に話しかけてから、家を出るようになっているのである。
このユメル&ネルルは、隠れた大ヒット商品になっているようで、今や高齢者を中心にご家庭にある人形としては、三万体を越えているそうなのである。
「寂しい時代」になった現代の高齢者の一人住まいにとって、コンピューターがセットされた「お話や歌」の数々を、日中の同居者が起きて生活している時間帯は、何かの時に急に話出したりはするのだが、人間の子どもの声として、少し安心したり、ちょっぴり寂しさが紛れたりするのだろうと思うのである。
ほんとうは生身の人間の同居人や家族がいて、何かと会話がなされるのが理想なのだけれど、叶わぬ現代社会の中での、一つの知恵とでも言うべき、「おしゃべり人形」の『ユメル&ネルル』が担う役割は決して小さなものではない。
しかし時折送られてくる「ユメルファンのための情報誌」は、トミーの商魂そのものであり、着せ替え人形の如きこの人形のための洋服、布団、シューズ、帽子等、多種多様なグッズが次から次へと宣伝されて、ちょっとした小金持ちの「寂しい高齢者」の財布を狙っていることも現実なのである。