「松風庵日記」 心はいつもお茶日和  

後半の人生の楽しみ方見つけましょう!

一滴といえども・・・利休の逸話より

2014年04月11日 | お茶三昧

細川家茶道具より


これも利休の逸話です。
「秀吉公の御前で、利休と天王寺屋宗及とが順番に点前を披露するように
命じられた。その時利休は何事もなく点前を終えたのであるが、次に点前
をした宗及は、心中おやかならざるところがあったのか、天目台の端に柄
杓の熱湯のしずくを落としてしまった。
このことで、『利休は宗及に勝っている』と秀吉公は判定なさり、以後は
利休の茶法を聞かれるようになられた、ということである。
名物の天目台には、熱湯のしずくの跡がついて疵物になってしまったと、
これも細川三斎のかたったことである。」
(筒井紘一著 「利休の逸話」より)

たった一滴のしずくが、歴史を変えたのでしょうか。

名物に「しずく」で、残念がっていた細川家ご先祖。
その天目台というのはもしや、は上の写真の一つでしょうか。

しずく一つにも心の有りよう、点前の有りようが表れてしまうのですね。

炉縁や畳や、台にしずくを落として、
「すみません~」と拭いている皆さん、
私も含めて、ちょっと身が縮む思いですね。

名物でなくとも、しずくの落ちないお点前を目指したいものです。



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ひねもすのたりのたりかな

2014年04月10日 | お茶三昧


   春の海ひねもすのたりのたりかな  

こんな句がぴったりの一日でした。
お菓子は懐かしい『きみしぐれ』
最近はデパートの中の、老舗和菓子屋さんの凝りに凝った和菓子がたくさん出回っていて、
こんな定番のお菓子は街中の和菓子屋さんでしか手に入らないようです。

でも最近そんな和菓子屋さんが少なくなりました。
私の地元の和菓子屋さんがも、この十年で二軒なくなりました。
そしてもう今は遠くまで足を運ばないと、
お稽古のお菓子も見つけられなくなりました。

ちょっとお菓子が欲しいからと、買いに走るということもできず、
何日も前から、計画的に用意しておかなくてはなりません。

最近、ぬれ甘納豆をいただきながら、想像が膨らんで、
「『かのこ』もたまには食べたいですね。どこに行けばあるかしら」
そんな話をしたりしましたっけ。


(写真はイメージです^^)


今度心当たりのお店に行って、
美味しい和菓子の「かのこ」を見つけてこようと思います。


今日は午後の方はちょっと長いお点前に挑戦。
ぽかぽかとした春の暖かな一日です。
静かに続く長いお点前に、お客さんは"こっくりこっくり"
私は意識してちょっと大き目な声で、
「そうそう、そこはこうして・・・」と目を覚まさせようとしましたが、。
でも一瞬正気に戻っても、またまた睡魔は襲ってくるようで。

ああ春だなあと思いました。

はるか昔、利休さんも、
お点前中に眠そうにしているお客様がいたとき、
わざと茶碗の縁で大きな音を立てたとか。

そんな長閑な話をしながら、ひねもすのたりのたりかなでした。


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細川家の茶道具

2014年04月09日 | お茶三昧


何十年かぶりに引っ張り出した本。
何しろ大きくて重いので、本棚の下のほうで眠っていましたので。
手に入ったのはもう三十年以上も前です。
何がきっかけだったのでしょうか。
きっとさっと眺めて、まだ機は熟していないと、
その後はあまり手にとることもなかった本です。
というよりも持っていることを忘れてしまっていたというところです。

永青文庫に行って、細川家の茶道具を見る機会はありましたし、
他の場所でも、有名な道具は目にしました。
かといってこの本を開くきっかけにはならなかったのでしょうね。

それが先日のお茶会で拝見した「南蛮の芋がしら水指」が、
細川家所蔵の水指に姿が似ているという説明をうかがって、
なんだかそれを確かめたくなりました。
今度機会が会ったら見に行こうかしらと。

