地球環境問題のポイント
確認として繰り返すと、今、持続可能性が世界レベルで問題になっています。それは、産業革命以来ここ二百年余りを「近代」と呼ぶとすると、現行の「近代的な社会経済システムの問題だ」というのが私たちの共通認識です。
近代的な社会経済システムでは、基本的に資源を大量消費・大量使用し、それによって大量生産をし、それを大量販売します。ここまでは主として企業がやりますね。それを大量消費していく。これは主として市民がやります。
「消費」という言葉には大きな落とし穴があって、「消え費やす」と書きますが、使ったものは使い終わったら消えてしまうわけではなく、必ず結果としてゴミになって残ります。つまり、基本的に消費された商品のほとんどすべては最後にゴミになって残る。
つまり、大量生産・大量消費の結果は大量廃棄です。これは生産のプロセスで企業もやりますし、それから消費した結果市民も出します。
ところが、資源は有限です。それから、地球のゴミを処理する自己浄化能力も有限です。
ですから、近代的な経済システムは実は入口も出口も有限だったのですが、産業革命が始まった頃はそんなことは自覚されていませんし、最近まであまり自覚されなかった。
1960年代になって、地球環境は実は入口も出口も有限なのだということをはっきり認識したオピニオン・リーダーが現われるようになってきて、やがて社会的・世界的に問題にされるようになってきたのですが、根本的原因である現状の社会経済システムの変更にまで取り組むに至っている国は非常に少ないという状況にあります。
しかし、とにかく地球環境は人間の経済に対しては入口も出口も有限ですから、持続可能にするためには、この入口・出口で大量に使って大量に捨てるという近代的な社会経済システムを根本的に変える必要があります。
そういう意味では、現行の社会経済システムの延長では地球生態系が持続不可能になってしまうだろうというのが、私たちの会の基本的な合意点です。
ですから、「いや、現状の延長で可能なんだ」という方がもしいらっしゃれば、後で議論をしてもいいのですが、基本的には現状の延長では不可能だという合意を前提にその先を考えようというのが、この学習会です。
コメントを見落としていて、お返事が遅くなり失礼しました。
ご無沙汰していますが、お元気のようで何よりです。
拙著のご紹介有り難うございます。
スウェーデンの政権交代の見込み、ちょっとうれしいニュースですね。
社民党政権が、この困難な状況の中で適切な政策を出すことができたとして、の話ですが、理想主義とプラグマティズムを兼ね備えた社民党の伝統が生きていれば、やってくれるでしょう。楽しみです。
8月8日にスウェーデン大使館でスウェーデン大使のさよならパーティーがあり,歌を披露させていただきました.スウェーデンはここずっと穏健党を中心とした右派が政権を握っていましたが,今度の選挙では社会民主党を中心とした左派ブロックへの政権交代が確実なようです.