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債権者代位権と「星」

2010年04月29日 | Weblog
0.今日の目次
1.雑談
2.民訴の独り言議論~テーマ:債権者代位訴訟をめぐる民訴法上の問題 ~
3.今日の択一問題
4.あとがき


1.雑談
法学教室5月号(2010)の巻頭特集で、「法科大学院で学ぶ 座談会~法科大学院から実務家へ~」が掲載された。法科大学院で教鞭を執る、5人の先生方(同志社大の阿多先生(商法・弁護士・新司考査委員)、早稲田大の遠藤先生(民訴・元裁判官・旧司考査委員)、学習院大の戸松先生(憲法・旧司考査委員)、松下先生(民訴・元新司考査委員)、明学大の渡辺先生(刑訴・元検事・旧司考査委員))による対談である。

法科大学院への入学(法曹としての適性・入学前の勉強)というテーマから入り、授業について(広い意味での勉強方法)、学内試験・レポートについて、新司法試験・その後について、というテーマが論じられる。

やはり興味深いのは、司法試験委員の先生らが、法科大学院の授業をどのように考えているか。
内容としては、授業中のノートの取り方・判例の読み方・対話型授業・グループ学習という勉強の在り方から、実務家教員と研究者教員の役割分担にいたるまで、色々と論じられ、興味深い。

また、学内試験・レポートの項目では、文章の書き方、その練習の仕方についても論じらている。

「授業中のノート」については、随分と論じられている。

渡辺先生・戸松先生は、授業で得た知識を実務家として使いこなせるようになるための復習をするには、まずノートテイクをちゃんとして欲しい」という。ところが、最近の学生は、講義の手控えや、パワーポイントのデータをください、という。でも、自分で書いて・考えるから覚えるのだ、と。

中学くらいまでは、先生が板書をして、みんなノートをとる。
けれども、塾なんかではプリントや教材を配布して、ノートをとる機会は減る。
高校生になり、大学受験の勉強をし始めると、予備校はあれこれ教材を用意するから、学生はただ、マーカーを引くだけになる。
大学に入っても、その習慣は引きずられ、司法試験をやる連中は予備校本にマーカーを引く。

そもそも、法曹(ここでは主に弁護士)は、依頼者の話を聞く仕事である。
依頼者は法律の素人だから、法的に意味のあること、ないことをごちゃ混ぜに色々と話す。その際に、法曹は、法的に意味のあること、訴訟では無視できないことを、きちんと整理してメモをとることが必要なのだ。
講義でノート(メモ)をとらない人に、それができますか?
話を聞きながら、それを要領よくまとめられますか?


対して、遠藤先生は、「授業中にノートばかりとらないように」と指導し、講義後に講義内では話しつくせなかったことを中心にまとめた、講義メモ(A4で2、3枚)を配るそうです。

この意見の対立は、「場面」が違う話だとは思います。
でも、少なくともうちの法科大学院では、基本的には丁寧にレジュメが配られる。
あれは、時間節約にはなるし、色々助けられてはいますが、板書で頭に入れていたことが、ロースクールの勉強ではできていないというのは、前々から思っていたこと(前にも書いたと思いますが)。



2.民訴の独り言議論 
テーマ:債権者代位訴訟をめぐる民訴法上の問題

(以下は思いつきで書いているので、間違っていても知りません)

(問題の前提)
債権者代位訴訟が提起され、債務者が当事者参加した場合(民訴47条)、3当時や関係について、合一的に法律関係が確定され、既判力も合一的に生じる。
債務者が補助参加した場合(民訴42条)、債務者に対して訴訟告知がされた場合には(民訴53条)債務者に参加的効力が及ぶ。
ここで、債務者に対して、訴訟告知がされなかった場合、債務者に既判力が及ぶかが問題となる。

通説・判例は、代位訴訟は債務者の権利を行使する権限に基づいてされるものであるから、債権者は、実体法上の管理権限が手続法に投影したところの訴訟追行権に基づいて、訴訟をすることができる。
つまり、代位債権者は、法定訴訟担当にあたる(民訴115条1項2号)。
したがって、代位訴訟の既判力は、勝訴・敗訴に関係なく、債務者に及ぶ。

(以下より本題)
法定訴訟担当には、2種類ある。
担当者のための法定訴訟担当と、権利義務の帰属主体のための法定訴訟担当である。

前者は、第三者が自己の利益または自己が代表する者の利益のたえに訴訟物足る権利義務について、管理処分権が認められ、それに基づき訴訟担当が許される場合。
例として、債権者代位訴訟や、差押え債権の取立て訴訟(民執法157条)、株主代表訴訟(会社法847条)。

後者は、訴訟物たる権利義務の帰属主体による訴訟追行が不可能・不適当である場合に、法律上一般的にその帰属主体を保護すべき職務にある者が訴訟担当する場合をいう。
例として、成年被後見人の離婚訴訟における成年後見人、遺言執行者。

(債権者代位訴訟の復習)

債権者代位訴訟の趣旨は?

