やまねこマッサージ

ねがうこと、ゆだねること

日本民藝館「つきしま かるかや」展

2013-08-13 | art
日本民藝館で「素朴表現の絵巻と説話画」と銘打ち、室町
時代の素朴派の代表絵巻「つきしま」「かるかや」を展示
するので楽しみにしていく。8/18までやからギリギリw

「かるかや」はサントリー美術館で2、3回みたことが
あって、こことかここに書く。なので、なんといっても
「つきしま」がお目当て。

本で見ただけなので、他の作品は後回し気分で、2階奧の
メイン会場に「つきしま」をドキドキしながら探す。。
ついに見れたって喜びはつかの間。え?これだけって思
う。ほんの少ししか、絵巻物が開いてなかったのね。

小さなケースが二つ並び、上巻と下巻のさわりがちらりと
開いてあるだけ。もっと広げて欲しかったなぁ。展示会の
タイトルにしているし、民藝館所蔵作品なんだから。


5万の人夫が山から土岩を海に運ぶがうまく工事がすすまない。

カタログはすばらしく、力作。各作品の全部を載せてるんや
から。部分もけっこうある。「つきしま」もだけど「かるか
や」の全貌がわかって嬉しい。

あらためて「つきしま」なんだけど、平清盛が福原遷都(今
の神戸市兵庫区あたり)を行う時、沖を埋めて港を造る際に、
工事が進まないので、清盛が30人の人柱を沈めようとした。


籠に入った人柱を海に沈める日。

それに対して松王健児という若者が一万部の法華経とともに
30人の身代わりとなる伝説を絵巻物したもの。室町期には広
く知られた話だったようで、幸若舞曲になったり、絵画とし
て数点残っているそうだ。


「つきしま」左の先頭舟に乗る縞の着物が松王少年。舟には万巻の経典が積まれている。
赤い傘を差してもらっているのが清盛入道。

それにしても、自由な絵だ。いわゆる正統的な中国影響の
絵画とは全然違う。描き人知らずなんだけど、有名な画家
ではないことは確かで、ささっと早描きしたんだろうけど、
いい味が色合いと共にでている。

寺や船も実物を模そうなんて発想からは自由に、独特の空
間をもった存在として描かれている。好きな絵だなぁ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