新型コロナウイルスの国内での感染者が14日、新たに6人確認された。東京都2人、和歌山、沖縄、愛知各県、北海道で各1人、そして中国・武漢からチャーター機(第3便)での帰国者。国内で感染が広がっており、各道都県などで行動歴や感染経路を調べている。大型クルーズ船の乗客乗員も含め、国内で確認された感染者は計258人となった。

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 東京都によると、都内の新たな感染者2人は発症前に中国への渡航歴はないが、すでに感染が確認された都内在住の70代のタクシー運転手の男性と濃厚接触していたという。

 1人は屋形船の従業員で、中国湖北省からの旅行者と接触歴があるという。タクシー運転手が1月18日に都内の屋形船で開かれた個人タクシー組合支部の新年会に出席しており、運転手の感染を受けて検査したところ、従業員の感染が確認された。

 もう1人は、運転手と日ごろからやり取りしているタクシー組合支部の職員。新年会には約80人が参加し、このうち約10人に発熱などの症状があるという。この参加者を含めて、運転手との濃厚接触者はタクシー組合員や屋形船の従業員など約100人おり、都は全員のウイルス検査を進めている。

 神奈川県によると、タクシー運転手の義母で、13日に同県内で亡くなった80代の女性(死亡後に感染判明)と、運転手の妻は1月21日に会っていた。

 和歌山県での感染者は、13日に感染が確認された男性外科医が勤務する済生会有田病院(同県湯浅町)に入院していた70代男性。県によると重症で、発症前の中国への渡航歴は不明という。男性は今月1日に吐き気などの症状を訴え、5日に発熱。6日に同病院に入院し、13日に別の病院に移った。ただ、感染が判明した外科医と直接接触はしていないという。会見した仁坂吉伸知事は院内感染ではないとの見方を示した。

 県は、同病院でほかに肺炎の症状がある男性医師と男性患者の検査を急ぐとともに、5日まで肺炎で入院し、13日の検査で陰性だった70代女性についても再検査する。入院患者158人や職員に感染が拡大していないかも調査する。

 沖縄県で感染が確認されたのは60代のタクシー運転手の女性。県によると、集団感染が起きた大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号が1日に那覇市に寄港した際、下船した乗客を乗せていた。女性は5日にせきなどの症状が出て、医療機関を受診したところ肺炎の疑いが出たため、14日にウイルス検査をしたところ陽性だった。容体は安定しているという。

 県によると、乗客の大半は横浜に向かう前に那覇市内でいったん下船しており、接触した可能性が高いタクシーやバスの運転手の検査をしていた。

 北海道で確認されたのは50代男性で、1月31日に発熱などを訴え、14日に感染が判明した。道によると、感染前に中国への渡航歴はないという。