債務者の責任財産の保全。
責任財産を保全するためであるから、債務者の無資力が原則として要件となる。
転用型においては、債務者の無資力は要件ではない(例:賃借権や登記請求権保全)。


責任財産の保全は誰のため?

建前上は、一般債権者全員のため。債権者代位権は、債務者の権利を行使するものであり、その効果は、債務者に帰属することになり、他の債権者と平等に分配を受けることになる。


債権者代位において、代位債権者は第三債務者に対し、金銭を直接自分に支払うように請求できるか?

請求できる(判例)。
なぜなら、これを認めないと、債務者が金銭を受領しないときに債権者代位権はその目的を達成することができないから。


その場合、債務者は、代位債権者に対してその金銭の支払い請求権を有することになるのか?仮に有することになる場合、代位債権者は債務者からの支払い請求に応じなければならないのか?

債務者は、支払い請求権を有する。ただ、代位債権者は、債務者に対する自己の債権を自働債権として相殺することができる。


そうすると、代位債権者が優先弁済を受けることになり、責任財産の保全という債権者代位権の趣旨に反しないか?(裁判所はどう考えるか?)

「制度の欠陥」という。
債権回収に勤勉である代位債権者が事実上優先弁済を受ける結果になってもやむを得ない。


債権者代位訴訟において、代位債権者は、第三債務者に対して、自分ではなく、債務者に金銭を支払えと請求できるか?

代位債権者は、第三債務者に対して、債務者に支払えと請求できる。
しかし、債務者が受領しない場合、第三債務者は供託しなければならず、供託請求することになる。

(遺言執行者と法定訴訟担当)
民法1015条は、遺言執行者は相続人の代理人とみなすと規定している。
では、民訴法上も、法定代理人となるか?
相続人と遺言執行者が遺産ないし遺言をめぐって訴訟する場合はどうするのか?

この場合、仮に遺言執行者は相続人の代理人であるという構成をとると、原告も相続人、被告も相続人となり、当事者が同一人になる。この結果、当事者が対立せず、二当事者対立後続を構成しない。
したがって、訴訟法上は、遺言執行者は、自己の名で当事者となる訴訟担当と解すべき。



3.今日の択一問題
~債権者代位権~

判例の趣旨に照らし、誤っているものは幾つあるか?

ア 債権者代位権の判決の既判力は、債権者の勝訴・敗訴にかかわらず債務者に及ぶ(プレ23-5)

イ 代位行使された債務者の債権については、請求により時効中断が生じるが、債権者が債務者に対して有する被保全債権そのものについては、時効中断しないのが通説である。

ウ 債権者代位権の行使について、相手方から履行期の抗弁を出された場合、「当該行為が保存行為であること」が、債権者が主張・立証責任を負担する再抗弁である。

エ XはYに対して甲土地の所有権の確認を求める訴え(前訴)を提起し、この請求が認められ、確定した。その後、Xから甲土地を借り受けたZが債権者代位権の行使としてYに対して甲土地の引渡しを求めたときには、Yは、前訴判決基準時におけるXの所有権の存在と矛盾しな攻撃防御方法のみ、提出できる。(H20-69)

1.0個
2.1個
3.2個
4.3個
5.4個

例によって解答はこちら


4.あとがき
学校の帰りに、TSUTAYAで久しぶりにDVDを借りた。
「モヤモヤさまぁーず2」のDVD。
夜中にこれを見たら、笑いの力で変なテンションになり、今日のブログを書き始めたら収拾がつかなくなった。
途中でお腹がすいたので、魚を焼いて食べたりして、区切りの良いところまで、と思い、ここまでやってきた。
「モヤモヤさまぁーず2」のDVDを見ていたら、なんだか大江アナファンになった。
モヤさま風にいえば、「ドイヒーな『つぐない』」にはまった。

もうすぐ4000文字になりそうだから、このぐらいで勘弁してやろう。

西武ライオンズの工藤投手は、「中年の星」なんて言われているらしいけれど、僕の場合、「ち」を「り」に変えて。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2010-04-29 19:15:52
全部○だと思います。
若年性認知症かもしれないので、自信はありません。
Unknown (ぐっち)
2010-04-30 03:28:36
全部○!
Good jobでした。