くぬぎのたろぐ

くぬぎ太郎の日常的視点

つり革

2013-04-12 13:35:03 | Weblog
「男はいくつになっても子どもなんだよ」
そんなセリフを思わずアテレコで付けたくなるほどに
男はいくつになっても電車のつり革にぶら下がるのが好きな生き物です。

日々電車に乗っていると、
やっと立ち上がれる位の男の子から足元のおぼつかない老人まで
老若男がブラ下がっている姿を誰しも一度は見ることがあるでしょう。

小さな男の子は自らの成長を実感するために、
少年は純粋な遊び心から、
青年は社会に対するやり場のない怒りをぶつけるために、
中年はまだまだ若いと思っている自分を誇示するために、
高齢者は健康のために。

各年代ごとにそれぞれの明確な目的を持ってつり革にブラ下がっているように見受けられますが
果たして樹上生活を営んでいたご先祖様から脈々と受け継がれた遺伝子が否が応にも男たちをつり革へと向かわせているのか、
あるいは振動でユラユラと揺れる輪っかに何らかの催眠効果があるのか。
その根源的な真相はいまだにもって明らかになってはおりません。

かく言う私もここのところ歳のせいか肩やら背中が凝って仕方がないので
何かにブラ下がって背筋を伸ばしたい衝動に駆られることも少なくなく
つり革を見ていると頭がボ~っとしてきてついフラフラと両手を伸ばして…、、
思いとどまったりしています。

よもやつり革にブラ下がって世間様に迷惑をかけるわけにはまいりません。
そこで先日私はやむなく整体に行ってまいりました。
身体の歪みを整え肩こりをほぐしてもらった後、
先生に原因を聞いたところ運動不足との指摘をいただきました。

「時々肩を回したり伸ばしたりしてください」とアドバイスを受けたものの
自力で腕を上げるのも何だか面倒になっている始末で
やはりいっそ何かにブラ下がった方が楽な気がしてくるのです。
といってもブラ下がれるような場所は家にはないしブラ下がり健康器を買う気にもなりません。

こうして行き場を失った男たちがつり革へと向かって行くのでしょうね。
私はやりませんけど。

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