2つの偶然

都心での打合せに向かうために
中央線に乗っていたら、のろのろ
運転になったかと思ったら止まった。
線路に侵入した人のせいだとの
アナウンスがあった。

これは打合せに遅れるなぁと観念したら
会議に参加する仕事仲間から電話があってやはり
遅れると。

「ぼくも遅れるんですよ、電車のなかです」
「私も電車が止まってまして」
「どちらですか」彼女がどこに住んでるのか知らなかった。
「中央線です」
「同じですね、いま中野ですよ」
「私も中野です！」
おもわず車内を見渡した。
同じ電車に云わせていたなんて、偶然。


中央線が事故で遅れるってちょっと
嘘っぽいところがあるけど、二人で
遅れるなら、ちょっと胸をはって
（別に張らなくてもええんだけど）
会議室に入った。

☆

夜は知り合いのご夫婦におよばれ。
雨がやんで涼しい風にあたりながら
ごちそうをたんといただく。

天然酵母で作るパンが美味しい奥さん
なんだけど、最近は酒酵母のパンに
はまっているとか。

「そういえば千駄ヶ谷に天然酵母での
パン作り教室の草分け的なとこに
パンを買いに行くんですよ」って話したら
「トゥルナージュです？」
「そうそう、小山さんがオーナーで」

「私その教室に通ってたんです！
初級、中級、上級から師範コースまで」
「それはすごいですね」
と近いところで共通の知り合いがいたことが
わかったのが偶然の２つめ。
一段と盛り上がった。