グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

遺跡勉強の会

2010年11月28日 | 歴史・文化
今日は日曜に火山の事を載せている西谷が目の調子を悪くし、PCを見るのがつらいので代わりに鴻池が書いております。
必然的に火山の事はお休みになりますので、楽しみにしていた方がいらっしゃいましたらごめんなさいっ。
今日は古~い話にお付き合いください!!

時は遡り、縄文時代・・・。
大島にはすでに人が住んでいたのです!
同じく、ご近所の島々にも人はその頃から住んでいたようですね。
すごいなぁ~。
やっぱり、人がまだ行かぬ所へ、行かぬ所へ、行きたくなる性分の人がその頃もたくさんいたのでしょうね。

そして、大島や他の島に生活の可能性を見出し、家族を持って集落を築いていったのですね!!
はじめ人間、すごいぞ!!

ここ大島では、島のどの地域を見ても遺跡が発掘されております。
てことは、すでにそんな時から、険しい野山を越えて「俺はあっちの山に住む」みたいな縄張りがあったのでしょうか?
あ、山を越えるというよりは、きっと船で次の上陸しやすい海岸、みたいに場所を広げていったのでしょうね。

遺跡を巡るうちに、その頃の人達の生活にこんな想像を膨らませ、わくわくしました!

さて、導入が長くなりましたが、とにかく遺跡巡りツアーをスタートさせましょう♪
今日は西谷とともに教研の歴史勉強会に参加してきたのでした。

まずは郷土資料館に集合し、主催者挨拶。


この会は、学校の社会科の先生を中心とした研究会としての活動で、島の先生が参加できるものです。
この度、大島がジオパークに認定された事で、私達エコ関係者も少しお呼ばれして参加出来たのでした。
60名近い方の参加で、「大島で、お祭り以外でこんなに人が集まるの、初めて見たかも!?」と思うような賑わいでした。


さっそく中に入り、土器など発掘されたものを見て回ります。


一見、ただの、よく海岸にある丸石に見えますが・・・
よく見ると上部が黒光りしていますね。
「さわってみて下さい」と言われ、触っている人の図↓

「おぉ、つるつる!!」

これも実は立派な石器なのです。
種などをでしょうか、すったりたたいたりする為の、すり棒の役割ですね。
下にも違う平らな石を置いて、そこに何かしらの粒を置いて砕いていったのでしょう。


これは、「かめかん」というらしいです。
瓶の形の棺、です。
泉津の村中から見つかりました。
人を葬った証拠物は大島でこれが唯一だそうです。
生活の痕跡ならいくらでも見つかるけど、死の後はどうしていたのか、というのを探る
唯一の品として、とても価値があるようです。

これは、使い古した土器をリサイクルして作っているようで、ふたの部分も違う質感になってます。
それにしても、ここにまるまる死体が入る大きさではないですね(私でも入らない)。
どうやら、死体を一度外で腐らせ、骨にした状態で中に詰めて埋葬していたようです。

すごいなぁ。
脈々と受け継がれる、人の埋葬。
見送る心は今と同じだった事でしょうね。

なんだか妙に心に残った品でした。

次へ行きましょう。

お馴染みの、海。
ダイビングポイントとしても使われている「ケイカイ」です。
こんなにごちゃっと先生がたが集まって熱心に聞いておられます。


このように道路下には断層が見えております。
おや、誰か上のほうで一生懸命掘り始めましたっ。
なんと、土器が見つかったようです!
遺跡の勉強会が、遺跡発掘会に変わってしまった瞬間でした^^
この後、別の個所からも出土品があり、好奇心旺盛な先生がたもとっても楽しそうでした♪


さて、関係者2人に手伝ってもらって撮影したこの写真には、二つの時代の層が見えております。
下で指さしてもらった先にあるのが弥生時代、そして上で枝で指してもらったのが古墳時代です。
どちらの層からも、「掘ればまだまだ出て来るよ」なのだそうです!
あ、ここで一つお知らせです。
私自身も今日初めて聞いた事なのですが、こういう所から見つけた土器や石器、生活の痕跡物は、すぐに町の教育委員会へ届けなければいけないのだそうです。
情報を受け取った町はそれを引き継いで細かく研究し、いつの何なのか、はっきりさせていくのだそうです。
今日見つかった品々も、すぐに袋にしまわれ、教育委員会へと提出の段になりました。

どうしたら良いのか?も分かったことだし、一つぐらい自分で見つけ出してみたいですね(^^)/
島のどこにでも住んでいたらしい、と言われる大島では、まだいくらでも遺跡発掘のチャンスがあります。
今度はそんな目で土壁を眺めてみるのも楽しいかもしれませんね!


あ、そうそう、ここは真水が湧き出して海に流れ込んでいる場所です。
以前、レッドデータ調査の話でも登場していますね。

「そこの水、しょっぱくないから飲んでみて」と言われ、飲んでみました。

ほんとだ~、海の水ほどしょっぱくない!(そう、潮汐により混ざってしまうので、さすがに水道水とまではいかない)

真水がすぐに手に入る場所、という事で人の住める場所だったのですね!!
なるほど~・・・!
昔の人の暮らしをイメージしやすくなった瞬間でした。


さてさて、最後は泉津の鉄砲場岩陰遺跡という所です。

ど~ん。
大きな落石がありますね。
上から落ちた岩盤が、ちょうど玄関のように洞穴入口に立ち、波の侵入を防いでいるのだそうです。
中に入ってみると・・・
温かい!!
ほんとだ、これなら住めますよ^^♪超~快適!
今でも時々、釣り人さんが暖をとりにくるそうです。わかるわかる~♪
トップにある画像が、そこから外を覗いた風景です。
こんな所で海を眺めながら生活していたのですね。
一泊ぐらい、体験してみたくなりませんか~^^

泉津(せんづ)という集落名の由来はまさに「水が集まる」の意味そのものです。
きれいな水が近場で手に入ったのですね。
なので、とても狭い範囲にたくさんの住居跡が見つかっているそうです。
そっか、ではその頃は元町なんかよりもだんとつ、泉津のほうが栄えていたのですね!!

それと、岡田地区では今はゴルフ場になっている場所から昔の生活痕が見つかっており、昔から人は
眺めの良い場所に住居を構えていたのだ、という事も知る事ができました。


単純な話ではありますが、そんな「なるほど!」もたくさんあって、とても充実した勉強会となりました。

お誘い下さった講師の先生に感謝申し上げます。

一緒に歩いてみたくなった方!
ぜひ、お気軽にお声かけくださ~い(^^)/

(友)











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