貴男方の大切な息子さん、娘さんである
我が父上、母上の意に反した風にしか
生きれずに、これまでの人生を送って来ました。
父上、母上には感謝して居ります。
父上に於かれましては、御祖父様亡き後
"手本"が無い状態で、手捜りし乍ら私を育てて戴きました。
父上も鬼籍となり弐拾年になりますが
お目に掛かるコトがございましたならば
是非とも誉めて上げて戴きたいと
生意気乍らも、御願い申し上げたいと存じます。
母上には、一生アタマが上がりません。
家庭を持つコトも出来ず
なかなか一本立ち出来んまま苦労ばっかり掛け
更には、ワケの理解らん病にまで掛かり
苦労を上乗せしてしまい、不徳の致すトコロであります。
貴方の大切な娘さんに… 大変申し訳ございません。
こんな不肖の息子に対して
無数の愛情を注いで戴きました。
御祖父樣方、どうぞ"誇り"に思って戴きたいと存じます
一方、貴男方の孫である私ですが…
これまでの人生を振り返っても
なんら他人様に自慢出来るモンも無く
"誇り"とは程遠く、今の状態では"埃"同然でございます。
ですが、どうせ"埃"であるならば
泥臭く"我武者羅"にこの世を全うし
誇れずとも、力強く生きて行く所存であります。
どうか、不肖の孫ですが…
「コイツはホンマに、何をやっとるんや！」
っちゅう風にでも思い乍らも
見届けて戴ければ、幸いでございます。
最後に、私にとって貴男方は"誇り"で御座います。
六十八回目の、夏の日にて…。
