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コメントへのお返事や私見など

2016年12月31日 | Weblog
前回の記事に対して、多くのご意見をくださりありがとうございました。また、私の至らなさから不愉快な思いをさせてしまった方々には申し訳なく思っています。
ただコメントのなかには、事実とは違う憶測が元になったと思われるものもありました。

まず今回の件だけでなくこれまでにも、ネット上での私の発言や行動が渡辺竜王をはじめ他者の操作、命令によって行われたことはありません。すべて私の意志によるところです。また私が渡辺竜王をそそのかして三浦九段を告発するよう誘導したという事実や、週刊文春をはじめ、各種報道機関にこちらから情報を提供したという事実もありません。取材の依頼はありましたが、すべてお断りしています。
渡辺竜王とは同門の兄弟弟子であり、将棋会館を出ても会ったり連絡をとったりする機会が多く親しくしていることは確かなので、そのような憶測が生まれやすかったのだと思います。渡辺竜王との関係性、および棋界の人間関係の考察については後日に改めて記します。

「ネット上でデマをばらまき、何度もクロと断言した」といった主旨のコメントや指摘については、私自身はそういう認識はありませんでした。文章の書き方のまずさや読んだ人の私に対するイメージから、そう受け取られてしまったのかもしれません。
今回の不正疑惑に関しての一貫した私の思いは「シロであってほしいが、クロの可能性もある」というあやふやなもので、どちらかに100の割り合いで振り切ったことはありません。そのあやふやさが言葉の受け取り方を乱してしまったのだと思います。ツイートや本ブログを振り返ってもらえばわかりますが、クロと断定した発言はありません。
 ただ「三浦九段が不正をしているのではないか」という話が(私の体感では)8月の中旬あたりから棋界内にあり、様々な意見や先々への不安な思いを聞いていたのは事実です。これは第三者委員会の報告に含まれるかどうかはわかりませんが、棋士に聞き取りをすればすぐに証明されることだと思います。
棋士は月例報告会で不正の疑いがあることを知らされており、(どの段階で三浦九段が対象だと知ったのかは不明ですが)これについて会館を離れた場所でも話題になるのは自然なことでしょう。逆に不正の疑いがあることを知りながら、全員が「そんなことはない。問題視する必要はない」となるほうが不自然であり、不健全ではないでしょうか。
ただ、あのタイミング(2つ下の記事を参照してください)およびツイッターという場でコメントをしたことによって騒動を大きくしてしまったのは確かです。あまりにも一般のファンに情報が伝わってこない状況だったので、ある種の責任のようなものを感じて、軽率なことをしてしまいました。私のツイートによって不快な思いをした方には、重ねてお詫びいたします。

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第三者委員会の結論、これに対する三浦九段と将棋連盟の会見があり、一定の区切りがつきました。(朝日新聞社の記事は、すべて読むためには登録が必要かもしれません)

第三者委員会の報告(毎日新聞社)
三浦九段の記者会見(朝日新聞社)
将棋連盟の説明詳細(朝日新聞社)
第三者委員会調査結果を受けて(日本将棋連盟)

今回の不正疑惑は「対局中にソフトを使用する不正があったのかどうか」。「将棋連盟が出した三浦九段への処分は妥当だったのか」が主となっており、第三者委員会に依頼されたのもその2点でした。この2点は重なり合う部分もありますが、基本的には別に考えるべきだと思います。

(1)第三者委員会の結論について
『不正の有無』については「証拠は認められない」という調査結果が出されました。
私は無罪の判断(裁判ではないので妥当な言葉かどうかはわかりませんが)が出されたことを喜ばしく感じ、今後は三浦九段の名誉回復や諸々の埋め合わせが正しく行われて欲しいと考えています。

前回の記事のなかで私は『まず前提として、将棋と真剣に向き合って大事に思っている人の誰もと同じように、私はソフトによる不正はあるべきではないと考えています。今回の三浦九段の疑惑についても同様で、不正はなかったという帰着が望ましいと思います。ただ対局した(する)相手が告発というリスクの高い行動を起こしたことは重要視しなければいけません。性質上、無実を証明することは(調査によって物証が出なくても完全ではないという意味で)難しく、逆に何かしらの物証が出たとしても即座に不正確定とはなりません。自身で不正をしていたと認めた場合のみ、明快に決着するということになりそうです』と書きました。

無罪という言葉は、その件について罪に問われないという意味です。調査のなかで不正行為を認める根拠が出てこなかったので、今回の判断は無罪にあたるものだといえます。
そもそも将棋連盟が第三者機関に調査を依頼した時点で証拠が出る可能性はほぼなかった(現行犯、もしくは本人が認める以外は有罪とならない)ことから、ここまでは当事者たちも周囲も予測していたことだと思います。

