グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

目線を変えて歩いてみれば・その1

2018年05月27日 | ツアー
一昨日と今日、長野県からいらしたご夫婦と歩いてきました。

お2人とも、本格的登山にも時々出かけているとのことで、ご主人は「トレーニングのため」と、宿泊用の大きな荷物を背負って参加!(驚)

これだけでも初めてのパターンだったのに、歩き始めてすぐに「キリマンジャロみたいだ」という感想が聞かれて、またもやビックリしました!(登ったことがあるとのこと)

舗装された遊歩道を歩いている時、奥様が「道がいっぱいありますね」とおっしゃったのにも驚きました。

確かにキョンが歩いたと思われる“けものみち”が藪に向かって何本も伸びていますが、“キョン目線”で歩かないと、絶対に認識できない道です。

不思議に思って学生時代の専攻を訊ねたら…
奥様は大学時代、鹿の食害を研究されていたのだそうです。

生き物が大好きな奥様と、遠くにいる小さなものを発見してくれるご主人。
そんなお2人とのツアーは当然…

こんなシーンを見つけて喜んだり…


真っ黒いイモムシが「素敵!」と盛り上がったり…

イモムシは“メイガ”の仲間ではないか?とのこと。(by願法)

「(溶岩の中の)結晶がお星様みたい!」と見とれたり…

広い景色とともに、足元の小さなものの観察を楽しみながら歩きました。
白い点が鉱物の結晶だという知識を持った上で「お星様」が見える感性が素敵ですよね😃

この日は、1日晴れの予報でしたが、なにやら怪しげな雲がウロウロしていたので、先に火口を見て、いつもと違う場所で風を避けてのランチタイム。

大きな石がゴロゴロしていて座り心地は悪いのですが、景色は楽しめました。

しかし食事が終わる頃、白い霧がやってきてアッという間に火口を隠し…

しばらくの間、何も見えない霧の中の行軍となりました(^◇^;)
(先に火口を見てからランチにして良かった〜)

三原山を下ったところで、ようやく視界が開けてきました😃

まだ背後には、風に流されて猛スピードで移動する白い雲がウロウロしていたけれど…

裏砂漠でお茶を飲む頃には、青空が広がりました!

空に向かって投げた小石が強風に流され、野球の変化球みたいに曲がるのを見て、盛り上がりました😃

この日はお2人に様々なことを教えてもらい、本当に「発見!」の多い1日でした。

発見・その1
鳥に見える溶岩は、雷鳥ではない!

上の写真奥に見える溶岩は、今まで「鳩に見える」という意見と「雷鳥に見える」という意見がありましたが「雷鳥はもっと首が長い」のだそうです。お土産にいただいた、お客様の地元のお菓子を見て納得しました(笑)

発見・その2
ハナムグリは、翅には花粉をつけない。

お客様に指摘されて気づきました。
胸や足が真っ黄色なのに、翅はあまり花粉がついていないのは、飛ぶ時重くないようにでしょういか?それとも、翅を動かすと落ちちゃうからでしょうか??

発見・その3
裏砂漠には、コモリグモの子どもが成長中。

体長5mmぐらい。お客様が見つけてくれました。
大人になって誰になるのかは不明(スズキコモリグモになりそうな予感も…)

発見・その4
樹海の中で、キョンの通り道脇にあるベニシダは、食べられているものが多い。

これもお客様の指摘で気づきました。

健全なベニシダも残っているのは、まだキョンが好きなものを選んで、通り道周辺でだけ食べている段階だからだろうとのこと。この先もしも個体数が増え、食べ物が少なくなれば、あまり好きではないものも食べるようになり、さらに食べるものがなくなれば、やがては小型化するのではないか?とのことでした。

発見・その5
裏砂漠にアブラシバ?

裏砂漠のハチジョウイタドリの根元に、見たことのないカヤツリグサの仲間を発見。
クリスマスツリーのような、なかなか見事な出で立ちです。

調べたらアブラシバが一番近いようでした。
伊豆大島では過去に3回、記録されているそうです。(by成瀬氏)

山地の風化した砂礫地に生えるものらしいので、環境的にはいてもおかしくないのですが、見たのは(気づいたのは)初めて。いつここに、やって来たのでしょうか?

発見・その6
ラセイタソウは、生き方を変えて火山に適応した?

裏砂漠の第2展望台がある櫛形山の西側の谷は、崖からは噴気が上がる場所もあり、崩れやすく、ここで生きられる植物は極わずか。
本来、海岸植物であるはずのラセイタソウは、その“わずかな植物”のうちのひとつです。

近づいてジックリ観察したら、今まで「地面から生えている」と思っていたラセイタソウが、実は地上に根を伸ばしていることに気づきました!


なかなか立派な長い根です。

なぜ崖の中に根を伸ばさずに、表面を這って生きているのでしょう?

表面が崩れて根が出てきたのでしょうか?
それとも地中は熱いから、表面に根を這わせて生きるようになったのでしょうか?

う〜む…今度、別の場所のラセイタソウをじっくり観察しなければ…。

…ということで、虫や植物に注目しながら歩いたことで、新たな発見がたくさんありました!

同じ場所、同じ素材でも、何通りもの楽しみ方があることを改めて感じたジオツアー でした。

ツアーにご参加いただいたF様、ありがとうございました!

(かな)
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2 コメント

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豊かな感受性 (浜田 良)
2018-05-29 09:36:04
西谷さん、ブログ面白すぎます。

私も、これらの話を受け売りして
誰かに話したくなりました。

まだまだ、身近に感性を刺激して下さる人が
この世にはたくさんいますね。

もちろんそれに気付く、
あなたの豊かな感受性もスゴイだす!
ありがとうございます!! (かな)
2018-05-29 11:01:49
浜田さん、いつもブログのご愛読ありがとうございます!

ぜひぜひ、受け売りして周りの方に話してください!それを聞いて「楽しい!」と思ってくれる人は、仲間ですね!(笑)

このお客様の翌々日のツアーは、さらにすごい発見がありました!
明後日のブログにまとめます。
お楽しみに〜😃

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