グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

キラウエア火山報告

2010年02月04日 | 火山・ジオパーク
鴻池に続いてキラウエア火山報告です。

私も今回のハワイ島訪問で、マウナロアやキラウエアのスケールの大きさに驚きました。
1984年に噴火したマウナロア火山は大島の約57倍、今も溶岩を流し続けているキラウエア火山は大島の約15倍の面積です。
  
あちらこちらに側火口があり、溶岩トンネルを含む火口の中を歩くコースや、
噴火後年月を経てできた森の中を歩くコースなど、さまざまなコースが作られています。
標識やパンフレットも充実していました。

こちらは私達が初日に歩いたキラウエア・イキ火口(いくつかあるキラウエア火山の火口の一つ)です。


溶岩の上に生えているのはハワイ島の代表的なパイオニア植物、火の神ペレの化身とも言われるフトモモ科のオヒアレフアです。
同じフトモモ科のユーカリは荒れ地に適応できる植物のようなので、同じような性質を持つのでしょうか?

1年中常に絶やさず赤い花をつけ、ハワイの固有種であるアパパネという鳥に蜜を提供しているようです。
荒涼とした火口とオヒアレフアの真っ赤な花の取り合わせは、ずっと私の心に残るハワイ島の風景となりそうです。

火口内で見られたオヒア以外の植物は…。

ツツジ科のオヘロ。クランベリーの仲間で実は食べられるそうです。

大島のツツジと同じように、荒れ地に適応していました。
やはりツツジの仲間は強いですね~。   

アエという名の、固有種のシダです。
他に外来種のシダもあり、真っ黒い溶岩の隙間から延びるシダ達の、元気な緑色が目立ちました。

大島ではシダはどちらかというと、ちょっと薄暗い森の中で繁殖しているイメージですが、
ここでは荒涼した日差しの強い場所に生きていました。

大島では数か所でしか見ることができない、マツバランという原始のシダ。

ハワイ島ではあちらこちらで見かけました。

コースの中には流れ下った溶岩の表面だけが冷え固まり、中が流れ去って出来た溶岩トンネルが伸びていました。
大きくて長いトンネルです。

地下には沢山このような溶岩トンネルがあるとのこと。すごいですね~。


ツアー2日目には、今も溶岩が海に流れ込み島の面積を増やし続けているという地域へ、案内してもらいました。
1983年から噴火が始まり27年間にわたって溶岩を流し続けているそうです。

今回は残念ながら流れる溶岩は見られませんでしたが、真っ黒な溶岩大地が広がる風景は圧巻でした。

溶岩を手に取ると大島の物よりとても軽く、ガスが抜けた後の穴が沢山開いていました。

玄武岩といっても様々なタイプがあるんだなぁと思いました。

そして大島では元気いっぱいのイタドリもハワイ島では少数派。
葉が細く、種も小ぶりで、オヒアレフアの木の隙間でひっそりと生きていました。

大島では溶岩の上に誰よりも早く芽生えるイタドリの、この控えめな姿は意外でした。
上陸時期が出遅れたのでしょうか?
それとも気候や土壌の違いでイタドリは生きにくいのでしょうか?

ところで大島は世界三大流動性火山の一つと言われていますが、今回圧倒的な大きさのハワイの火山を目の前にして、
「大きさの点では比較にならない…。」というのが正直な感想でした。

でも、同じ玄武岩でも目の粗さが違うことや、荒れ地に進出する植物が違うのを自分の目で見たことで、
「大島でしか語ることのできない、自然の作り出す物語が絶対ある。」という思いは強くなりました。

世界三大流動性火山というと他より勝っているというイメージですが、そもそも他より勝っている必要は無くて、
ここにしか無い、ここでしか見られないものがあるからこそ貴重なのだ、と思いました。

海底火山の噴火によって海の上に誕生した大島。
その土壌の中で、生きるために体の形態を変え、変化してきた生物たち。
それは長い長い年月が作り出してきた、大島の宝物と言えるのではないでしょうか?

「ここ、大島でしか語れない生き物達の物語を、生き生きと語れるようなガイドになりたい!」
今回の旅を終えて、そんな風に考えています。

さあ、いっぱい勉強しなくちゃ~!

(カナ)
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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
スケール実感! (やぶ椿)
2010-02-04 19:00:18
カナさん!実りあるツアーでしたね。

本当に雄大という言葉しか浮かびません。
そんな中にも植物は粛々と育っているのですね。
大島もそうですが自然のままの光景を皆さんに見てもらいたいです。

高校時代山岳部でしたので、友さんの写真にあった
マウナケアを見たときこんな常夏の島にもと感動しました。

是非、この経験をもとに大島の良きネイチャー案内人になられますよう期待してます。
行ってよかったです。 (カナ)
2010-02-05 08:25:50
やぶ椿さん、コメントありがとうございます。

急に思いついてのツアーでしたが、行ってよかったです。大島の特徴や何が貴重なのかが以前より少し鮮明になりました。

今度は時間を見つけて日本の火山も歩きたいです。
お帰りなさい (あけぞ~)
2010-02-05 21:20:52
沸々した溶岩みたいな熱い情熱ハワイ報告、楽しく読ませて頂きました~!
食いしん坊の私としては食べられるツツジ科の実がすごく気になりますね~。
カナさん試してみました?
今後、大島ならではの自然を見られるのも楽しみだけど、カナさんのガイドとしての成長と活躍の方がもっと楽しみだったりします。
カナさんは今でも十分生き生き輝いてて、周囲を魅了しまくりですからね~。
世界中の人に大島の素晴らしさを伝える陸ガイドにきっとなれますよ!
食べれば良かった~! (カナ)
2010-02-06 10:28:54
あけぞ~さん、励ましの言葉、ありがとうございます。

ツツジの実、確かに美味しそうですね。ハワイの植物の本には似た実をつける有毒の植物が有るので野生のものは食べない方が良いという文章が載っていましたが、あの時はガイドさんも一緒、一粒食べてハワイの味覚を味わえば良かったです!あ、でも国立公園の中だから採取はダメか(笑)。

ハワイで見たものが今後のツアーに生かせるよう頑張ります!

素敵!! (あさこ)
2010-02-06 20:17:29
かなさんこんにちは^^

本当に規模が違いますね~!!
三原山でも圧巻なのに。。。

ハワイの概念が180度変わってしまい、興味が一気に溢れてきちゃいました☆

必見ですね!

いつか一緒に。 (カナ)
2010-02-06 21:57:35
あさこさん、こんばんは!

確かにハワイの火山は大迫力でした。クジラも木も風景も“ものすごい大きさ”ってやはり感動的ですよね!

でもベースに三原山があることで、さらに楽しさ度がアップしました。

他の場所を見る時の基準になる自分のフィールドがあるということは、幸せなことだなぁと思います。

大きさの点ではハワイ島のほうが圧倒的に大きいですが、大島でしか見られない風景が沢山あるということも強く感じました。

いつか一緒に歩きましょうね!
Unknown (Kumiko)
2010-02-09 09:03:16
Kanaさん、大島とキラウエア、そしてマウナロアの面積の比較、これいいですね。

いつか大島の火山の様子、そしてそこの動植物を観察しに行きたいです!
待ってます! (カナ)
2010-02-09 11:33:41
kumikoさん、こんにちは!

画像のシダの名前、メールいただき有難うございました。

お忙しいと思いますが、日本に帰ってくる機会が有りましたら是非、大島へいらしてくださいね。張り切って案内致します!

ではまた連絡しますね。


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