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渡辺眸「1968 新宿」写真展

2014-08-27 | photo
渡辺眸さんが若いころの写真のなかで、1968年に新宿で撮られた
写真から「1968 新宿」と題した写真展が新宿ニコンサロンで、
真集が「街から舎」
から出版される。

当時、東京綜合写真専門学校の学生。女性のカメラマン(ウーマ
ン?)はまだ珍しかったころ。彼女の対象当初から二方向ある。
ひとつは、卒業時の制作展で「香具師の世界」を発表、その後も
『アサヒグラフ』などに掲載されていく。

もう一つの方向は、若者の文化の地でありベトナム戦争や国際反
戦デーでパワーみなぎる新宿や、全共闘ムーブメントの中心・バ
リケート封鎖された東京大安田講堂を内側から撮りはった。

後者は写真としても忘れられていたのが、2007年に「東大全共闘
1968‐1969」(新潮社)や写真展で再評価の機運が高まり、今回
に繋がったんだと思う。



1967年からボチボチ撮り始め、広場が通路になって、
メディアでフォークゲリラと呼ばれた1969年の新宿
西口までだが、その中でも1968年に撮ったフィルム
が最も多かった。



花園神社境内での唐十郎の紅テント、ゴールデン街で
女装した美しい人に出会い、グリーンハウスの風天た
ち。アンダーグランドという言葉に出会ったのもこの
頃。下北沢でも吉祥寺でもない新宿が文化だった。

「10.21国際反戦デー」のデモでもみくちゃにされな
がらカメラを回していると「警官の方が先に殴ったよ、
先に殴ったでしょ」と叫んでいる隣の男性が大島渚監
督だった。

  

1年前にとある写真展のオープニングにお客として来てらした渡辺眸
さんを紹介される。60年代の写真は伝説的だと緊張したけど、とても
気さくで、近年撮り続けている蓮の花の話をしてくださった。

彼女にとって、新宿・学園闘争というのはその時のテーマとしては大
きかっただろうが一つに過ぎず、インド、ネパールなどアジアをずっ
と撮って、精神性の高い写真や写真集を発表しつづけている。

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