マキノ病院小児科ブログ

小児科からのお知らせです

続)インフルエンザ(2015)

2015年01月21日 | 診療
結局無駄に長文です。
読み飛ばしてくださいm(o´・ω・`o)m




例えば日曜日の昼前に熱が出ます。

インフルエンザでなかったら、年齢問わず、まあまあ元気そうなら、
ほぼ風邪なわけです。

わざわざ時間外受診しないとあかんやろか?をゆっくり考えてみても損はなし。
熱がある割に落ち着いていたら、あわてて病院に走らんとあかん理由は少ないかと。

まあそらいきなり元気なくぐったりで顔色悪いとか、
吐いて吐いてとか、おかしなサインがあったら話は別ですが。

基本的に子どもは比較的熱には強いですからね。
発熱1、2日でばてることの方が本来少ないはず。

ところが。
インフルエンザだけは話が変わってしまいました。

もちろんインフルエンザといったところで、基本は風邪と同じなので、
10年ほど前なら5日ほど寝込んで治すのが当たり前だったんですよね。

ところが、アマンタジン(シンメトレル)というA型用の薬が使えるようになり、
その後タミフルも登場し、さらに引き続いて、吸入薬や点滴薬が続々と誕生。
病初期なら治療効果が期待できるという時代になってしまいました。

しかも、迅速検査も年々進化。
以前と比べると、発症からそこそこ早めの受診でも陽性と出ることも多くなってきています。

でも検査にも限界があり、個人差も大きいので、
じゃあ今現在、いったい発症からどれくらいで受診したらいいの?
は相変わらずまっとうな答えがありません。

症状の程度にも左右されますが、自分的にはもう「運」やなとも常々思っています。
もうやってみるしかありません^^;
陰性やったっても喜べないどころか、痛かっただけでより泣けてくると(ノД`)シクシク

ただ、周囲からの感染が明らかな状況であれば、
ぶっちゃけ半日以内でも十分に、みなさん、バシバシ陽性をたたきだしてくれちゃいます。

ついでに、余計に話をややこしくしておくと、
感染起こす可能性のある環境にあって、
臨床症状的にインフルエンザでおかしくない場合、検査陰性でもインフルエンザなんですよ。

逆に症状的にインフルエンザっぽくない極軽症のインフルエンザまで、
検査でサクサク拾い上げてしまうんです。
ちょっとした風邪やと思って受診してしまうと、検査しません!で通さないとやばいことに^^;


そして話は冒頭の日曜朝の発熱に戻ります。
もちろん、月曜の朝までしっかり様子見て、朝一でかかりつけ受診で問題はまったくありません。

でも夕方に時間外受診して、インフルエンザと診断されて投薬受けるのと比較すると、
半日ちょっとの差がありますね。
この差をどう考えるかはおそらく人それぞれ。

じゃあ、土曜の夕方に発熱したら?
3連休中だったら?
などなどもういい始めたらキリがなくなってきます。

しかも、この時期はどこを受診しようにも、患者さんであふれかえっているでしょう。
長いこと待って、ようやく検査受けたけど、悲しいことに陰性でそのまま帰される可能性も。

そんなこんなをひっくるめてみんなでどう対応していくか個別相談するしかありません。
時間外で受診しないとダメですか?にはうまくお答えできません。

熱ならみんな検査、抗インフルエンザ薬ってどうよとも常々思っていますが、
それでも出席停止にも関わってきますので、
インフルエンザっぽいのに検査しないわけにもいかず、
わかったら抗インフルエンザ薬なしを選択するには、
余程の保護者医師間の信頼関係と納得、そして覚悟が必要と思ってます。
ぞろぞろ熱の子が受診する中で、そこまで時間をかけて話を。。。は現実的に難しい時も多いですよね。

しかも。
初日、2日目は比較的軽症だとしても、
4,5日目経つとやっぱりしんどくなってくることもままあります。
そのまま元気で終わることもありますけどね。
そうなると、心配やわ、薬もらっときゃよかったになるわ、いつまでも出席停止長引くわ。。。ってなりかねません。

で、保護者さん。
どうしましょうね?ってことです。結局。

検査する前も、結果が出てからも、短いなりに、それなにには説明もしてるつもりですが。
検査しまくって薬だしまくっているように思われつつも、
一応、それなりに悩んでるんですよ~というお話でした。

インフルエンザなんて大嫌いやぁぁぁぁヾ(`Д´)ノ゛



最後までお付き合いくださった方はお疲れさまでした。
コメント (1)
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