床に隅田川香合を飾って、
桜の開花を今日か明日かと待っています。
初めの予想よりずいぶん遅れていますね。
二日後にお花見の予定を入れてあるのですが、
どうやら花より団子になりそうです。
「清水へ祇園をよぎる桜月夜 こよひ逢ふ人みなうつくしき」
このような歌に、気持ちがとろりとするような春爛漫は、もうすぐ。
気の早い友人たちと、藤の花見の予定まで立てています。
ゆっくりと訪れた春は、足早に過ぎていくでしょうから。
「小布施に行きたいですね。」
「そうね、ついでに善光寺にも寄ってみるのもいいし。」
そんな話で盛り上がっていたのですが、
それが実現することになりました。
お若い社中の方と二人ずれです。
少しよたよたしている私とお付き合いくださるなんて、
なんと奇特な方でしょう。
もう宿も予約しましたから、決行です。
五月の空の下、葛飾北斎と、栗のお菓子を楽しんできましょう。
四月の稽古は、旅箪笥を出し、透き木釜を掛けて、
炉の季節を惜しみながら過ごしましょうか。