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コロナと株価

2021-01-12 | 日記

コロナ禍での経済ダメージやGNPの落ち込みが問題となる中、株価は30年ぶりの高値となりその後も上昇傾向にある。ある番組で解説者がこの矛盾を質問され、「コロナ禍で業績の落ち込んだ企業もあれば、逆にコロナ禍で業績が伸びた企業もあるので、業績の良い企業の株価が平均株価を引き上げている」という説明をしていた。もし、業績つまり企業生産が落ちた企業の減少分を、業績上昇つまり生産が増加した企業の増加分が埋めてさらに全体平均を押し上げたのなら、全体の総生産も増えるかまたは大きく落ち込んでないはずになる。したがって上述の説明は何とも腑に落ちない。

 企業業績の平均がここまで大きく落ち込む中での平均株価の上昇には別の原因、あるいは株価上昇システムが動いているはずである。この半年間に様々な番組で聞いた経済専門家の方々の説明の中で、一つだけ納得できるものがあった。それは、コロナ禍での経済低迷を危惧して世界的に金融緩和を進めたからというもの。つまりどこの国でも世の中に流通するお金を増やして、人々や企業の収入減を食い止めようとしているという説明だった。結局、金融緩和で世に溢れたお金は、収入減少で困窮する人々によりも資金投資を行う資本家に大量に流れ、株価を押し上げているということらしい。株価というのは商品としての株とお金の量とのバランスで決まる。したがって、お金の流通量が増えればお金の株に対する価値が相対的に下落し、そのことが現在の株価上昇につながっているということ。

 また、株の売買で利ザヤを稼いで食べている企業や個人投資家は、株式市場で商品価値の高い株を買い、より高く売りさばくという活動を止められない。企業の業績云々よりも、そうした株の取り合い、売りつけ合いのゲームを続けざるをえない必然と、金融緩和による資金の余剰が相まって株価が上がるのだろう。こうしたゲームは、より大きな資本力を持つ株主がどこかで買いを止めれば終わる。スピードはどうあれ株価は崩れることになる。大資本家は、それまでに溜め込んだ巨大な利益に比べれば小さな損を覚悟し、大量の株を少し安く売り抜けることで貯めた利益の大半を守ることができる。しかし最高値でも買い続けていた株主達は、そこで巨大な損を被ることになる。

 株価の崩壊がゆっくり起きるか、それとも急激に起きるかで経済への打撃は異なるだろう。いずれにしろこのコロナ禍が過ぎ去った頃に、今の状況の清算が行われるのだろう。できればその時こそ、コロナ下での社会変化により成長を始めた企業の業績向上によって、経済全体が少しでも上向きに引っ張られることを願う。


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