グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

森の中のジオ

2014年11月27日 | ツアー
3日前、海の常連のお客様と、久しぶりに店の近くの“愛宕山”に登りました。
どのぐらい久しぶりかと言うと…前回が4月13日なので、約7ヶ月ぶりです!

4月はシダ類の若々しい葉色を楽しみながら歩きましたが、晩秋の今、森で見られたものは?

秋は実の季節、ということで…

センリョウの実です。
元々大島にはなかったもののようですが、栽培されているので鳥にタネが運ばれたのかも?

この植物も、実を落としていました。


カラスザンショウです。

黒いタネは、サンショウに似た香りがします。

ビックリしたのはこれ。坂の途中の土手で見つけました。

丸いボールが乗った筒???

数秒間の空白の時間を経て(笑)頭に浮かんだのは『ツチグリ』というキノコの名前でした。
周辺を探してみたら、「これから出てくるぞ」という状態のものが、いっぱい見つかりました。

でもキノコの下が筒状に削られるということは、数日前の雨で削られてから、ず~っとこの状態でいるということ??ツチグリってそんなに長い間、地上に出たままで平気なのでしたっけ?

「健全なツチグリならば、雨のあとに殻が開くかも…。」

ツチグリが固い殻を花のように開くと、中から柔らかい丸い袋が出て来るはず…そして雨粒がその袋を叩くと、それが刺激になって袋の中の胞子が飛び散るはずです。

で、今日、見に行ってきました。
昨日の雨で、殻が開いているかもしれないと思ったのです。

ジャ~ン!

立派に開いていました。

袋を押したら、中から残っていた煙のような胞子が少しだけ出て来ました。

「ツチグリは秋のキノコのイメージなのに、今年は遅いのかな?」と思って、過去のブログを調べてみたら、10月初旬、2月、3月、4月に出現記録が載っていました。けっこう時期を選ばないキノコみたいです。

さてツチグリの話題はこれぐらいにして…愛宕山の散策にもどります。

山頂に到着して、一休みしました。
高いところは気持ちが良いです。

ところでここには、なかなか大きなオオバエゴノキの木があったのですが…

ヒエ~!

無惨にも、ポッキリ折れていました。
7ヶ月前は無事だったのに…台風に耐えられなかったのでしょうか?

「山頂は風があたるからキビシいよなぁ」
…ちょっと寂しい気持ちで下山を開始しました。

木漏れ日が美しい巨木の森。

7ヶ月前には、道沿いにたくさん咲いていたマムシグサの花は…


赤い実になっていました。

花は沢山あって目立っていましたが、実ができるメス株は数が少ないのでヒッソリと…。
でも、日の光が当たってキレイでした。

お客様が上を見上げて「あそこ、丸く穴が開いている。」と教えてくれました。

本当だ!
まるで森の天井の、空に通じる出入り口みたいです。

今まで何度かこの場所に立って同じ景色を見ていたはずなのに、こんなに丸い穴には気づきませんでした。

「7ヶ月前は、どうだったのだろう?」
気になったので、写真を探して比べてみました。

約7ヶ月前。


そして3日前です。

全体はほとんど変わりませんが、7ヶ月前より葉の縁がそろって“丸”に近づいていました!
考えてみれば7ヶ月の間には、新旧の葉が入れ替わったり、風で枝が折れたり、もしかしたら虫に葉をかじられたり…色々な出来事があったはずです。

雨や風や他の生き物との関わりの中で巨木達が生き、森の景色を少しずつ変えていく…
これってまさにジオですねぇ。

次に森を訪れる時、森の天井の丸い形はどうなっているのでしょうか?

また見に行くのが、楽しみです。

(カナ)

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