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郡山総一郎「FUKUSHIMA×フクシマ×福島」

2013-02-21 | photo
2/2のOPEN SHOW CP+で発表をお願いした郡山総一郎さんの
フクシマの写真集が完成したのは、その前日だった。間に合
わせていただいたのは、嬉しかった。



彼のフクシマの写真集はこれが2冊目。毎年の様にだしている。
1冊目「原発と村」がソフトカバー・B5・P94・ \2200だったの
が、今度の「FUKUSHIMA×フクシマ×福島」はハードカバー・
A4・P72とページ数こそ減れサイズも大きくなり紙も厚くなりと
質が高いのに\2500とお得感が高いw

  消費されていく写真ではなく、いつまでも残る写真

という狙いが込められている写真集だ。依頼仕事ではく、自腹で
撮ったものだけに、自由にやってる感じが1作目より強く出ている。

  ドキュメンタリーとアートの境界をとりはずし自由に撮りたい
  写真はどういう見せ方をしてもいいと考えている

放射能をどう撮るかという問いかけに悩んだそうだけど、自分の
感じるものを撮ろうと覚悟を決めたそうだ。



OPEN SHOW CP+の時、モデレータをお願いした横浜美術館の学芸
員の天野太郎さんから、「写真集にしたりプリントにして売ること
が、現地の人との関係性が悪くしませんか?」という質問がある。

郡山さんの返答が「今のところお世話になった方々との関係もいい」
とのことだけど「被写体が隠したい、見せたくないものを撮るのが
写真家で、石を投げられ、刺されてもいいって思っています」という
のが写真家というかジャーナリスト魂を感じさせられる。



天野さんが「写真集は、よく作ってくれたという結果になりやすいの
ですが、プリントにすると売るの?と関係が悪くなったりしますね。」
と言ってはった。

昨日書いた、今井智己さんの個展「Semicircle Law」は 同名の写真集
あって天野さんのエッセイが掲載されている。ギャラリー展示だから
値段も付いている。でも今井さんの写真には人物が写っていないから
地元との関係性うんぬんはない。

被災地や戦地の写真を写真集やプリントで販売することは、値段つけて
いいんだろうか、寄付金をいれなくていいんだろうかと、ちょっとした
葛藤が生じる可能性もあるが、それを乗りこえないと仕事として成立、
ないし継続性がなくなるのも事実。



フクシマの人々の変化について郡山さんが語っていたのが、最初はうまく
いくのかもという「希望」があったのが、時間がたつと「あきらめ」に変
わり、最近ではカネの話でコミュニティが崩壊しつつあると。

あそこはいくらもらった、自分はもらっていないとか。移住によって絆が
強くなるというのは幻想なのか。仮設住宅の駐車場に停めてある高級車を
狙った破壊事件が起きているらしい。それが原発事故の前から乗っている
車であっても。フクシマはどうなっているんだろう。



写真はどれも写真集からで郡山さんのFACEBOOKから。

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