社会の荒廃 研究室(蜻蛉の眼鏡)

国連の女子差別撤廃条約に基づく男女共同参画を強行する女性独裁権力(フェミニズム)の社会病理に言及、コメント欄も充実。

女性の社会進出で雇用環境が改善するという暴論 --勝間和代、派遣問題、凶悪犯罪--

2009-01-28 17:21:18 | 労働

 派遣労働者の問題が更に拡大している。業界団体の試算によれば、今年3月迄に派遣や請負労働者約40万人が失業する恐れがあるという。

・製造業の派遣・請負40万人、3月までに失業…業界団体試算
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20090127-OYT1T00916.htm

 だが、こうした雇用環境が悪化した状況にも拘(かかわ)らず、女性の社会進出を推進すべきであると主張するのは、経済評論家の勝間和代氏だ(*1)。彼女は現在、内閣府男女共同参画会議「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)に関する専門調査会」の専門委員も務めている。

 そもそも、男女共同参画そのものが女性のご都合主義をごり押しするフェミニズム勢力を母体とした政策なので、税金の無駄遣いであることは勿論、雇用環境や家族社会の崩壊を招く弊害が次々と表れ、犯罪の増加等に繋がっているのは今更言うまでもないことだが、何故この時期に勝間氏のような主張が取り上げられるのか、フェミ陣営の思惑を探ってみたい。

 既に一部で指摘されていることだが、派遣労働の拡大は女性の正規雇用に伴う企業経費の負担を軽減するためと言われている。以下に示すように、労働者派遣法(派遣法)と男女雇用機会均等法の設立と改正は概ね同期していることからも、女性雇用の強制化が進むに従って派遣労働が拡大し、主に男性の雇用環境が悪化していく様子がわかる。

・労働者派遣法
1986(S61)年 7月 1日:労働者派遣法施行
1999(H11)年12月 1日:労働者派遣法改正(派遣業種の拡大)
2004(H16)年 3月 1日:労働者派遣法改正(物の製造業務の派遣解禁、紹介予定派遣の法制化など)
2006(H18)年 3月 1日:労働者派遣法改正(派遣受入期間の延長、派遣労働者の衛生や労働保険等への配慮)

・男女雇用機会均等法
1986(S61)年 4月 1日:男女雇用機会均等法施行
1997(H 9)年10月 1日:男女雇用機会均等法改正
1999(H11)年 4月 1日:男女雇用機会均等法改正(男性又は女性限定の求人募集の禁止)
2007(H19)年 4月 1日:男女雇用機会均等法改正(身長170糎以上等、間接差別の禁止)

・男女共同参画社会基本法
1999(H11)年 6月23日:男女共同参画社会基本法公布、施行

(以上、ウィキペディアを参考にしたが、既にここがフェミニズムに有利な記載となっている場合があるので注意)

 つまり、派遣村にいる人やネットカフェ難民などの労働難民はフェミニズムの被害者ということになる。しかしこうした報道は一切されるはずがなく、それどころかこれら雇用悪化のニュースや取材等をフェミニズムの恩恵を受けた女子アナや女性記者が担当するといった有様である。まるで殺人犯がその被害者遺族にインタビューをしているのと同じようなものだ。だが彼女らには自分達のために労働難民が発生しているといった罪悪感などは微塵もなく、逆に努力が足らない怠けた男性だと軽蔑しかしない。

 しかも、同じ労働難民でも女性にだけは同情的で、老人介護施設などに見習いという形態で入職し、仕事を覚えながら介護士の資格取得を目指すといった「前向き」な姿勢を取材しテレビで紹介したり、労働難民への街頭インタビューでも女性の回答を積極的に紹介するなどの情報操作が行われているようだ。

 再び勝間氏の話題に戻るが、彼女は女性従業員の比率の高い企業は業績が良いという調査結果から女性の業務能力が高いと主張しているのだが、これは原因と結果を逆に解釈した詭弁だと私は思う。これは元々業績の良い企業しか女性を雇用する余裕がないという結果に過ぎないのではないかということだ。

 しかも女性の雇用を増やし子供を預ける保育所を増設すれば、更に雇用の拡大にも繋がると勝間氏は力説しているのだが、それは現在迄既に行われていることであって、それで派遣労働の問題や女性の非婚化が深刻化したことには一切触れていない。

 秋葉原の通り魔事件も犯人は派遣労働者だった。神隠しOL殺害の犯人は34歳にして一度も女性交際暦がなかった。闇サイトOL殺害の犯人3人は何れも安定職には就いていなかった。これらの事件も、雇用と家庭の安定が維持された社会であれば防げたかも知れない。ところがネット世論の一部勢力は、事件の凶悪性ばかりを強調して犯人に対する憎悪心だけを煽り、社会構造の問題に批判が向かないように世論操作に躍起である。

 ところで、勝間氏は21歳で初産し、現在3人の娘を持つ母親だが、二度の結婚も何れも破局し現在は独身である。この人生遍歴を見ても彼女が普通ではないということは凡(おおよ)そ見当が付くだろう。また自分の子供が全て女の子というのも女性だけに有利な主張をし易くしているのだろうと推測できる。だがもしも勝間氏が持論に自信を持っているのなら、派遣村など労働難民の人達の前でそれを演説してみてはどうだろう。果たして支持は得られるだろうか。

 だが、勝間氏もフェミ陣営の中の1人に過ぎない。陣営の司令塔は何を企んでいるのか、勝間氏に好き勝手に言わせて批判をそちらに向けさせておいて、何か別のフェミ政策を法制化しようという意図があるのか、常に監視の目を怠ってはならない。

(*1)
1/26放送のテレ朝系、「たけしのTVタックル」にて。

<参考>
・「仕事も子どももあきらめない!」 
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/yw/yw06112601.htm

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