マキノ病院小児科ブログ

小児科からのお知らせです

小児と新型コロナウィルス感染症

2020年05月22日 | 診療
まだまだ油断は禁物とはいえ、一旦感染の大きな波が収束してきているのも事実ですね。

これまでにおおよそわかってきたこと。

日本小児科学会から現状のまとめも出ておりましたので、ちょっとお知らせです。

➀小児例はほとんどが家族内感染。
 
 大人が子どもにうつすんですね。

 これまでのところ、学校・保育園はクラスターになりにくいと考えられている。

 ということで、インフルエンザのようにクラス内で感染が爆発するようなケースは稀ではないかとも。

②小児は成人と比べて無症状~軽症例がほとんどで、死亡例も少ない。
 
 基本的に経過観察あるいは対象療法のみで十分。つまり、まずは風邪と同じ扱いで。

 もちろん呼吸状態の悪化などのサインに注意だが、それもインフルエンザなど他の感染症でも同じこと。

 むしろ新型コロナウィルスでは、心配すべきは、親が感染して重症化してしまった場合、子どもの面倒見るどころでなくなってしまうこと!
 
 子どもがうつったらどうしよう?子どもにうつしたらどうしよう?の前に、自分が重症化したら大変!!なので、親こそが感染しないようにしないといけない。

③新型コロナウィルスといえど、結局は感染症なので、人と人との接触がなければ感染は広がりにくい。

 休校・休園もあり、子どもたちの他の感染症までもが激減。

 インフルエンザを筆頭に、ロタウィルスもどこかに行ってしまったかのようでまったくお目にかからずです。。。

 そもそも、新型コロナウィルスだけが怖い感染症ではないので、これからも感染対策頑張りましょう。

 なお、新型コロナウィルスは便中に大量に排泄される(しかも結構長期間)とのことで、トイレ(特に公衆トイレや共用トイレ)のあとの手洗いは、感染予防と感染拡大予防のために大事。

④海外での報告が増えている川崎病様症状を呈する症例については、これまでのところ日本では問題になっていない。

 もともと川崎病は日本をはじめとする東アジアで多い病気だが、この数ヶ月間で、日本で川崎病患者が急激に増えたとの報告もない。

 これまでのところ、小児の感染例自体が少ないので、今後の感染拡大によっては日本でも発生の可能性は残る。

 あと、10代の足にしもやけ様症状が出るとの報告もあるので念のため気をつけておく。

⑤緊急事態宣言解除後に第一波の揺り戻しが来るのかはもう1~2週間もすればわかってきますね。入院施設のある医療機関や介護関係の施設などで散発的な発生はどこでも起こる可能性は残りそうです。

 そして本当に秋冬にいわゆる第二波がくるかどうかは誰にもわからない。みんなで正しく警戒していたらなんともなかったが一番うれしいですが。




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