1990年6月21日発売
作詞:作曲 浜田省吾
今日は大型台風12号も去り、涼しい風が部屋の中に吹きわたり過ごしやすい日です。
そろそろ夏も終わリ、季節は秋へと変わっていくのですね。
この頃になると、浜田省吾さんの「夏の終わり」という曲を口ずさみたくなるのです。
私が浜田省吾さんの歌に出会ったのは10年ほど前で、「路地裏の少年」を聞いてからすっかり
ハマってしまい、CDや雑誌などはもちろん「省吾辞典」までも買い揃えたほどです。
ですから省吾さんの事は、かなり知り尽くしているつもりです(笑)。
そんなわけで特にこの「夏の終わり」は、省吾さん自身が作品に反映されていると感じる曲でも
あります。
当時この曲を聴いた熱心なファンは、省吾さんが引退するのではと思ったそうです。
冒頭の「♪サンディエゴフリ-ウェイを 南に走ってる」を聴くとドライブソングのようですが、実は
引退を窺がわせるような、かなり重たい内容の歌詞なのです。
この曲の主人公(省吾さん?)は大学を中退、その後音楽の道に進み成功。
富、名声、欲しいものはほとんど手に入れた。
でもそのために、沢山の人を傷つけてきた。
そんな自分を責める、もう一人の自分との葛藤。
♪ もう誰の心も 引き裂くことなんてない
手に入れたものみんな 失ったって 構わない
残された僅かな時間 静かにひとり暮そう
潮風と波の音を枕に ひとり暮そう
私自身も今日まで60年近く生きてきましたが、この歌詞のように何度か何もかも投げ出したいと
思ったことがあります。
人生は楽しいことばかりではありません。
むしろ苦しいことのほうが多いのではないでしょうか。
「大変」という字は、大きく変わると書きます。
大変なことを乗り越えるたびに、人はより強く優しく生まれ変わっていくのだと思います。
省吾さんもこの時期は、お父様がお亡くなりになったり、いろいろ重なって苦しい時期だったと後
に語っています。
この苦しい時期を乗り越えたからこそ、今の浜田省吾さんが存在するのではないでしょうか。
♪ サンディエゴフリーウエイを 南へ走ってる