マキノ病院小児科ブログ

小児科からのお知らせです

インフルエンザの治療

2015年01月29日 | 診療
なんとなくこの際ですので、もう少しインフルエンザネタで。

本来寝てたらいつかは治るインフルエンザ。
それでも、それを痛い検査もして、なるべく早く抗インフルエンザ薬を投与することを目指すのは?

①治るのではないとはいえ、早く楽になることが期待できる
②出席停止を最低限の5日間に抑えられる可能性が高くなる
→要するに、「親の負担減る」がメインではないでしょうか?
(ちなみに出席停止の5日間は発症翌日からのカウントですよ、念のため。こちらも参照
保育園だと熱が下がったあと、さらに3日間もお休みですからねぇ。。。

抗インフルエンザ薬なしですと、だいたい5、6日ほどでようやく熱が下がり、
そこからさらに休みとなると、10日ほど休みなんてことになってしまいます。

さらには、兄弟姉妹(おまけに両親祖父母までも)がバタバタと倒れられると文字通りのカオスになってしまいます。
少しでも早めに落ち着かせることを望むのは当然のことかと。

じゃあ、わざわざ早めに診断つけたのなら、なおさらきっちり治療すべきですよね?
いい加減に治療するくらいなら、そもそも急いで検査する必要もないわけで。
不確実な要素はなるべく減らしたほうがいいですよね?

乳幼児の薬が飲めません(T=T)が一番悲しいお話。
けど、全員点滴するわけにもまいりませんし。
なんとしてでも頑張って内服してもらわんとあきません。

そしてそして、10歳未満のお子さんに、
吸入タイプの抗インフルエンザ薬をおすすめするのはどうよ!?と思ってます。
少し大きくなったとはいえ、所詮はお子ちゃまですよ?

10歳以上ですと、もうイナビル一択でそれほど問題にならないでしょう。
2個吸入しますので、万一1個目でちょっと失敗しても、すぐ2個目ですからね。

でも10歳未満のイナビルは文字通りの1個1発勝負。
わが子によほど自信のある場合ならあかんとはいいませんけど。
決してこちらからお奨めなんてしません。
たとえ10人に9人はうまくいくとしても。

「よそでイナビル処方してもらったんだけど、熱が下がりません」とうちに来られるケースが散見されるんですよね。。。
うちに来る時点でもうどうしようもないんですけど。
ちゃんと吸入できなかったのか、それとも吸入はちゃんとできたんだけど、
インフルエンザウィルスちゃんの方が強かった(タミフル選ぼうがなにしようが差はなかった)のかすらわかりません。

どうしてもタミフルに抵抗のあるお母さんもおられますので、
絶対タミフルはイヤと訴えられた場合は、仕方なくリレンザ(1日2回×5日間)にしてます。
それでも上手に吸入できるかどうかは、年齢に関係なく、ほんとその子次第。
まあ、結局うちでは、たいていタミフルにしますと言ってもらってますけどね(言わせてしまってるのかな^^;)。

検査しまくり薬処方しまくりで、耐性ウィルスの懸念が強くなるのも重々承知です。
それでも理想と現実の狭間で悩み揺れ動きながら、インフルエンザと付き合っていかないと仕方がないのです。

早く夏にならんかな~(´・ω・`)
コメント
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