「唐衣」という銘が五月に使われます。
使われた方に、なぜですかと聞くと、
「・・・・・」
この銘から連想するのは「杜若(カキツバタ)」ですね。
「伊勢物語」の東下りの名場面です。
~東国の方へ、業平が友をひとりふたり誘って旅に出た。
三河国の八橋という場所に着くと、川のほとりに杜若が、
心惹かれるほど美しく咲いていたのを見て、
「か・き・つ・ば・た」という五つの文字を、
それぞれの句の一文字目に据えて、旅の心を読もうと詠んだ歌~
唐衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ
この歌の頭の唐衣なのですね。
こんなきれいな八橋の蓋置も、今を逃すともう使えませんね。
そんなわけでもありませんが、お干菓子にと、
昨日デパ地下で「八ッ橋」を久しぶりに買ってきてしまいたした。