グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

成虫越冬と蛹越冬

2010年03月09日 | 
 春になったと思ったら急にまた寒くなったりしている伊豆大島ですが、着実に春はやってきています。

 夜になると道路上をヒキガエルが闊歩し、3月だと言うのにアオバズクが鳴いています。
アオバズクは普通、南西諸島以外では夏鳥ですが、三宅島では越冬するそうです。その三宅島から近いからなのか、はたまた伊豆大島でも人知れず越冬しているのか、例年初認が3月半ばと本州の記録と比べて一ヶ月以上も早いのです。

 いきなり話がズレましたが、今日はアオバズクのお話ではありません。(写真がないので。)

まずはこの写真をご覧下さい。(窓が開かないのでガラス越しの画像ですみません。)



・・・なにこれ?木の枝?

…と思いますよね。

本当は全体をもっと綺麗に撮りたかったのですが、ちょっとガラスが開かなくて…(^▽^;)
よく見ると脚とかあるんですよ。



実はこれ、ハネナガモクメキリガという蛾なんです。
パッと見は枯れ枝にしか見えません。見事な擬態に感心しました。
枝がポキッと折れた部分まで表現しています

ちょっと感動して写真を専門家の方に送って同定して頂きました。

本州、四国、九州、対馬、屋久島、沖縄本島から確認されていますが、南方系の種類のようで、本州北部など一部の地域では準絶滅危惧種の指定を受けている地域もあるようです。
サクラやツバキが幼虫の食樹らしいので、伊豆大島はパラダイスかも?
(時々大規模に農薬が撒かれますが…。)
 
この蛾を撮った時、実はまだ2月でした。ちょっと暖かい日の夜に明かりに飛来したようです。この蛾は秋に羽化して成虫のまま冬越しをして、春暖かくなるのを待って活動を再開するという生活パターンを持っています。今頃どこかで仲間とであって卵を残せているでしょうか?

このハネナガモクメキリガのように、成虫で越冬するタイプの虫は意外と少なくなく、伊豆大島では冬でも気温が上昇するとナナホシテントウやヒメマイマイカブリなどがウロウロしていることがあります。

なのでとっても個人的ですが、これらの昆虫を見ても厳密には「春が来たなぁ」とはあまり思いません(^▽^;)

 そこで昨日見つけたのがこれ。



ルリシジミです。虫に詳しい方にはよく知られている全国的普通種です。伊豆大島にもいっぱい居ます。でも彼らは春もっとも早く現れるチョウであるとされています。(地域にも寄りますが)

このチョウが見られると嬉しい理由は、彼らが蛹で越冬し、春に羽化する虫だからでしょう。蛹で越冬し、年3-4回、3-11月にかけて現れ、集落付近や明るい草地などで見かけます。

 チョウの仲間にもタテハチョウの仲間のように成虫で越冬するものも居ますが、やはり春に羽化するチョウが現れると、「春が来たなぁ~」って思いますね。

(あまの)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする