近鉄富雄駅(奈良市)かいわいはラーメン店の「激戦区」になっている。地元の人らの情報から、気になった4店を訪ねた。

 今月中旬の平日午後5時半、「麺屋あまのじゃく」の前には、開店が30分も先なのに、若者ら6人が並んでいた。

 店内はカウンターのみ8席。店主の石田正樹さん(62)が妻和子さん(53)と切り盛りする。

 ログイン前の続き自慢の品は鶏ガラスープの「あっさり塩」(税込み780円)。魚介のうまみが味わえるスープで、しっかりとした塩味が口に残るのが特徴だ。2004年の開店時から変わらない。「(久々に来たお客さんに)味が変わっていなくて安心したと言ってもらえる。この味を守っていきたい」と石田さん。

 「ラーメン家みつ葉」は11年にオープンした。営業時間は午前10時半~午後2時(売り切れまで)。クリーミーな味と泡立つスープが女性を引きつけている。県外から訪れる人もいる。

 一番人気は「豚(トン)CHIKIしょうゆラーメン」(同800円)。スープは鶏と豚の骨などを8時間ほど煮てつくる。麺は多加水麺で、もっちりとしている。店主の杉浦嘉和さん(42)は「奈良の新しい名物として、他の店と一緒に『富雄ラーメン』を全国に発信していきたい」と話す。

 03年開店の「鯛(たい)だしそば・つけ麺はなやま」。ラーメンの「鯛だし塩そば」(同680円)が自慢の一品だ。干した鯛などを煮込んでつくったスープに、ミネラル分が豊富な沖縄の塩「ぬちまーす」を加え、まろやかであっさりした味に仕上げている。

 「あっさり好きの人が来てくれます」と話す店長の渡部孝さん(50)は、この店と取引があった精米会社の元社員。当時の店のオーナーに誘われ、10年ほど前に入店。5年ほど前から店長をしている。

 「アノラーメン製作所」はつけ麺専門店。14年開店と比較的新しい。店内は白を基調とし、おしゃれな雰囲気が漂う。全粒粉を練り込んだコシのある自家製麺に自信を持っている。

 メニューは甘酸っぱいスープの「パインスープツケメン」と豚骨の味が濃厚な「カニスープツケメン」の2種類(同各800円)。店長の大畑朋之さん(36)は「見た目や香りでおいしそうと思われることが大事」と話す。以前は飲食店にワインやチーズを販売する仕事をしていた。様々な店との交流があり、つけ麺づくりに生かしている。「いろんな人の琴線に触れることを目指しています」