日本シリーズが始まり、第２戦まで終わって互いに１勝１敗となっている。両チームともに前年度のリーグ最下位の球団で、シーズン当初にはおそらく優勝を予想した者はほとんどいなかっただろうと思われる。しかし、どちらもシーズン終盤に２位チームとの抜きつ抜かれつの接戦を勝ち抜いての優勝だった。しかも、日本シリーズ出場を決めるクライマックスシリーズでは、いずれも安定した王者の貫禄すら感じさせるような勝ちっぷりで勝ち抜いてきた。
日本シリーズに入ってからも、一戦一戦が「がっぷり四つ、の四つ相撲」を見せてくれている。若い投手がピシッと抑え合う中での１点差の試合だったり、点を取り始めれば１点差の逆転にまた１点差の逆転を繰り返す試合があった。どちらかが連勝すれば力の均衡を破れそうな気もするが、それにしても大差が付く試合は想像できない戦いぶりである。今年の終盤の両チームを見ていると、どちらも前年度最下位だったとは思えない。
監督が交替したり、ドラフトなどで選手補強したりしてチームが強くなるのは分かるが、それにしても両チームとも出来過ぎの気がする。それでいて、試合ぶりを見ていると試合をしっかりと締める新人投手の活躍や、打者でに中軸に強打者が並んでいるところを見ると、今年の強さは「偶々のこと」では無いと感じる。新世代の監督の下で再出発をしたチーム同士の見応えある日本シリーズを見ていると、何となく日本のプロ野球も変わりつつあると思われて来る。