そんな気持ちでいるときに、ふとした拍子に、本棚のこの本が目に入ったのです。
奇遇ですね。
何年も目に入らなかった本なのですよ。

「わあ、こんな本を持っていたんだは」


南蛮水指 銘「利休いもがしら」南方アジア 16世紀


早速開いて見つけました。
「利休遺愛の品として。記録にもたびたび出てくる名物で、
『南方録』利休茶湯日記、三月晦日の条に大友義統を招いた席で、
円座肩衝茶入とともに使用されているし、他の会記にも出てくるから、
利休はよほど好んだのであろう」と説明があります。

今日は予定していたお稽古の方が都合が悪くなったという連絡で、
空いてしまった時間に、そのまま最後まで一通り眺めてしまいました。

こうして改めて、開いてみると、
さすがに30年前とは違って、目にした道具も結構あり。


千利休作茶杓 銘「ゆがみ」 桃山時代


唐物茶入 銘「利休尻膨」  中国 宋時代


千利休作 瓢箪花入 銘「顔回」 桃山時代


等々たくさん見つけました。

やはり実物を見てから、こうやって思い出すことが楽しいのですね。
やっとこの本を開く機が熟した様です。


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アークヒルズの庭園

2014年04月08日 | 日記


アークヒルズ庭園で




神谷町から六本木へ。
道すがらには桜も。
清々しい風が流れる道でした。

先日のお茶会の帰りに、美味しい点心を頂いた後の腹ごなしに、
そのまま六本木のアークヒルズまで歩きました。

アークヒルズとその周辺には7つの庭があるそうです。

通常非公開のサントリーホールの屋上、
ルーフガーデン、ローズガーデン、
日本原産の植物を集めた「フォーシーズンズガーデン」など。

日本の植物のある庭園によると、沢山の春の花々が、迎えてくれました。
まだまだ小さい芽ですが、
一つ一つを眺めては思わず歓声を上げてしまうほど。

都会のビルの屋上にこんな場所を見つけると、
ビルの街東京も捨てたものではないですね。
特に中心地に、緑を少しでもという試みを目にすると嬉しくなります。
まったく自然のままというわけにはいきませんが、
都会に住む人々を楽しませてくれています。
最近は私のように郊外に住む人間が、
季節を感じさせるイベントを見たくて、わざわざ出かけて行くくらいです。
また新緑のころに近くまで行く機会があったら寄ってみたいです。
皆さんも一度どうぞ。

東京オリンピックが決まった今、
これからの自然を取り込んだ街づくりに、期待したいですね。



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葵会茶会へ

2014年04月07日 | お茶三昧

お天気が荒れ模様という昨日「葵会」のお茶会に。
場所は神谷町の大橋茶寮です。
淡々斎の頃の裏千家の東京道場で、今は文化財に指定されています。

込み合うことが予想されたので、待ち合わせは9時にしました。
それが功を奏して、一番目の席に入ることができました。
一グループ20名で移動ということになっていました。
濃茶席は筒井紘一先生、薄茶席は奥様がご亭主です。

この人数ですので、如庵写しの茶室には全員入ってお茶は無理ということで、
別室にて、濃茶をいただき、
お席ではご亭主の筒井紘一先生のお道具のご説明をうかがいました。
写真撮影も、メモもはばかられますし、それに会記もありませんので、
しっかりと目と肌で道具の素晴らしさを感じてきました。
こうなると集中してかえって心に残るものですね。