一方の無実は、「指摘された行為が全く無かったという事実」のことです。三浦九段が無実を主張し、自身でそう定義づけるのは当然のことですが、周囲に強制することはできません。すでに過ぎ去った事象に対し100パーセントやっていないと証明するのは難しく、結局は感情というグラデーションに左右されてしまいます。
将棋界の内部的には三浦九段に対し「不審に思ったこと」を投げかけ、ひとつひとつ解決していく。その積み重ねで信用を回復していくのが地道ながら確かな方法かもしれません。これを行っていくためには周囲の配慮、サポートも必要になってくるでしょう。

ネット上では「三浦九段は無罪なのだから、疑われるような行動は何もなかった」といった論があり、ともすれば逆の意見を封殺する風潮すら見られます。これについて私自身は異様さすら感じています。

三浦九段自身が(会見では30分の離席が認められなかったことに対して)「そもそも疑惑はなかった」と主張するのはよいと思います。しかし現実として、少なくとも渡辺竜王や久保九段が強い疑念を抱く材料、将棋連盟が出場停止処分を行う背景が(少なくともその当時は)あったのですから、「どういう点を疑ったのか」を検証するのは大事なことだと思います。これを行わずにフタをしてしまったのでは、「こういう行動は慎んだほうがよい」といったガイドラインを作ることさえできません。

たとえば記者会見で青野九段が「久保九段の(指摘した)31分という話はあった。それは勘違いとしても、合計すると2時間40分という離席は普通の対局では考えられないこと」と話していましたが、これも三浦九段に説明してほしいことのひとつです。確かに5時間の持ち時間で半分以上盤の前にいないというのであれば、普通ではないように感じられます。(体調が悪かったという話も出ているので、対局中に具合が悪くなった場合のガイドラインに繋がるかもしれません)(※1月16日に公表された第三者委員会の報告書要約で、三浦九段の持ち時間のなかでの離席は1時間となっていました。当初の文は青野九段のコメントが元になっていますが、『持ち時間5時間のなかの2時間40分』という状況ではなかったので、この部分は注釈というかたちでお詫びして訂正します。)
三浦九段が受けた被害は非常に残念ですが、一方的な論調によって渡辺竜王、久保九段が意見を言う機会が奪われてしまうのであれば、それはおかしなことです。一般のファンであっても、きちんとした形であれば疑問を投げかけてもいいと思います。三浦九段には日本将棋連盟の正会員として堂々と受けてもらい、それによって信用を回復し、今後のルール作りに生かすのがよいでしょう。
盤上においては、とある棋士が発した「出てこいよ三浦! 俺がぶっ倒してやる」という言葉と姿勢が将棋指しらしくて好ましいなと思っています。

(2)『三浦九段に対する出場停止処分の妥当性』についての第三者委員会の結論は、「妥当」というものでした。私個人としては、早急に処分が執行されたことで問題が深刻になったのではないかと考えていたので、妥当という判断は意外なものです。
ただ報告の文言は「当時の判断はやむを得なかった」とあり、その後の理事会の会見を見ても、難題が重なったことで満足に機能していなかったと推測できます。(キャパオーバーを起こしたのは理事会だけでないかもしれません。少なくとも自分もオーバーしました)。
日本将棋連盟は社団法人であり、社団法人は正会員(人)の存在が財産となります。将棋連盟の場合は棋士および一部の女流棋士が正会員にあたります。将棋連盟の執行部である理事会は、この財産を最大限に生かすことで将棋を広め、同時に財産を守っていく義務があるはず。かつてないピンチである今だからこそ、形にとらわれずに最善を尽くしてほしいと思います。

今回の記事は以上になります。ご意見や批判は当エントリのコメント欄にお寄せください。
私は将棋連盟の正会員ではないので直接動いていくのは難しいですが、ライターとしての立場で出来ることに全力を尽くします。「将棋界は将棋を愛するすべての人のためにある」という視点に立てば棋士も観戦記者もファンも等しいものなので、皆さんにも協力していただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

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【追記】
たくさんのコメントをありがとうございます。
うまく伝わらなかった部分があったようなので、改めて記しておきます。(匿名の方が多く返信が難しいので、追記という形をとりました)
某まとめサイトでは、今回の記事が「私が三浦九段へ反論を行った」というふうな見出しつきで紹介されていますが、私に反論の意図はありません。「今後、どのように進めていけばよいのか」という視点での提案です。何様だよと言われれば、それはその通りで返す言葉もないのですが。
「三浦九段が疑問に答える」という案は、三浦九段の協力があれば強固なルール作りの礎になるのではないかと考えたためです。もちろん心身の負担を考慮して、可能な範囲で協力というかたちで十分だと思います。

もうひとつ、とある棋士の「出てこいよ三浦! 俺がぶっ倒してやる」も、多くの方に私が感じた印象とは違うように受け取られたようです。
復帰後に三浦九段が周囲と、周囲が三浦九段とどのように接していくのか(いけるのか)は、その場になってみなければわかりません。以前と同じようにというのが理想的ですが、現実的にはきっと簡単ではないでしょう。
私は上の言葉を、さまざまな気持ちをないまぜにしつつも「盤上では何も譲らない」という、棋士の根幹ともいえる決意なのだと感じました。ただ解釈の揺れが大きい言葉なので、適切な引用ではなかったのかもしれません。この点は、混乱を招いてしまったことをお詫びします。

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【追々記】
コメント欄は私に対する意見や批難だと認識しているのですが、いささか混線してしまっている感がありますので、私の考えを箇条書きで整理してみます。これには以前のエントリーやツイッターの内容も含まれます。

(1)プロ棋界界隈で夏ごろから、三浦九段のソフト不正を疑う、もしくは事実だとしたらどうなるのかという不安の声があった。少なくとも渡辺竜王には、竜王戦七番勝負を前に調査(事実上は告発)を依頼するだけの根拠があった。

これは当時という意味です。第三者委員会の報告があった現在を立脚点にしてしまっては、正確に経緯をたどることができません。

(2)初動における日本将棋連盟理事会、渡辺竜王、三浦九段、その他の棋士や関係者の行動や言動はどうだったのか。もし著しく問題があったのであれば、何かしらの処分があってもやむを得ない。ただし、当時の状況を踏まえたうえでの判断であることが望ましい。

コメント欄で告発者のリスクに言及する方も多く見受けられました。疑惑をかけられた側の被害の大きさを考えれば、結果次第では告発者に何かしらの処分があるのは妥当だと思います。渡辺竜王もこの点は認識しているようで、第三者委員会設立の前からプライベートな場では自身に対する処分について言及していました。

(3)第三者委員会の報告を早急に鵜呑みにせずに、平等性や正確性を検証していったほうがよい。

第三者委員会の報告はもちろん尊重しますが、現在はごく一部が公開されているに過ぎません。この状況で神棚に祀って終わりではなく、正確であったのか、何より平等であったのかを検証する必要があります。実際に三浦九段側は理事会の処分の妥当性について疑問を呈しており、検証の余地は十分にあるはずです。一般にもできるだけ多くの部分が公開されてほしいと思います。合わせて渡辺竜王をはじめとする当事者の説明の場も、用意されて然るべきだと思います。

(4)三浦九段の補償と名誉回復が正しく行われることを望む。

今回の件で三浦九段は多大な損失を被りました。金銭的な補償は数字が出しやすいですが、名誉回復は非常に難しい問題でしょう。
それぞれの立場と様々な感情があるのは容易に想像できます。強制力を持って一つの方向を向かせると腫れ物を扱うような感じになってしまい、逆に三浦九段の孤立を深める結果になりかねません。
それならば自然に委ね、三浦九段が新たなルール作りに協力するという前向きな形で周囲と接触する場を持ったらどうか、というのが私の提案でした。

(5)謝罪は強制されて行うものではない。
私は第三者が謝罪を強制するということが正当であるとは考えていません。(社会的影響が強い場合は、その限りではないかもしれませんが)
個人レベルであれば自身が納得したタイミングで、自身の考えた方法で行うものだと思っています。

取り急ぎ以上となります。
よろしくお願いいたします。

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【追々々記】
今回の記事は、いまこの時期に今後について書いておくべきと思ってアップしたものです。
私が懸念したのは、追記の(3)に記したように、第三者委員会の報告をすべて鵜呑みにして「なぜこういう事が起こったか」「今後起こさないためには何をするべきか」「万が一起きたときにどう対応するか」という部分を突き詰めない展開になることです。検証を続けることで、疑惑をくすぶらせ続けようという意図ではありません。
第三者委員を格付けする機関があるように、その報告は検証の対象となります。しかし一方で時間をかけて作成された資料でもあり、これを有効活用しない手はないと思います。

三浦九段は理事会による出場停止の妥当性の判断に疑問を呈しました。「不快感」で済まされてしまった渡辺竜王、久保九段にも言い分はあるでしょう。
理事会は報告についてのきちんとした説明が必要ですし、その範囲は最低でも正会員すべてが対象になると思います。今後はヒアリングではなく、きちんとしたディスカッションによって前進してほしいと願っています。
コメント (2001)