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『原子炉時限爆弾』の信憑性の確認 続々

2011年05月10日 | 原発の持続不可能性
 「持続可能な国づくりの会・理念とビジョン」
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 運営委員長の岡野です。自分の不明をさらけるようですが、原発についてにわか勉強していることについて、もう少し書かせていただきます。


 道でヘビに出会い、教師が生徒に「ハブだ、避けろ!」と言ったら、子どもが飛びのいて無事ヘビに咬まれないで済んだ。ところが、後で調べてみるとどうもハブではなくマムシだったらしいという場合、教師は生物学的には不正確なことを子どもに教えたことになりますが、緊急対応という意味ではきわめて適切な指示をしたことになります。

 それに対し、「ヘビがいるよ。アオダイショウかもしれないし、ヤマカガシかもしれないし、マムシかもしれないし、ハブかもしれないし……よく観察して図鑑で調べてみるとわかるよ」とか言っているうちに生徒が咬まれてしまったら、科学的観察や研究の態度としては正確なことを教えたのかもしれませんが、緊急対応の指示としてはまったく不適切です。

 今、続けて専門家として学問的により正確だと思われる方々の著作も読んでいますが、原発事故の危機は毒ヘビに遭ったら瞬間的に飛びのかなければならないくらいの緊急事態であることを実感的に知らせてくれる、その切迫した声の調子という意味で、やはり私にとっては『原子炉時限爆弾』がもっとも有効でした。

 しかし、信憑性について気になるので、もう1点だけ、社団法人日本原子力産協会のHPに掲載されている「原発の立地」と、NPO法人大気イオン地震予測研究会のHPに掲載されている「100万分の1陸上・海底活断層図」を重ねてみて、広瀬氏の「すでに商業運転中の原子炉が五四基と、高速増殖炉〝もんじゅ〝と、六ヶ所再処理工場という、日本を破滅に追いやる可能性が高い危険なプラントが日本中に存在している。これらをつぶさに調べてみたが、そのどれもが、地震の直撃を受けた場合に、とてつもない危険性を持っていることに確信を得た。なぜなら、これらはすべて地球と日本の成り立ちから、共通の弱点を持っているからである。」(「電力会社へのあとがき――畢竟、日本に住むすべての人に対して」p.274)という言葉には、信憑性があることを確認しました。

 日本の原発はすべて(あるいはほとんど?)活断層の近くや上に立っているらしい、それだけで十分に、というよりはあまりにも危険であることは明らかです。

 加えて瀬尾健『完全シミュレーション原発事故の恐怖』(風媒社)と高木仁三郎『もんじゅ事故の行きつく先は?』(岩波ブックレット)を読んで、日本はほんとうに危ないのだと背筋が寒くなり、一日も早くなんとかしなければ、と感じています。

 しかし、とりあえず幸いなことに、中部電力も取締役会で菅首相の要請を受け入れることにしたとのことですし、今日の首相の発言によれば、民主党の従来のエネルギー政策を白紙にして見直すとのことですから、少し希望が出てきたかな、という気がしています。

 菅首相が、脱原発に大きく舵を切ってくれるといいのですが……そこまで期待できるかどうか……