今回は、18歳選挙権が導入されて初めての奈良県知事選・県議選。若者に関心を持ってもらおうと、県選挙管理委員会が工夫を凝らしている。これまで県立高を中心に選挙啓発の出前授業を行ってきたが、知事選にあわせてアニメを制作し、SNSでも投票を呼びかける。

 18歳選挙権は2015年に成立し、16年6月施行。施行前の15年の知事選の投票率(全体51・05%)は、20~24歳が28・50%、25~29歳が32・05%。参考までに、施行後の17年の衆院選(同55・66%)は18歳49・93%、19歳41・30%、20~24歳33・22%、25~29歳34・34%だった。

 県選管は09年度から県立高校を中心に出前授業を開始。生徒たちに選挙の仕組みや意義を説明し、実際の投票箱や記載台を使用して模擬投票を実施するなどしてきた。09年度は1校のみの実施だったが、15年の18歳選挙権の成立を機に学校側からの要望が増え、18年度は13校で行った。

 ログイン前の続き県選管は今回初めて、投票を呼びかけるアニメーション動画を制作した。動画を公開する特設サイト(https://www.narasen.jp/)につながる広告もラインやフェイスブックインスタグラムなどのSNSに初めて掲載する。

 動画は30秒。「ムリムリ、時間ないし、めんどくさいし。用事あるし、カッコ悪いし」と選挙に行きたがらない鹿の「シカ太」を、大仏の「だいぶっちゃん」が「ホンマわかってへんなぁ。奈良のこれからを決めるんやで。今は行く方がカッコええんやで」と説得する内容となっている。最後は「選挙に行くシカない」と締める。県庁ロビーや県立図書情報館などでも流す。

 担当者は「SNSの広告から、これ何かなと思って、動画を見て頂き、結果として選挙に関心を持ってもらいたいです」と話している。