それでも忘れてしまうことも多いので、新鮮なうちここに、
頭に残っているものを記しておきます。

濃茶席は呈茶席で桜、薄茶席は牡丹の花が。
本席にかけられた「暮春」の軸が、この花の移り行く姿と、
春から初夏への時の流れを感じさせていたように思います。

水指は南蛮芋頭。
釜は芦屋のかなり古いものと。
茶入れは伊賀。
茶碗は古伊羅保で、内刷毛の景色も見事でした。
替えが古萩。

薄茶席は、紹鴎棚でのお点前でした。

床は軸と花と香合がすべて牡丹で、牡丹尽くし。
格の高い組み合わせで、多くの道具をお持ちでないと、
こうはいかないと、うらやましい限りでした。

脇床には、淡々斎宗匠への献茶が。
これは毎日欠かさずときいています。

棗は嵯峨棗の柳。初めて間近で手に取ってみることができました。
濃茶席のしつけ棚には桜がか飾ってありましたが。

茶碗は一入の黒、替えが一元の赤です。
これもどちらも手に取って拝見することができました。

ご亭主のお人柄で、どちらのお席もフレンドリーに和やかに。
お道具のご説明もとても詳しくて、印象に残りました。

11時前には点心をいただくことができ、
午前中で全て終えることができました。
朝早くからの濃密な時間があっという間に過ぎたような気がします。
自分の普段のお茶にはありえないような世界のお茶ですから、
夢のような一時といって良いでしょうか。

撮れた写真は、慌てて撮った食べかけの点心の一部だけでした。

たっぷりと残った時間は、そのまま六本木方面まで、
名残の花見をしながらそぞろ歩きです。


アークヒルズの桜のオブジェ




ウコン桜




イベントの賑わい

アークヒルズのお庭で花を楽しみ、
広場でのイベントをちょっと覗いて、
荒れ模様という天気予報が心配で、速めに帰路につきました。

明日からまた身の丈に合ったお茶生活を楽しみましょう。



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今年の山芍薬は

2014年04月06日 | 日記
暖かくなりると、
ベランダの小さな庭の散歩が楽しみになりました。


山芍薬

小さなつぼみがあります。


姫空木

これにも、たくさんのつぼみを見つけました。


木槿

枯れてしまったのかと思っていたのに。


紫蘭

去年いただいて、植えたものです。

日に日に伸びている姿に、目を見張ります。
桜の咲くころから、負けじと元気になりました。
草木には、待たせる時間と、太陽が、ちゃんと必要なのですね。

心なしか今年は、皆ゆっくりしているような気がしますが。



三年前の山芍薬

これは同じ鉢で毎年花を咲かせる山芍薬ですが、
三年前の4月21日の姿と比べると、
今年は同じころにどのくらいの姿かしらと。
今の季節の半月は、育ち盛りの半月ですからね。
きっと負けないくらい大きなつぼみになっていると期待しています。




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清明

2014年04月05日 | 日記


「桜のお菓子も、桜の道具も今週いっぱいね。」といいながら、
花の時期の早く過ぎゆく事を惜しみながらの今日の稽古でした。

四月五日は二十四節気の「清明」です。
天地がすがすがしく明るい空気に満ちるという。

みずみずしい季節の到来をこう呼ぶ日本人の感性に、
よくぞ日本人に生まれけりです。

最近入学式で桜を見られることが少なくなったといいます。
思えば入学式の記念写真は、校庭の桜を背景にということが多かったような。
温暖化の影響で、100年後には、東京では桜が咲かなくなるという話を聞いて、
二十四節気も、実感を伴わないむなしい言葉になってしまうのでしょうか。

お茶で味わう季節感も最近は随分ずれてきていますね。
特に和服の決まりは、守るのが難しいです。
四月でも単衣が着たいほど暑い日が多くありますし、
五月はまだ袷などと言って頑張るのは、大変な時もあります。

そのために私は、袖口は袷になっていて、胴は単衣という
中抜きの着物も作ってあります。
そろそろお茶の着物の季節感も、ちょっと見直す時が来たのでは。

「清明」と呼ばれるつかの間の季節を、
日に日に芽吹く木々を眺めながら過ごしたいですね。



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透木釜と桜川地紋

2014年04月03日 | お茶三昧


四月に入り、早速お出ましの透木釜です。

こうやって季節の道具が代わる代わる出てくると、
もうそんな時期なのかと、皆さん驚かれます。
私も、ついこの間片付けたばかりなのにと言いながら、
出したりしまったりです。

