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不可思議的兒歌《娃娃國》(奇妙な童謡「お人形の国」)

2018年04月04日 | 日々の日記帳
本日4月4日、台湾の「兒童節」(子供の日)にちなんだお話。

あるとき、台湾の帰省中に、実家のカラオケセットで、姪っ子が「娃娃國」を歌った。「あ~、懐かしい曲だな」と思って聞いていた。

日本に帰国後、しばらく経ってある日、あのかわいかった歌声とともに、歌詞が脳裏によみがえった。「機關槍達達達,原子彈轟轟轟」。...ん?原子彈って、日本を降伏させ終戦に導いたあの原子爆弾のことだよね?まさか、童謡にそんな歌詞が...?

不思議に思いながら、ネットで歌詞を検索。やはり「原子彈」で合っていたんだ。バージョンによっては「原子砲」だったり。しかし、日本では冗談でも言っちゃいけない放送禁止用語が、どうして平然と台湾の童謡に入ってるのか、今更ながら気がついて、衝撃を受けた。


いろんなバージョンがあって、声が一番かわいくてわかりやすい動画を選んでみた。

【歌詞】(日本語:筆者訳)
娃娃國 娃娃兵 金髮藍眼睛
娃娃國王鬍鬚(鬍子)長 騎馬出王宮
娃娃兵在演習 提防敵人攻 
機關槍 達達達 原子彈(原子砲)轟轟轟
(お人形の国 お人形の兵隊さん 金髪に碧い瞳
お人形の王様はおひげが長く 馬に乗りいざ王宮の外へ
お人形の兵隊さん 敵の侵入の演習中
マシンガンタタタタ 原子爆弾ドカンドカン)


(二番も存在するようだ)
娃娃國 娃娃多 整天忙做工
娃娃公主很可愛 歌唱真好聽
娃娃兵 小英雄 為國家效忠
坦克車 隆隆隆 噴射機 嗡嗡嗡
(お人形の国 お人形がいっぱい 日夜労働に精を出す
お人形の姫様はかわいい 歌声がきれい
お人形の兵隊さん 小さなヒーロー 國に忠誠を尽くす
戦車がゴーゴー 戦闘機がブンブン)


軽快なテンポとは裏腹に、敵やら、兵器やらで、子どもたちが歌うのにふさわしい内容とは程遠い。時代背景を探ってみよう。

兒歌《娃娃國》作曲家陳榮盛紀念展開幕(自由時報2016-10-12)の作曲家没2年後記念展の関連記事によると、氏は民國39年(1950年に)師範大学を卒業後に、当時子供たちのための歌が少ないことに鑑みて、1952年以降に制作した曲だそう。

年齢的に日本統治時代と第二次世界大戦を肌で感じ、日本が突如祖国から敵国になり、対戦国だったアメリカが同盟国になった時代を目の当たりにした世代であった。

時代に翻弄されながら、いろんな矛盾を消化しきれいないまま教育の現場に立たされた陳氏。時は戒厳令下。目の前は、いずれ中国に戻り、大陸の同胞を苦しみから解放する責を背負わされる子どもたち。せめて軽快な曲調にして歌わせようという、教育者のやさしさかなと、勝手ながら思いを馳せてみた。

そして当時最強の兵器である原子爆弾。それを賞賛するかのように歌詞に登場させたのも、時代の象徴かな。

いまの世の中からすればかなり奇妙な歌詞だったが、時代背景と照らし合わせれば、意外と納得がいく。

思えば幼い頃は、歌詞の意味をまったく気にも留めず、軽快なテンポに乗ってみんなで楽しく歌った記憶だけだった。童謡とは言え、大人の都合で、危ういものになったりもする、なんて思ったりして...。

ところで、台湾で作られたオリジナルの曲だから、なにも「金髪で碧い瞳」の設定は必要がないだろう。当時戦争に勝って最強の国となったアメリカをイメージしてのことか?やはりどっか不思議な曲だ。



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