「お稽古に来てやっと季節感を味わえます」という方もいらっしゃるので、
私も頑張りがいがあるのですが。

三月、四月と、五徳のいらないお釜が活躍します。
こんな時は蓋置は五徳を使って楽しむのも良いですね。

透木釜というと、桜川の地紋がよく使われます。
桜の咲く四月に使うお釜ですから、ぴったりの地紋なのですね。



この地紋は、「桜川釜」から来ています。
利休から少庵、宗旦と、西村道仁作の「桜川釜」というものが伝来していて、
千家名物となっています。
胴の中ほどに桜の花弁が散って網にかかっていて、
桃山時代の釜の意匠としては大変斬新なものだということです。
残念ながら我が家の透木釜の地紋は桜川ではありませんが。

今日の雨で桜も散り始めたようです。
「花散らしの雨」とは言い方は風流ですが、
心無い雨とも言えますね。

「花散らし」には別の意味もあるとか。
でもまあ今日の雨は、花を散らす無粋な雨ということにしておきましょう。



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こよひ逢ふ人みなうつくしき

2014年04月02日 | 日記
   


     清水へ祇園をよぎる櫻月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき

「みだれ髪」のなかの、あまりに有名な与謝野晶子の歌ですが、
清水・祇園・桜月夜・・・言葉を聞いただけでも幽玄の世界に誘われます。
桜の季節の締めくくりは、やはりこの歌で。

桜月夜は「はなつくよ」と読むそうな。
ライトアップばやりのこの頃ですから、
夜桜の眺めも、昔とは違ってきたでしょうね。
雪洞や、提灯の下を行きかう人々の華やぎと憂いが、
何とも美しく浮かび上がって見える光景が懐かしくもあります。
あまり夜遊びをしなくなりましたので(ホントかな)夜桜見物はご無沙汰ですが、
この歌で、今までのたくさんの出来事がよみがえり、
それだけで楽しめるようになりました。
思い出は多いほど良いですね。



先日の「茶入荘り」のお稽古で目にした古帛紗。
この方もお母様から譲られた古帛紗だということ。
自分の若い頃使っていたものを娘が使ってくれるなんて、
母親にとっては嬉しいことなのでしょうね。
裂地は「獅子狩文錦」のアレンジのようです。

花開く季節には、こんな若い方の古帛紗が似合いますね。


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四月から記憶力アップ!

2014年04月01日 | 日記


「去年いただいた鉢の花が咲いたけど、名前は・・・」
ちゃんといただいた時には聞いたはずですが、思い出せません。
もう一度聞いて「そけい」とわかりました。

この時期に咲く黄色い花はレンギョウが代表的ですが、
この「そけい」とやらも、なかなかいいですね。

四月に入り、気分も新たに何か新しいことをと、ふと思いついたことが「アロマ」です。
それも「記憶力」を回復するアロマです。


テレビの番組で紹介されてから、同年齢のお稽古の方たちと話題に上ったりしましたが、
実際に試したという話は聞いていません。
医学的にアロマ療法としてききめがあるという根拠があるようですので、
ちょっと試してみようと、オイルを手に入れました。
ものぐさですから、ちゃんと調合された、朝用と夜用の二種類です。
それぞれを朝晩、二時間ぐらい香りを嗅ぐとよいそうです。
香りが神経を刺激して記憶力のアップにつながるとか。

老化とともに進む記憶力の減退をどれだけ防ぐか。
皆さん期待して見守ってくださるそうですので、
その効果のほどは、私が身をもって示さなくてはなりませんが。
記憶力がアップしたかどうかはどうやって示せるのかしら。
自覚症状なんてわからないですよね・・

ひとまずこの一瓶がなくなるまでは試してみようと思います。
続くかしら…
毎朝のコレステロールのクスリも飲み忘れる私ですから、
「あっ今日はアロマまだだわ」となるでしょうか。
稽古のある日はお香をたく前にしなくてはならないでしょうし。
一緒に始める方と、効果を感じあえることを祈って、やってみます。

まあ、とにかく四月は何か新しいことを始めたくなる月なのですね。


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